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2025/1/11(土) 株式市況

【朝通信】

  • 10日の米株式市場は3指数とも1%以上の下落となり、直近の安値を更新。雇用統計の数字が市場予想を上回り、FRBの年内利下げ観測が後退。米10年債利回りは4.7%を大きく上回った。M7はMetaを除いた全てで下落。NVIDIAの下落幅は2.99%、Appleは2.41%と大きく下げた。

  • 米雇用統計は、非農業部門雇用者数は前月比25.6万人増と、予想16.5万人増、前回21.2万人増を上回った。失業率は4.1%と、予想4.2%、前回4.2%を下回った。FRBの利下げ休止観測を誘い、債券利回りは急騰。FedWatchでは3月は金利据え置きの確率が7割強、5月据え置きも6割に上昇。

  • ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は73.2と、予想73.9、前回74.0をどちらも下回った。1年先の予想インフレ率は24年12月の2.8%から3.3%に上昇。インフレ高止まり懸念が高まっている。

  • 米国債は下落し、各年限の利回りは上昇。10年債は4.76%、2年債は4.38%と大幅に上昇。30年債は一時5%を突破。

  • 外国為替市場はドル指数は高値を更新。ドル円相場は一時158.880円まで上昇し、その後巻き戻されて157.752円と雇用統計発表前の水準以下に。今月の日銀金融政策決定会合では、コアコアCPIについて2024年度、2025年度見通しが上方修正となる公算が大きく、利上げに動く可能性が出てきた。コメを中心とした食料品価格の上振れが主因。

  • NY原油先物相場は大幅続伸。米国がロシアの石油業界に対して制裁を強化したことが背景に。

  • 10日の日経平均株価は3日続落し、終値は前日比414円69銭(1.05%)安の3万9190円40銭に。ファストリが急落して相場を押し下げた。東証プライムの売買代金は概算で4兆2835億円、売買高は17億3622万株。値下がり銘柄数は1132、値上がりは438、横ばいは74。

【考察】

米国の雇用統計は驚くほどの強さでした。失業率も低下しており、労働市場は全く衰えません。

FRBの今年の利下げは、1月はおろか3月、5月も据え置かれるのではないかとの観測で10年債利回りは4.8%付近まで上昇しています。5%を付けるのではないかともささやかれ始めました。
『良いニュースは悪いニュース』と捉えられる傾向が強まっています。過熱感から来るインフレ再燃懸念に怯えることになりそうです。

また日銀に関しても、米高騰からコアコアCPIの上振れが懸念され、見送り公算の強かった1月の銀金融政策決定会合では一転して利上げに踏み込む可能性が出てきました。
このため、日本国債利回りにおいても急騰しており、10年債は1.2%台に。このことで、雇用統計で一時期的に振れた円安も打ち消され、発表前の水準以下に落ち着いています。

原油においても逼迫感が高まってきています。気温低下による暖房需要が高まっていること、米原油貯蓄量が減少傾向であることに加えて、ロシアの石油業界への制裁引き締めで原油高傾向が強まっています。このことは更にインフレを加速させることにもなりかねず心配ですね。

さて、前述の通りに金利の上昇基調により米国3指数は全て1%を上回る下落となり、弱気モード入り。SOXは2.42%と大幅に下落し、日経平均先物も480円安となっています。月曜日は日本市場は休場ですので、もう一回米国市場の動向を見守る必要がありますが、今のところは悲観ムードが強い感じです。

良い週末を。

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