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2025/1/4(土) 株式市況
【朝通信】
3日の米国市場は3指数とも上昇。Nasdaqは1.77%と大きく上昇。製造業景況感指数が49.3と予想より高かった。米下院議長選で現職の共和党ジョンソン議長が再選決定。バイデン大統領による日本製鉄買収計画阻止の発表により、USSは一時8%超の下落。
米ISM製造業景況指数は49.3。予想の48.2、前回の48.4のどちらも上回る結果に。10月の46.5から3連続増加傾向。内訳では新規受注や生産などが上昇する一方、雇用が低下。
トランプ次期大統領支持のジョンソン議員が再選された。共和党3名が造反の意志を示していたが、トランプ氏を含めて説得し、2名が翻意。共和党は上下両院掌握しているが、その左派218対215。次期政権は薄氷の上に立たされている。
米国債相場は下落。再び金利上昇局面に。10年債利回りは4.60%、2年債は4.28%。10年債利回りは再び4.6%台に。米チッチモンド連銀のバーキン総裁は、現行政策金利はインフレ抑制に効果があるとの見解を示し、以前ほど景気抑制的になる必要は無いとの見解を示した。
外国為替市場ではドル指数は下落。ドル円相場は一時156.88円を付けたが、再び157円台に回帰。ユーロ、ポンドは下落継続。円に対しても弱い。
【考察】
米国株式市場は3指数とも上昇し、SOXも上昇で終えました。昨年末12/30の下落前の水準にはまだ届いてはいませんが、この上昇は来週からの日本相場には嬉しい内容です。
とは言え、日経平均先物は、シカゴ、シンガポール共に39,540円前後であり、大納会の39,895円を350円程度下回っています。
米ISM製造業景気指数は50には届きませんでしたが、少しづつ近づいてきました。その一方で雇用指数は低下。人員削減はまもなく終了する見通しのようですがどうでしょう。
下院のジョンソン議員再選はヒヤヒヤものでした。
23年1月の議長選でマッカーシー氏選出に15回要したことを思うと、早めの解決は良かったのです。しかし、まさかの共和党3名の造反がでるとは思いませんでした。上下両院を制覇している共和党も安泰ではないことを示唆したような形となりました。
良いものは良い、悪いものには悪いと言える議会であることがうらやましいですよね。多少のもつれはありますけど、派閥全体で動くよりはよほどいいと感じています。
USS買収は残念ながら難しい状況となりました。CFIUSによる投資規制は、1980年代の日米半導体摩擦をきっかけに作られたもので、カナダやオーストラリア等の同盟国には審査の例外規定を設けたのですが、日本は今も例外扱いに至っていません。
80年代の日米摩擦に直面したソニーの故・盛田氏は、 『米国の地域社会に英国人などが投資をして入ってきても異邦人の侵入と受け取られない。だが、日本人が行くと何か分からない異邦人が入ってきたと思う。それは恐怖心と不安感を与えるからだ』 と言っていたようです。
日清、日露戦争から日本の底力を見てきた米国にとってみれば、実は日本が力を付けてくるのが怖いことなのかもしれません。
良い週末を!