見出し画像

低山もなかなかいいよ 〜鈴鹿山脈登り応えあるよ〜

この夏は何かと富士山の名前をよく聞きました。
登山、というとやはり富士山なのでしょうか。
いやはや、槍ヶ岳や奥穂とか北アルプスでしょうか。南アルプスもいい。鳥海山いきたいし、北海道も素敵なお山が多い。九州の九重連山も一度行ってみたい。お山はなんというか崇高ですね。
ですが、今回は、三重県と滋賀県と奈良県にかかる鈴鹿山脈について語らせていただきたいと思います。

1000m級の山がいくつも連なり日本武尊の足を三重に折った山脈

という伝説があるくらい険しい山、ということです。
ぼくの拠点は名古屋なので車で1時間も走れば、鈴鹿山脈のいずれかの登山口には辿り着けるという気軽さで登り始めました。
関西に向かうとき、濃尾平野を西に進んでいくとじわーっと立ちはだかる鈴鹿山脈には小さい頃から圧倒されており、そんな壁にいつしか登る日が来るとは、と胸が熱くなったものです。(2020年5月)
実際にアルプス経験者の叔父が、「鈴鹿登ってるならまあ、アルプスもいけるよ」と言うくらい荒々しい山のようです。
低山ながら800mを越えれば砂岩や石灰岩が目立ち、いわゆる森ではなく、森林限界を超えたような雰囲気のところも多いです。(限界は超えていない)

鎌ヶ岳から水沢岳への道中だっけかな・・・

鈴鹿セブンマウンテンというシリーズが冒険心に火をつける

通称鈴鹿セブンという山々があり、それを制覇していくゲーム感覚もたまりません。その気になれば北から南まで稜線繋ぎが可能です。
また、比較的ルートが多いため、自分の選択次第で難易度や空気を選びながら冒険を楽しめるのもたまりません。
ほどよく人がいない、ほどよく隔絶される、ほどよくすれ違うことができるため、ほどよい緊張感で山行をすることができます。

入道ヶ岳から鎌ヶ岳を臨む

だいたい標高差は800〜900mくらい

だからアルプス行っても、富士山行っても大体同じくらいの標高差です。(一般的な1日の目安距離として)
これは、低山であってもしっかり登れる、ということです。
7〜10kmのルートが組めるので、個人差ありますが、大体4〜6時間。
もはや気軽な低山ハイクとは言えないくらいしっかり山行できます。

地質は同じだけど山の表情がどれも違う

至極当たり前の話なんですが、鈴鹿セブンはみんな表情が違うため、気分によって登る山を選ぶことができるのは楽しいです。
荒々しいのがいいなあと思えば鎌ヶ岳、しっかり歩いて尾根歩きしたいなあと思えば釈迦ヶ岳、ロッククライミング的なのもいいなあと思えば御在所。
他にもありますが、選択肢が多いのは天気やコンディションに左右されやすい山登りというスポーツにはありがたいことだと思います。

油断は禁物。ルートファインディングはかなり大事。

低山、里山、というと登山道がしっかり整備されていたり、それとなく踏み跡がしっかり残っているものですが、鈴鹿山脈はちょっと違います。
毎年何名かは道迷いで遭難されますし、YAMAPでも注意ポイントが多い。
ぼくも何回か間違えて進んでいたり、ピンクリボンを探し求めて行ったり来たりで体力を消耗したことがあります。
メイン登山道はそれぞれ整備されていますが、ルートによっては一ヶ月に数名しか通らないものもあるため、注意して進まないと頂上はおろか、隣の山に辿り着くなんてこともあります。
荒々しい、という言葉を使いましたが、登山道そのものの存在が荒々しい、とも言えるわけです。
でも、これだから山行は楽しいし、あえて自然に行く意味があるというものです。
ルートファインディングは登山道だけでなく、自分の進む一歩そのものにも必要ということですね。(山を歩きながらたまに降りてくる「言葉」)

ぼさっとしてると「ん?」となる

山頂からの眺望も満足

山頂からの眺望もさまざまで、山々に囲まれるところもあれば、車を停めた駐車場や住んでいる街が見えたり、それなりに満足させてくれます。
槍ヶ岳っぽい山(鎌ヶ岳)もあるし、これまで自分が登った山を見渡しながら、そこからルートを辿って、、、ということをぼんやりできるのがまた楽しいのです。
関西に抜けるためには峠をこえていかなければならないため、登山道の一部は昔の街道と繋がっていたのか、などと遠い昔へ思いを馳せたりもできます。

朝日を反射する伊勢湾(釈迦ヶ岳からだっけかな・・・)

街から1時間で登山口まで行けて、がっつり山行するもよし、低山ハイクを楽しむのもよし。一人で自然と向き合う時間をつくるにはちょうどいいエリアが鈴鹿山脈。(東海地方の人にとっては)
ローカルなおもしろみに一度浸りに行ってはいかがでしょうか。
※夏季のヒルには要注意

いいなと思ったら応援しよう!