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2025/2/19(水) 株式市況
【朝通信】
18日の米株式市場では、主要3指数がわずかに上昇。米長期金利の上昇により株式の相対的な割高感が意識される中、半導体株が上昇。
ブロードコムがインテルの半導体設計業務の買収を検討しているとの報道を受け、インテルは10%以上の上昇を記録。マイクロンテクノロジーやAMDなどの半導体株も強い動きを見せた。
米サンフランシスコ連邦準備銀行のデーリー総裁は、インフレ抑制の進展が継続して確認できるまで、景気抑制的な金融政策を維持する必要があると述べた。
FRBのウォラー理事は、インフレ動向が昨年同様であれば、金融当局者は年内に利下げを再開する可能性があるとの考えを示した。1月のCPIの大幅な伸びには懸念を示す一方で、PCEの見通しについては心配の度合いが低いことを強調。
米債券市場では長期金利が4.5%台と、前週末の終値(4.47%)を上回って推移。堅調な経済を背景に依然として物価上昇圧力が高い状況。トランプ米政権による関税引き上げがインフレ率を高めるとの観測も依然として残る懸念から、FRBの利下げが遠のくとの見方が根強い。10年債利回りは4.55%、2年債は4.30%とどちらも大きく上昇。
外国為替市場では、ドル指数が上昇し、円は一時1ドル=151円台半ばまで円高が進んだが、再び152円台に戻されている。
原油相場は上昇。OPECおよびOPECプラスが4月に予定する供給引き上げの開始時期延長を検討していることが材料視された。一方で、米国とロシアがウクライナでの戦争終結を交渉するチームを指名することで合意。これによりロシア石油業界への制裁緩和で供給増加が期待されている。
18日の日経平均株価は続伸し、終値は前日比96円15銭(0.25%)高の3万9270円40銭となった。17日の欧州株式市場の動きを手掛かりに防衛関連銘柄が物色され、国内の長期金利の上昇を背景に銀行株も買われた。円相場の上昇一服で自動車株も高く、日経平均の上げ幅は一時300円を超えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆3533億円、売買高は18億2711万株。東証プライムの値上がり銘柄数は930、値下がりは664、横ばいは46。
【考察】
インテルの半導体設計部門買収は実現するのでしょうか。ウィンテルと言われた時代はインテル半導体がもてはやされましたが、もはや時代は変わりました。
当時劣勢だったAMDはファブレスであったことなどから現在も生き残っています。設計と生産の分離はますます高まってくるのでしょうか。
FOMC高官の発言はタカ派とハト派が入り交じったものでした。
いずれもトランプ政権の関税政策が懸念となっており、今後の利下げ判断に苦しんでいるように聞こえます。
日米とも金利が上昇基調であり、しばらく高止まりしそうな状況。
日銀は先日のGDPが高い数字を示したことで自信を持って利上げを進めていきそうです。
欧州がウクライナとロシア国境に派兵する話が波及し、昨日の国内市場は軍事産業が上昇しました。
対岸の火事程度にしか見ていない米国に対して、欧州は当事者故に焦りが目立ちます。
欧州株は楽観から上昇基調。これにより、オルカンが上昇しているのだとか。気になりますね。
さて、米国主要3指数は小幅な動き、SOXは上昇、ドル円相場は152円台に落ち着き、日経平均先物は動き無しです。
今日の日本市場は、変わらず積極的に買われる材料は乏しい状況。しかし、SOXが上昇していることと、国内債券利回りが上昇しているので、銀行株に妙味があるのかもしれません。
今日は10:30に日銀高田審議委員の発言があります。
安全運転で。