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中小企業支援情報【令和7年度 経済産業省関係 概算要求等概要から読み解く来年の補助金の傾向】

こんにちは、りこです。

今回は、2024年8月30日更新「令和7年度概算要求・税制改正要望について(経済産業省)」より「令和7年度 経済産業省関係 概算要求等概要がリリースされたので、来年の政策とリリースされる可能性のある補助金の種類をおおまかにまとめてみました。

ちなみにこちらは概算要求となりますので、あくまで「これに使いたのでお金くださいね」と言っているだけでまだ確定ではありません。
また、補助金は基本的に補正予算なので11月から12月の間に予算編成が行われ、翌年の1月頃の国会審議を経て成立し、翌年4月以降に執行されます。


なのでこちらのまとめはあくまで参考資料にとどめて頂ければ幸いです。

来年の経産省の主要なテーマ


  1. GX(グリーントランスフォーメーション)推進: 産業競争力強化や経済成長を目的とし、脱炭素エネルギー供給の拡大、再生可能エネルギーや原子力の利用促進、燃料転換の支援などが含まれます。

  2. AI・半導体分野への投資: 次世代コンピューティング技術の開発や、半導体サプライチェーンの強化を通じたデジタル基盤技術の整備が含まれます。

  3. 中小企業・小規模事業者支援: 物価高騰や経済の変動に対応するため、生産性向上や賃上げの支援、ロボット技術の導入、デジタル人材育成などが予定されています。

  4. 大阪・関西万博の準備: 博覧会の開催に向けた会場建設や安全確保、参加国の確保といった取り組みが強調されています。

  5. 経済安全保障: 産業基盤の維持と発展を目的とし、サイバーセキュリティ対策やサプライチェーンの強化が含まれます。

  6. 福島復興の促進: 福島第一原子力発電所の廃炉やALPS処理水の安全性確保、地域産業の復興支援が含まれます。

これらの取り組みを実現するための総予算要求額は、令和6年度と比較して増加しており、特にGX推進やエネルギー対策、デジタル基盤整備への重点的な投資が特徴となっています。

それでは、補助金に大きくかかわるであろう「中小企業・小規模事業者支援」の各項目をより詳細に解説します。

中小企業・小規模事業者支援の詳細

1. 中小企業資金繰り支援事業

  • 概要: この事業は、中小企業が直面する資金繰りの課題を解決するための支援を目的としています。経済状況や物価の変動に対応しながら、安定した経営を維持できるよう、資金面での支援を行います。

  • 具体的な内容: 資金繰り支援には、低利の融資や信用保証の拡充、借入金返済の猶予措置などが含まれます。また、資金繰りの悪化が懸念される企業に対する迅速な支援が可能な体制が整備されています。

  • 予算額: 230億円(前年:192億円)

→公庫の資金繰り支援などは来年も継続される模様です。ただし、コロナや原油価格高騰などの理由での支援などはもう期待できないかと思われます。

2. 中小企業活性化・事業承継総合支援事業

  • 概要: 中小企業の活性化を図るため、経営改善や事業承継を総合的に支援します。特に、後継者不在に悩む企業の事業承継を円滑に進めるためのサポートが含まれます。

  • 具体的な内容: 事業承継においては、後継者の育成やM&A(企業の合併・買収)支援、税制優遇措置などが提供されます。また、経営改善に向けたコンサルティングや、経営革新を促進するための補助金制度も設けられています。

  • 予算額: 216億円(前年:146億円)

→事業承継・引継ぎ補助金の他にM&Aなどの税制優遇措置が拡大される可能性があります。今後もこの市場に対する支援は拡大する見込みです。

3. 成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)

  • 概要: 中小企業が技術革新を通じて成長することを支援する事業です。研究開発を行う企業に対し、資金援助や技術支援を提供し、競争力の強化を図ります。

  • 具体的な内容: 新製品や新技術の開発を目指す企業に対し、補助金の提供や研究開発費の一部を負担する支援が行われます。また、産学連携による技術移転や共同研究の推進も含まれます。さらに、技術開発の成果を市場に迅速に投入するための支援も提供されます。

  • 予算額: 142億円(前年:128億円)

→Go-Techなどの補助金は引き続き拡大模様ですが、Go-Tech自体が中小企業にあまり馴染まない(長期スパンの研究開発向けの補助金)なのですよね…

4. 価格転嫁の強化策

  • 概要: 中小企業が適正な価格交渉を行えるよう、価格転嫁の強化策を講じます。特に、下請け企業が大企業との取引において適正な価格設定ができるよう支援します。

  • 具体的な内容: 下請代金支払遅延等防止法(下請法)の執行強化や、官公需における適正価格の確保に向けた取り組みが含まれます。また、価格交渉促進月間の実施や、その後のフォローアップ調査も行われ、価格転嫁の実効性を高める措置が講じられます。

  • 予算額: 36億円(前年:28億円)

→価格転嫁に対するモニタリングや適正価格の確保ができない企業に対しての是正勧告が厳しくなる可能性大です。

5. ロボット技術の導入支援

  • 概要: 人手不足の解消や業務効率化を目指し、中小企業におけるロボット技術やデジタル技術の導入を支援します。

  • 具体的な内容: 自動化技術やロボット導入のための補助金制度が設けられています。これには、工場の自動化、物流の効率化、さらにはサービス業でのロボット活用も含まれます。これにより、企業の生産性向上と労働力不足の解消が期待されています。

  • 予算額: 20億円(新規)

→省力化補助金、大規模成長補助金などの中小、中堅企業向けの大型補助金はしばらくリリース見込みです。個人的にもこれは経産省がかなり力を入れているなと思います。

6. 中堅・中核企業の支援

  • 概要: 地域経済を支える中堅企業や中核企業が、さらに成長し、地域の経済を牽引できるよう支援を行います。

  • 具体的な内容: 経営強化のためのコンサルティング支援、経営革新を促進するための資金援助、さらに人材育成や組織改革支援などが提供されます。また、M&Aやグループ化の促進、事業再生に向けた支援策も含まれています。

  • 予算額: 9億円(前年:8億円)

→地方自治体系の補助金(交付金)、リスキリング助成金などは継続し、経営革新系の融資制度、事業再生における伴走支援などの制度が生まれるand手厚くなる可能性があります。

7. 海外展開支援

  • 概要: 中小企業の国際競争力を強化し、海外市場への展開を支援します。特に、新興市場への進出や、海外でのビジネスパートナーとの連携強化が含まれます。

  • 具体的な内容: 海外市場開拓のための補助金や、現地調査の支援が提供されます。また、特許や知的財産を活用したビジネス展開を支援する施策もあり、国際標準化や規格の取得に向けた支援も行われます。

  • 予算額: 28億円(新規)

→海外市場開拓、貿易関係の補助金が拡大。新興国市場開拓につての援助や補助金なども新設か?

ざっくりとですが、以上が現在の概算要求から読み取れる経産省の来年の予算組と補助金が活用できる可能性のあるジャンルとなります。
秋の国会での予算組、冬の補正予算が楽しみです。

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