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100秒でわかるパルデアのエルレイド

注意 この記事にはポケットモンスター スカーレット・バイオレットのネタバレを含みます

この記事は種族統一アドベントカレンダー2022 9日目の記事です。

 最初のムービー見るまでいないと思ってたので本当にしんどかったし、ムービーにラルトス映った瞬間めっちゃうるさかった(友人談)。パルデア地方でもエルレイドをよろしくお願いします。


1.新わざ

 まずはSVで新規習得したわざを見ていただきたいと思います。

アクアカッター・こうそくいどう・サイコフィールド・シャドークロー
せいなるつるぎ・たたりめ・とっしん・ナイトヘッド・マジカルフレイム
ゆびをふる・テラバースト

 『テラバースト』に関してはテラスタルの項でまとめて紹介をするので、ここではこれをのぞいたわざの話をします。

 新規習得したわざは、『テラバースト』を含めて11個です。
 まず目につくのはSV新規技の『アクアカッター』でしょうか。今までのみずタイプ打点は『しぜんのめぐみ』と『めざめるパワー』のみでした。いわタイプはそもそも苦にしていませんし、じめんにはくさやこおり、ほのおにもじめんやいわなどの打点があるため、有効範囲は既存のわざとかぶっているのですが、後述するテラスタルをした際にタイプ一致で使用できるわざがあることは明確な強みになります。わざ範囲は広ければ広いほどいい。

 そんな新わざを差し置いて、今回の一番の目玉となるのはやはり『シャドークロー』であると確信しています。既知の事実ではありますが、エルレイドはミミッキュに弱いです。有効な打点(威力が高く命中率も安定しているタイプ一致、及びバツグンをつけるわざ)がほとんどないことが理由だったのですが、ここに上記の条件を満たすわざがやっときたわけです。欲を言えば『アイアンヘッド』も覚えて欲しかったですが。

 『せいなるつるぎ』についても言いたいことは色々あります。『ドレインパンチ』と『インファイト』がエルレイドで最も採用されるかくとうわざの1つだったと思います(少なくとも僕の554個体の内、かくとうわざを採用している個体の9割はこのどちらかです)。しかしながら、『ドレインパンチ』は威力が75と低く、『インファイト』はデメリットがきついため、単純なわざの撃ち合いになった際には使いづらいと思うことも少なくありません。一方『せいなるつるぎ』は、威力が90で「相手の能力ランクの変化に関係なく、ダメージを与える」という効果があります。これはとくせい『じきゅうりょく』などのポケモンなどに対して強く出られることを意味しています。また後述するとくせい『きれあじ』の補正が乗ります。地味な強化にみえますが、非常に可能性を秘めたわざだと言えるでしょう。

2022/12/12追記
554個体という数字はバトレボから通算してのものです。起点作りなどは流用されることもありますが、統一で特定のポケモンをメタると少なくとも3つ育成数が増えます。4世代から100個体ずつ育成していけば8世代には500個体に到達する計算になりますし、500という数字は決して多いわけではないのです。

 『ナイトヘッド』は個人的に好きなわざのひとつです。『せいなるつるぎ』の習得により、積みポケを突破するために定数ダメージを稼がないといけないシーンは減りました。しかしもちろん『せいなるつるぎ』が撃てない相手も存在します。幸運にも『ナイトヘッド』が効かないノーマルタイプには、かくとうタイプが(いまのところは)問題なく通るので、エルレイドとの相性は良いと言えるでしょう。

 『たたりめ』はとくしゅ型のエルレイドにとって嬉しい追加わざです。剣盾で『エアスラッシュ』を習得したことにより大幅強化されたとくしゅ型ですが、どうしても火力が足りない場面が目立っていました。エルレイドは相手を全ての状態異常にすることが出来るため、相性が良いのではないかと長年言われ続けていました。『レッドカード』などを駆使して、複数相手に状態異常を入れるPTが組めれば、十分に採用に値するわざです。

 『サイコフィールド』も待望されていながらなかなか覚えることが出来なかったわざのひとつです。残念ながら『ワイドフォース』が執筆時点(2022/11/24)でSVに存在していないのですが、単純に火力が上がること、先制わざ(主に『かげうち』)を無効にできることで、強化点と言えるでしょう。ただし剣盾の際にも問題になったように、エルレイド自身も先制わざを多用するポケモンであることは留意しておく必要があります。

 『アクアカッター』と同じ理由で『マジカルフレイム』の習得は喜ばしいものです。こちらはタマゴわざでの追加になります。『ほのおのパンチ』こそありますが、とくしゅ型には『めざめるパワー』しかありませんでした。また追加効果が優秀で、これ目当てで採用する場面もあるでしょう。

 『とっしん』は既存わざの『すてみタックル』がほとんど使われていない現状を鑑みると普段使いすることはなさそうです。『みちづれ』との相性はまあまあ。

 エルレイドはS80のいわゆる中速に該当します。そのため抜き性能が高いポケモンというわけではなかったのですが、『こうそくいどう』を習得できたことによって話が変わってきました。このわざを採用したHBC霊獣ボルトロスなどが過去に対戦環境で使用された例もありますし、耐久と火力がそこそこあるというエルレイドの種族値配分は『こうそくいどう』からの抜きエースとして一定の適性があるという評価が下せるでしょう。型の研究が楽しみです。ちなみに無補正で52振ると、実数値が107となり、ランク補正+2で最速ドラパルト抜きになります。

エルレイドに進化してしまうと覚えることが出来ないのですが、キルリアとラルトスは『ゆびをふる』をわざマシンで覚えられるようになりました。『ものまね』個体厳選から解き放たれた。

2.新とくせい

 旅の途中まで気付かなかったのですが、キルリアから進化した際に『トレース』が『きれあじ』というとくせいに変化していました。どうせ『ふくつのこころ』だと思って見もしなかったのですが。
 この『きれあじ』ですが「相手を切る技の威力が上がる。」という説明がなされています。エルレイドが今までに習得できた「相手を切るわざ」は以下のものです。

アクアカッター・いあいぎり・エアスラッシュ・きりさく・サイコカッター
シザークロス・せいなるつるぎ・ソーラーブレード・つじぎり
つばめがえし・リーフブレード・れんぞくぎり

 基本的には自然に採用されるわざばかりです。『ふくつのこころ』が弱いとは言いませんが、能動的に生かす機会が限られていることを考えると、SV以降育成される個体は『きれあじ』が圧倒的に多くなると予想されます。
 威力の補正値は1.5倍です。上のわざに限ればタイプ一致わざと同じ感覚で使用できます。タイプの範囲も広い上、わざの性質上急所に当たりやすいものが多いです。『きあいだめ』はアルセウスでしか覚えませんが、窮地を救ってくれることがあるかもしれません。余談ですが、SVでついに急所率が1/24であることが明言されました。授業はみんなちゃんと受けた方がいい。

 『せいなるつるぎ』と『サイコカッター』に関しては、補正が乗ればそれぞれ『インファイト』と『しねんのずつき』の威力を超えるので、デメリットがない分こちらの採用が増えるのではないでしょうか。ただし『しねんのずつき』に関しては、威力よりも追加効果で選択されている部分もあったため、相互互換くらいの感覚で良いでしょう。僕は外れるわざが好きじゃないので昔からサイコカッターが好きです。

3.テラスタル

 非常に画期的な要素です。個人的には攻めテラスタルよりも受けテラスタルの方が強いと思っているのですが、特に統一ではこれが顕著になることでしょう。言ってしまえば統一PTにおける有利不利が無に帰すわけです。また、テラスタル状態だと『テラバースト』が非常に優秀なわざになります。まずは『テラバースト』の説明から入りましょう。

 『テラバースト』は威力が80のとくしゅわざです。とくしゅわざなのですが、こうげきととくこうを比較して、高い方の数値で攻撃をします。『フォトンゲイザー』と同じ仕様ですね。ただし、『テラスタル』していない場合のわざの分類はとくしゅのままであり、純粋にとくこうを参照しているという点は留意しておきましょう。加えてテラスタル状態だと、テラスタルと同じタイプのわざになります。型の考察が意味をなさなくなる。まあでもテラバーストあるしな…

 『テラスタル』自体も非常に考察しがいのある要素です。そもそもタイプ相性が変化するわけですから、有利タイプ側の押しつけが通用しないことが増えるでしょう。通常のPTにせよ統一にせよ、一貫性が高いわざの重要度が上がったと考えることができます。
 統一的な物言いをすれば、自分のポケモンの覚えるわざが全て通らないタイプはどれか、自分のポケモンに絶対飛んでくるわざはないか、相手のポケモンに一貫”しない”タイプはなにか、をまずは考える必要があります。対戦前にする準備が前世代よりも増えたといって差し支えないでしょう。

 あくまでもエルレイドの記事なので話を戻しますが、エルレイドがきつい相手は概ね3つに分けられます。ひこう複合、フェアリー複合、ゴースト複合です。当然と言えば当然ですが、少ない有効打では、全て対策されてしまって終わりです。これに穴を空けることができるのが『テラスタル』であり、『テラバースト』です。ここにテラス読みなどが入ってきてメタが混沌とするのですが、それは実際に始まってからのお楽しみとしましょう。僕のエルレイドにはどくタイプが刺さりますよ(番外戦術)。

4.SV雑感

 個人的な感想ですが、今作はポケモンをこのように育成しろ…というお上からの無言の圧を感じる作品だと思いました。エルレイドのみならず、なにかに関連したとくせいやわざも複数追加されたりして、対戦環境をなんとか多様化させたいという意図が読み取れます。
 統一的にも、『テラスタル』関連の要素は対戦を面白くしてくれるものだと思っているので期待が高いです。年が明けたらまた大会も開催していきますのでよろしくお願い致します。
 この記事はあくまでも対戦環境が始まる前の想像で書いているものなので、研究が進んだらまた記事が出ることでしょう。何かあればTwitterまで。

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