参考図書

コミュニティに関する参考図書①ロバート・マッキーバー 「コミュニティ」

昨日のお題は「コミュニティで『ぼっち』にならないために」。

コミュニティで「ぼっち」にならないようにするためには、
【前提】入るコミュニティを間違えない
①自分の「やれること」と「やりたいこと」をはっきりさせておく
②周りの人の「好き」と「隙」を見逃さない
③中の人になる、の3つをお勧めしました。
いずれも「自分のハッシュタグ」を表明しておくことからスタート!

さて今日は、コミュニティを作りたいあなたに、おすすめの1冊です。
当然たくさんある中で、今日はこちらを!

ロバート・マッキーバー著「コミュニティ―社会学的研究:社会生活の性質と基本法則に関する一試論 」(ミネルヴァ・アーカイブズ)です。値段も高く、中身も実物も厚みのある1冊です。

マッキーバーとは

スコットランド生まれのアメリカの社会学者、政治学者。社会心理学的な関係が人間行動の背後に存在する点に注目していました。

[生]1882.4.17. スコットランド,ストーノウェー[没]1970.6.15. ニューヨーク
エディンバラ、オックスフォード両大学に学び
1915年トロント大学政治学教授
27年コロンビア大学付属バーナード・カレッジの社会学教授
29~49年コロンビア大学社会学部部長。

マッキーバー によるコミュニティの定義

コミュニティという語は村とか町あるいは地方とか国とかもっと広い範囲の
共同生活の何れかの領域をさすのに良い

また、マッキーバー は本書の中で「コミュニティ」と「アソシエーション」をそれぞれ定義しています。

コミュニティとは、共同関心を源泉とする一定領域
アソシエーションとは、特定の関心を追求するための組織体

人がコミュニティを感じる時と「コミュニティ感情」

「人々がコミュニティを創り出すのは、相互に意志して関係を取り結ぶ時」であり「コミュニティは、たえず相互に関係し合う心の活動によって創られる」と書かれています。ゆえに、コミュニティを作る時は「関係し合う心の活動」を設計するように心がけます(しかし「心の活動」の定義は難しいですよね。個人的には、コミュニケーションと役割分担によって「居場所」感が作れるようにしています)。

コミュニティの成立のためには「コミュニティ感情」が必要とのこと。
コミュニティ感情とは「地域構成員の共同利害関心をかきたてるもの」。共同利害関心も、簡単にはかきたてられません。継続した活動の中で「役割分担」することが大切です。

「コミュニティ感情」の三要素

①われわれ意識 ②役割意識 ③依存意識の3つ、とまとめています。

①われわれ意識 ②役割意識 ③依存意識

①われわれ意識

われわれ意識とは分割不可能な統一体に共に参加している「共有」感。
それが非難されたり、脅かされたりすると心の中にわき上がって来る感情。

②役割意識

役割意識とは持ち場の感情。
相互交換の行われる社会的場面で果たすべき役割があると感じるもの。
全体へ関わるこの意識は、日常生活の規律の中にある習慣等で形成される。

③依存意識

依存意識とは生活に必要な物的、かつ心理的依存関係。
コミュニティは人々を扶養する大「家族」であり、個人の孤立による孤独や恐怖からの避難場所。

まとめ

人間の集いにより形成される「コミュニティ」について語る際には、必読の著。しかし、初出が1914年と古く翻訳も読みにくく、かつ、何より8,000円と高いのが難点です。

でも、学術的にコミュニティを裏打ちしたいあなたには、図書館で借りることをおススメします(ちなみに僕はAmazonの中古で買ったら、表紙に「日本大学商学部図書館」のはんこが押されていましたw)

ありがとうございます!頂いたサポートで、コミュニティ活動&幹事で知見を得て、また、共有します!