映画鑑賞記録202212

初見は●

映画館で観たやつ

● ザ・メニュー

予告観た時点では孤島ミステリ?デスゲームもの??とか色々考えてたがどっちでもなくて、変な映画だった。まあ予告で明かすわけにもいかないとはいえ、この映画で大事なのってシェフの正体とかそういうのじゃないんだよな……

思い詰め過ぎた天才シェフが自分と因縁のある客を集めて心中を図ろうとしていた、というだけの話ではあるんだけど。「そんなことある??」みたいな展開の連続で、その変さに一貫性と勢いがあってどんどん事態がエスカレートしていくから楽しい。

いけすかねー客がいけすかねー料理を蘊蓄垂れながら食ってる序盤の「これ笑っていいやつ…?」「ここからどう展開するんだ…?」という困惑もそれはそれで楽しいけど、やっぱり"4品目"以降の「あ、このシェフ完全にヤバい人じゃん…」と明らかになる流れがよい。

ラストも綺麗。シェフは目的を果たしロクでもない客たちは死に、ただ一人シェフの心に触れることができたマーゴだけが生きて島を離れる…という。次々登場する料理の中で、あのチーズバーガーが一番美味そうに描かれてたのも良い。

あと役者の顔の"丁度よさ"ね。アニャ・テイラー=ジョイは勿論、ブチギレてて怖いけどちょっとコミカルな顔してるレイフ・ファインズに、蘊蓄クソ野郎なニコラス・ホルトも凄い適役だったな……

● MEN 同じ顔の男たち

そこそこだな〜〜〜という感じ。アレックス・ガーランドに個人的な恨みがあるからちょっとひねくれた目で観ちゃった気もするが。

toxicな男性性映画をやるならもうちょっとはっきりモノを言った方が良いんじゃないの……みたいな気持ちが若干。多少なりともそういうのに関心を持ってる人ならこの映画の言わんとするところが理解できると思うけど、これだけ見せられても伝わらない奴には伝わらないよなと。『プロミシング・ヤング・ウーマン』でも似たようなことを思った。

とにかく美しいイギリスの田舎の風景と、そこから一転して叩き込まれる終盤の激グロ映像は良かった。おじさんがおじさんを出産し産まれたおじさんがまたおじさんを産みーーって、あんまり見たことないタイプの最悪の絵面だ。笑けてくるくらいしつこいのと、それに対面してる主人公のウンザリした表情含めて良い。

配信などで観たやつ

● トロール

Netflixで。金かけまくってアクションに振り切った『トロール・ハンター』を期待していたら大体そのような内容で良かった。こういう映画は定期的に欲しいぜ。途方もない風景に若干のエメゴジっぽさのある巨大生物の表現を畳み掛けるの楽しいな。ただトロールくんと人類の共生を目指していく方向に倒れるのかと思ったら最終的に武力で解決しちゃったから「それでいいの…?」とは思ったよ。

● モービウス

アマプラで。スパイダーマンのスピンオフ映画ほんとにハズレ続きで悲しいぜ。

ベルファスト

アマプラで。美しい映画だ。現代の風景から塀を一つ超えると50年前のモノクロの街並みが広がっているーーってあのオープニングに始まり、ケネス・ブラナーの極めてパーソナルな愛着に満ちた描写が凄くいい。"Everlasting Love"の流れるダンスシーン涙出ちゃうな…

リベリオン

アマプラでレンタル。管理社会のシステムのガバさとか「こいつらめっちゃ感情ない…?」って感じとかでややウケちゃったが、中学生の頃に初めて観た時の「ガン=カタかっけ〜〜〜〜!!!」って気持ちを思い出せて良かった。今観ても最強にかっこいい……

● ギレルモ・デル・トロのピノッキオ

Netflixで。ピノキオのストーリーまるで知らなくて、全体的に原作に「ある」ヤツなのかデルトロのヘキでやってるヤツなのか判然としなかった。フリークショーや巨大な鯨(?)のデザインがいつものデルトロって感じで楽しいし、ムッソリーニ政権時代のイタリアって舞台もいい雰囲気。
クリケットくんが現実の虫の嫌なディティールを全部備えてて、踏まれたり叩かれたりしてペッチャンコになるってコメディ描写でいちいち「ヒッ…!」ってなった。

リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い

アマプラでレンタル。これ昔好きだったな…丁度良くハッタリの効いた冒険活劇。19世紀の怪奇,冒険小説の登場人物たちのドリームチームって設定、今でもワクワクしちゃうな。続編企画がポシャったらしいが、今ならリブートとか行けたりしない…?

THE BATMAN

Netflixで。顔色の超悪いパティンソンのヴィジュアルがいいんだ。バットマン映画としてはクリスチャンベール版やベンアフ版の方が派手で楽しいんだけど、ノワールな探偵モノって雰囲気もたまには良いよねという感じ。ただ正直もうジョーカーは飽きたんで続編はもっと違う方向でお願いしたいな…

ブレット・トレイン

アマプラでレンタル。後腐れのない面白い"だけ"の映画って何本あってもいい。これを「原作:伊坂幸太郎」って言って怒られないのかよって気持ちもあるが、細部まで執拗に徹底的に伏線を拾っていく感じは確かに伊坂幸太郎の味なのかもな…という気もする。ブラピのやらかしで人が死にまくる展開、ブラピが演ってるから辛うじて笑える雰囲気になってるのが凄い。

シェラ・デ・コブレの幽霊

アマプラで。ミステリ的な楽しさ。雰囲気もいい。現代の視点で見るとそこまで怖くない(「嘘でしょ!?」みたいな幽霊の出てき方に慄きはする)が、当時の人的にはどうなんだろうな。TVCMでこれにぶち当たったら一生忘れられなくなるだろうなというのは分かるが。

● デビルズ・ソナタ

アマプラで。未体験ゾーンっぽいな〜と思った。なんか雰囲気めっちゃ良いのに微妙に詰めが甘い感じとか。不可解な死を遂げた男が残した楽譜は何なのか?ってストーリーが一切予想を超えてこないし……

デモンズ'95

BDで。デモンズでもなければ95年公開でもない謎の映画。これ好きなんだ……通底する物悲しい雰囲気と泣けばいいのか笑えばいいのかよく分からん描写。死と愛の映画……

● ナイブズ・アウト グラス・オニオン

Netflixで。いい続編だ……クラシカルなミステリのフォーマットで現代的な風刺をやるって方向性が綺麗に固まってきたなという感じ。前作よりギャグ多めだけどこのくらいの塩梅が好み。
前作のブノワ・ブランは完全に有能なのかバカなのか判断しかねる雰囲気だったが、今回はそれに輪をかけて"読めない"おじさんになってて良い。ボンド役から解放されてはしゃいでるのか…?
ブラン、何かキュートなおじさんが恋人(結婚してんのかな…?)っぽいのも素敵だ。続編では是非恋人と一緒にヘンな事件に巻き込まれてくれ。館、孤島と来たから次は豪華客船か。

● 哭悲/THE SADNESS

アマプラでレンタル。これ劇場行きそびれてたんだよな……ゴア表現の楽しさと現実と地続きなイヤさ(主に"感染者"の発言まわり…)が同時に出てきてテンションに困る映画だ。台湾総統に手榴弾咥えさせて爆死させるのとか、眼窩にチンポ突っ込むのとか、「そこまでやっていいんだ!?」みたいなエログロ描写に普通に関心してしまった。あとエンドロールでゴリゴリのグラインドコアが流れるからちょっとウケちゃった…

以上。



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