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2025/1/31(金) 株式市況
【朝通信】
30日の米株式3指数は全て上昇。米長期金利低下が投資家心理を改善。2024年4Qの米GDPは予想を下回ったが、個人消費は増大。ECBは利下げ実施し、今後の利下げ見通しも強まった。ドイツ経済は予想を上回る低調な成長率。トランプ米大統領は、2月1日にカナダとメキシコに25%関税を表明。
米国実質GDP速報値は前期比年率2.3%増、市場予想の2.6%、前回3.1%を下回った。ボーイングのストライキ等が影響。一方個人消費は前期比年率で4.2%増加し、予想3.2%、前回3.7%を大きく上回った。自動車販売が好調。PCEコアデフレータは前期比年率で2.5%と市場予想と一致、前回2.2%より上昇。個人支出に支えられ強い経済を維持。
トランプ米大統領は、2月1日にカナダとメキシコに25%の関税措置を発動すると表明。フェンタニルの流入と貿易赤字を理由にしている。USMCAによる保護が破られて貿易戦争につながる懸念がある。カナダ産石油輸入については対象から除外するかは検討中だが、彼らの製品を必要としない、すべて自国でまかなえるとトランプ氏。
米Appleの1Q決算は、売上高が予想外に減少。iPhoneは1%弱減少、中国事業は11%減とどちらも予想を下回った。Apple Inteligence導入による期待は裏切られた形。Microsoft、UPSは見通しが予想に届かず売られている。インテルの4Q決算はアナリストの予想を上回り、業績回復への期待が膨らんでいる。ただし、関税回避の前倒し需要が高まったことが要因のため、1Qは落ち込む懸念がある。
米国相場は上昇。国債利回りは10年債が4.52%、2年債が4.21%と下落基調。
外国為替市場は関税措置発表によりドル指数は上昇。ドル円相場は154円台前半に。氷見野日銀副総裁は追加利上げに対して前向きな方針を発表。ユーロは政策金利引き下げにより対ドルで下落。
原油先物相場は小幅高。トランプ政権による関税賦課発言で上昇したが、不法移民とフェンタニル問題に取り組めば関税を回避できる次期商務長官候補ラトニック氏が発言したことで上昇幅縮小。
30日の日経平均株価は続伸し、終値は前日比99円19銭(0.25%)高の3万9513円97銭に。前日の米ハイテク株の下落を受けて安く始まったが、値がさの半導体関連株が持ち直すことで日経平均の押し上げ要因に。東証プライムの売買代金は概算で4兆4964億円、売買高は17億5908万株。値上がり銘柄数は1093。値下がりは492、横ばいは54。
【考察】
米国経済は引き続き個人消費に支えられて強い状況を示しました。パウエル氏の発言を裏付けたような状況となったために、今後の利下げ回数は2回より多くはならないのではないでしょうか。
米国企業決算はまちまちですが、中国経済の影響は避けられずに予想を下回る企業も出始めています。UPSの見通しは、宅配サービスが縮小していることを示しており、国民の消費活動を縮小させていることを示唆していると思います。高金利継続はこのままでは危険な領域か?とずっと言い続けてますが、個人消費は堅調が続いています。
またカナダ産原油に関しても課税する方針の様ですが、多くの輸入を米国経済は頼っており、この引き上げによりインフレに悩むのは米国の様に思えます。合成麻薬フェンタニルの広がりを抑える狙いがあるようですが、課税ならインフレ懸念が再燃しそうですね。
日銀は賃金、経済の伸び次第のところはありますが、利上げに対しては前向き。でもハイペースに利上げする様な状況にもなく、半年に一回程度のペースではないかと思います。ドル円相場は円高に振れているのは過剰反応?
さて、米国3指数は全て堅調で、SOXも上昇しています。ドル円相場は円高に、日経平均先物は160円高と背景良く。今朝の日本株は高く寄りつきそうです。
今日も安全運転で。