見出し画像

2024/12/12(木) 株式市況


【朝通信】

  • 11日の米国株式市場は、Nasdaq、S&P500は上昇。米CPIは上昇率が市場予想に収まり、FRBの12月利下げ期待が膨らみ、ハイテク株を中心に買いが入った。Nasdaqは最高値更新し2万円台に。その一方でディフェンシブ株は軟調となり、Dowは下落。

  • 個別株では、AppleがAI専用チップ「Baltra(バルトラ)」開発でブロードコムと協力していると伝わり、ブロードコムの株価は6%程度上昇。Alphabet、Meta、テスラは最高値更新。

  • 11月の米CPIの上昇率は前月比が0.3%、前年同月比が2.7%と、いずれも市場予想と一致。コアの上昇率は、前月比が0.3%、前年同月比が3.3%とこちらも市場予想と一致し、4カ月連続で同率の伸びとなった。目標の2%までには距離があるものの、景気悪化を招かずインフレ鈍化と受け止められた。

  • 米国債相場は下落。CPIは予想通りの数値となり12月利下げの確立は高まったが、来年1月は見送られる可能性が強まっており、かつ次期政権のインフレ再燃懸念から長期的には不透明感が。国債利回りは、10年債が4.27%、2年債が4.15%と長期債の利回りが大きめの上昇。

  • NY外国為替市場はドル指数は上昇。ドル円相場は152円台半ばまで下落。日銀は、賃上げコストを価格に転嫁する動きが見られる一方、物価上昇が継続的に加速する状況ではないと見ており、利上げは急ぐ必要は無いと認識していると、日銀関係者への取材で判明。しかし、今後のデータや為替次第では来週利上げの可能性は拭えない。

  • NY原油先物相場は3日続伸。バイデン米政権はロシアの石油取引に対する新たな制裁を検討しているとのことで、ロシア産原油の買い手である他国も制裁対象の可能性が。OPEC、OPECプラスは11日の月報で、2024年の石油消費量予測を21万バレル減の日量160万バレルと、これまでで最も大幅に引き下げ。

  • 11日の日経平均株価は3日続伸し、終値は前日比4円65銭(0.01%)高の3万9372円23銭。日銀の追加利上げ観測がくすぶるなか、銀行や保険、重工などに買いが入り、相場を支えた。半面、半導体市場に対する楽観的な見方が後退し軒並み下落。11日には防衛力強化の財源にする法人・たばこ・所得3税の増税を巡る政府案が判明し、重工株に買いが集まった。東証プライムの売買代金は概算で3兆8412億円、売買高は17億703万株。値上がり銘柄数は823、値下がりは750、横ばいは71。

【考察】

CPIは予想通りの数値となったことで、目先の不透明感払しょくにで一気にリスクオンムードに。米国はハイテク株が大きく株価を伸ばしており、前日のSOX下落により下げていた国内値がさ半導体株の上昇が期待できそうです。
重工株は、政府増税案でかなりの上昇でしたが、今日も全体の良好な相場感が後押しして引き続き強そうですね。

日銀の利上げは後退。物価上昇に継続的な強さはないとの日銀判断が伝わり、円安に拍車が掛かっています。昨日も書いたように、円安が進むにつれて日銀利上げリスクも高まるため、ここは判断のむずかしいところ。

原油はバイデン政権の新たな制裁に注目。今もロシアに対しては制裁を科しているところですが、今後はロシア産原油輸入国にも制裁を広げる可能性が高まっています。原油上昇がインフレ再燃につながらなければ良いですが。

さて、前述のようにNasdaq、SOXが強く上昇、円安傾向であり、日経平均先物は640円も高くなっている状況です。今日は強い日経平均株価が期待できそうです。今夜も米PPIがひかえています。CPIの先行指標として注目されるため、米追加利下げに影響が出るかもしれません。
スピード違反にならないように、マイルール徹底で慎重に。

いいなと思ったら応援しよう!