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2024/12/21(土) 株式市況


【朝通信】

  • 20日の米株式市場では、3指数が1%以上の大きな上昇。11月PCEデフレータが市場予想を下回り、インフレ鈍化が確認され、FRB利下げ期待から投資家心理は改善。暗号資産にも資金が流入しBTCは5%超の上昇。ミシガン大消費者信頼感指数は前月から改善。共和党支持者のセンチメントは改善し、民主党支持者は一段と悲観的に。M7はNVIDIAが3%を超える上昇、Teslaは3%を超える下落に。12月第3金曜日はトリプルウィッチングにあたる。

  • 11月のPCEコア指数市場低い伸びとなり、インフレ鈍化を示唆。FRBが重視する指数であることから利下げ回数増加の期待が高まり、長期金利は下落傾向。※各指標は最後に記載

  • 12月米ミシガン大学マインド指数は前回から上昇。政党支持別に受け取り方が異なっており、次期与党の共和党支持層のセンチメントは改善。

  • 米国債相場は上昇。PCEデフレータ減速で国債利回りは低下傾向。10年債が4.53%、2年債が4.31%に低下。金利スワップ市場は来年の利下げ幅を約0.39%として織り込んでおり、0.25%の利下げ2回分を下回っている。

  • 外国為替市場は、ドル指数は下落。ドル円相場は一時155.96円まで円高に。終値は156.46円に。加藤財務相は行き過ぎた動きには適切な対応をとると述べ、三村財務官も、為替の動きを憂慮していると牽制。

  • 20日の日経平均株価は6日続落。終値は前日比111円68銭(0.29%)安の3万8701円90銭に。前日の米ハイテク株安に加え、日本時間20日の米株価指数先物の下落を受け、東京市場でも値がさの半導体関連株の一角に売りが膨らんだ。6日続落は9月3日〜11日に記録した7日続落以来。東証プライムの売買代金は概算で5兆7153億円、売買高は27億1931万株。値下がり銘柄数は1021。値上がりは571、横ばいは51。

【考察】

米株式市場は久しぶりの1%超の上昇となりました。PCEコアの減速から来年のFRB利下げが加速される期待となったようですが、どうでしょうか。各連銀総裁はハマックさんを除いて概ね今回の利下げに肯定的ですが、次期政権の政策は相変わらず不透明。どう考えても利下げを急ぐ必要は無いと思います。

PCEコアデフレータ鈍化傾向から10年債利回りは低下傾向に。とは言えまだ4.5%を超えている状況。一時の相場感改善にはつながったようです。
ドル円相場も158円手前まで円安が膨らんでいましたが、米国債利回り低下と政府の牽制により156円台まで円高に。

最近の日経平均株価は円安=株高にはむずび付来ません。
円安が原材料費高につながること、そして日銀利上げにつながる懸念が意識されているようです。
今回の政策金利では、米国は利下げ、日銀は今回は据え置きでしたが利上げ懸念がくすぶります。これらだけを見ると、なぜ円安?になりますが、政策金利は最短の銀行間の貸し借り金利であり、市場の国債利回りの差には直接は結びつきません。実際に政策金利発表後から日米の10年債利金利差は開いており、これが円安につながっています。株価も金利も先の状況を織り込むのですね。

米株式3指数、SOXはいずれも1%超の上昇、日経平均先物は1%には届かず0.4%台の上昇で170円高。来週の日経平均株価は高めに寄りつきそうですが、スカッと上昇にはつながりそうにありません。年内4万円台で終わることができるのでしょうか。 良い週末を!

【経済指標結果】

  • 11月PCEデフレータ

    1. (前月比):0.1%、予想0.2%、前回0.2%

    2. (前年比):2.4%、予想2.5%、前回2.3%

  • 11月PCEコアデフレータ

    1. (前月比):0.1%、予想0.2%、前回0.3%

    2. (前年比):2.8%、予想2.9%、前回2.8%

  • 12月米ミシガン大学消費者マインド指数(確報値)

    1. 74.0、予想74.2、前月71.8

  • インフレ期待

    1. ( 1年先):2.8%、前月2.6%

    2. (10年先):3.0%、前月3.2%

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