2025/1/8(水) 株式市況
【朝通信】
7日の米株式市場は3指数とも下落。米債権市場で長期金利が上昇し、ハイテク株が売られた。ISM非製造業景況感指数、米雇用動態調査どちらも予想より強く、新政権でのインフレ懸念につながった。長期金利は4.7%を射程距離に。
12月の米ISM非製造業総合景況指数は54.1に。予想値53.5、前月52.1を上回った。事業活動の活発化、受注増加により、インフレが根強いことを示唆。米金融当局の利下げがより慎重になるとの観測から長期金利が上昇。
11月の米求人件数は809.8万件に。予想値774万、前月783.9万(速報値から上方修正)両者を上回り、半年ぶりの高水準に。ビジネスサービスなどでの増加が寄与。3年間の減少傾向からのトレンドが変わりつつある。
米アトランタ連銀のボスティック総裁は、インフレ率を2%に確実にするには、政策金利を人々の想定より高い水準で、より長期間にわたって維持する必要があると述べた。
米国債利回りは上昇。10年債は4.69%と急騰、2年債は4.29%に。ISM非製造業総合景況指数の強さが影響。強い経済指標は高金利の長期化につながり、株価にとってはマイナス材料だという見方が復活する可能性高まる。
外国為替市場ではドル指数が上昇。ドル円相場は158.42円まで買われた。現在は158円前後に。次回FRB利下げは6月から7月へと後退。
NY原油相場は反発。米国の気温低下による暖房燃料の高需要から需給バランスが引き締まり、買いが優勢に。
7日の日経平均株価は3営業日ぶりに反発し、終値は前日比776円25銭(1.97%)高の4万0083円30銭に。6日の米ハイテク株高の流れを引き継ぎ、朝方から値がさ半導体株の買いが優勢。3メガバンクの上昇が目立ったほか、円安進行でトヨタなども買われ、日経平均の上げ幅は900円を超える場面も。台湾鴻海精密工業が5日に発表した2024年10〜12月期の売上高が過去最高となり、AI需要の強さが改めて意識された。またNVIDIAファンCEOはCESでの基調講演で、次世代自動運転開発に向けた最新半導体をトヨタへ供給すると発表。トヨタ株は午後から急騰。FRBバー副議長辞任により金融規制緩和への思惑から米銀行株が上昇し、国内銀行株にも波及。東証プライムの売買代金は概算で4兆9382億円、売買高は19億6266万株。値上がり銘柄数は815。値下がりは761、横ばいは68。
【考察】
米国の経済指数は強く、次期政権の政策のインフレ懸念もあって利下げどころではなくなってきました。長期金利は4.7%まで秒読み体制。円安が更に進む状況となっています。
これらの良いはずのニュースは、かつてのように悪く取られ始めており、米株式の先行きに暗雲が。M7は全て下落し、NVIDIAは6.21%と大きな下げ幅。今週末にはFANG+ETFが東証に上場となりますが、幸先悪い滑り出しとなりそうですね。
昨日の日経平均は4万を超えてきました。全ては米国由来の背景を元に上昇しており、今朝の米国市況の悪化から、再度4万は割り込みそうです。一夜限りが再び。
慎重に安全運転で。