【UAEのeコマースライセンス完全ガイド 2024:詳細な取得方法と最新動向】
こんにちは、りこです。
今回は「UAE(ドバイ)でeコマース事業を立ち上げたい」というご相談が増えてきたので、ライセンスの取得方法やUAEの動向などについての解説を投稿します。
UAEのeコマース市場の現状
アラブ首長国連邦(UAE)のeコマース市場は、2017年から2024年にかけて急速に成長しています。
具体的な市場規模は以下の通りです。
2017年: 27億8900万米ドル(約314億円)
2018年: 約34億5600万米ドル
2019年: 約41億8300万米ドル
2020年: 53億2100万米ドル(約600億円)
2021年: 約68億9400万米ドル
2022年: 約82億6200万米ドル
2023年: 約96億1500万米ドル
2024年: 97億100万米ドル(約1兆円)
このデータから、UAEのeコマース市場は年率約24%で成長しており、特に2020年から2024年にかけては、COVID-19の影響でオンラインショッピングが急増しました。
特に、食品やパーソナルケアアイテムの需要が高まり、これらのカテゴリは大幅な成長が見込まれています。
また、UAEではスマートフォンの普及率が高く、インターネット接続も99%に達しているため、モバイルコマースも急成長しています。
2020年にはモバイルによるEC利用が42%に増加し、今後もこの傾向は続くと予想されています。
UAEのeコマース市場は、特にファッションや家具、電子メディアなど多様なカテゴリで成長が見込まれており、2024年には97億100万米ドルに達すると予測されています。
このように、UAEのeコマース市場は今後も拡大し続けると考えられています。日本企業もこの市場をターゲットとした海外販売事業を検討するべきです。
eコマースライセンスの必要性と法的背景
UAEでeコマース事業を行うためには、専用のeコマースライセンスが必要不可欠です。
これは単なる形式的要件ではなく、ビジネスの合法性と信頼性を保証する重要な証明書です。
2023年に施行された連邦法第14号「現代技術に基づく貿易に関する法律」により、eコマース取引の法的地位が明確化されました。
この法律は、eコマース事業者の権利を保護すると同時に、消費者の利益も守ることを目的としています。
eコマーストレーダーの遵守事項
UAEでeコマース事業を展開する際は、以下の主要な遵守事項に注意が必要です。
合法的な商品・サービスの販売: UAEの法律に準拠した商品・サービスのみを取り扱うこと。
マーケティング規制の厳守: 広告やプロモーションに関する現地の規制を遵守すること。
透明性の確保: 商品情報の正確な提供と価格の明示。
デジタル請求書の発行: 詳細な電子請求書を顧客に提供すること。
消費者保護法の遵守: 返品・返金ポリシーの明確化。
データ保護とセキュリティ: 顧客情報の適切な管理と保護。
eコマースライセンスの申請先
2024年現在、UAEでeコマースライセンスを取得できる主な機関(会社の設立地域)は以下の通りです。
Dubai CommerCity (DCC): ドバイ専門eコマースフリーゾーン
EZDubai in Dubai South: ロジスティクス特化型フリーゾーン
Ras Al Khaimah Economic Zone (RAKEZ): コスト効率重視のオプション
Sharjah Publishing City: 出版関連eコマース向け
Tajer Abu Dhabi: アブダビ経済開発局提供
DED Trader Licence from Dubai: ドバイ経済観光局発行
Eitimad domestic licence from Sharjah: 家庭用ビジネス向け
Ajman E-Trader: 2024年新設のアジュマン首長国ライセンス
上記はそれぞれの機関で手続き方法や税金の内容、法規制などが大きく違うので、申請先にお困りの場合はいつでもご連絡くださいませ。
ライセンス取得に必要な費用 {#costs}
eコマースライセンスの費用は申請先により異なりますが、2024年の最新情報では、基本的なライセンス費用は年間7,000〜15,000ディルハムの範囲です。
ただし、以下の追加費用を考慮する必要があります。
居住ビザ申請費用(外国人の場合)
オフィススペースのリース料(必要な場合)
銀行口座開設費用
TDRA証明書取得費用
多くのフリーゾーンでは、これらをパッケージで提供しているため、総合的なコスト比較が重要です。
ドバイ日本間の関税については下記の記事にまとめています。
また、日本側では消費税還付金などの論点も出てきますので、輸出入にかかる費用は予想よりも多めに考慮しておいたほうが良いでしょう。
申請プロセスと必要書類
eコマースライセンス取得の一般的な手順は以下の通りです。
申請先の選択
必要書類の準備
申請書の提出
費用の支払い
ライセンスの発行
必要な主な書類
パスポートのコピー
エミレーツIDのコピー(UAE居住者の場合)
パスポートサイズの写真
ビジネスプラン(事業計画書)
申請書(受益者情報を含む)
法人株主の場合、追加書類が必要な場合があります
また2024年の新要件として、「実質的経済活動」の証明が求められるようになりました。
これはUAEの国際的な税務透明性基準への適合を目的としています。
TDRA証明書(NoC)の申請方法
通信デジタル政府規制庁(TDRA)からの「異議なし証明書(NoC)」取得は、以下の手順で行います。
TDRAウェブサイトにアクセス
UAEパスでログイン
eコマースNoC申請フォームに記入
必要書類をアップロード
申請を送信
2024年からは、このプロセスが完全電子化され、多くの場合24時間以内に証明書が発行されるようになりました。
UAEのEコマース市場の今後5年間の展望
アラブ首長国連邦(UAE)のEコマース市場は、今後5年間で着実な成長が予測されています。
2024年には市場規模が約34.6億米ドルに達し、2024年から2028年の間に年平均成長率(CAGR)10.24%で拡大するとされています。
また、2029年には市場規模が18.99億米ドルに達する見込みです。
この成長は、データセンターの増加やキャッシュレス社会への移行などが要因とされています。
まとめ
UAEのeコマース市場は、2024年以降も着実な成長が見込まれています。
適切なライセンスを取得し、法令遵守と革新的なビジネス戦略を両立させることで、この急成長市場で成功を収めることができるでしょう。
UAEのeコマース市場は、大きな可能性を秘めています。
この投稿が、今後UAEへ販路を拡大していきたい事業者様方の参考になれば幸いです。
ライセンスの取得方法や、どの機関で設立するかお迷いの方はぜひ一度無料相談をご予約ください。
中の人はこちらです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?