2024/10/11(金) 株式市況
【朝通信】10日の米株式市場は3指数とも小幅下落。米CPIが市場予想を上回った一方、新規失業保険申請件数は想定以上に増加。米景気の底堅さ期待を変えるほどではなく、株価の動きは限定的。▼9月の米CPIは、コアCPI、総合CPIとも予想を上回る。サービス分野の最大部分を占める住居費は8月の0.5%上昇から0.2%上昇と減速。▼米新規失業保険申請件数は増加し、昨年8月以来の高水準に。ハリケーン『ヘリーン』の被害があった州の申請件数が大幅増。失業手当申請困難な人がいる状況から、正確に把握することが難しく申請件数は増加する可能性あり。▼各連銀総裁はCPI発表後もインフレ進展については楽観的で利下げ継続姿勢。アトランタ連銀ボスティック総裁は今後の指標次第では次回会合で利下げ見送ることは問題無いと述べた。▼米国債相場は小幅な動き。国債利回りは、10年債が4.06%、2年債が3.96%とどちらも下落。▼ドル指数は小幅下落。CPIより失業保険申請の方が強く意識された。ドル円相場は一時149円半ばまで売られたが、現在は145円台半ば。▼NY原油先物相場は3日ぶりに上昇。イスラエルのイランへの報復攻撃について、引き続き米国は自制を求めるが、影響度は不明。
【米CPI】
・コアCPI
前月比0.3%上昇、市場予想0.2%上昇を上回る、8月0.3%から横ばい
前年同月比3.3%上昇、予想3.2%上昇、8月3.2%どちらも上回る
・総合CPI
前月比0.2%上昇、市場予想0.1%上昇を上回る、8月0.2%上昇から横ばい
前年同月比2.4%上昇、市場予想2.3%上昇を上回り、8月2.5%上昇から鈍化
【新規失業保険申請者件数】
25万8000件、前週比3万3000件増、予想値23万件、前週22万5000件どちらも上回る
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無事にCPIと新規失業保険申請件数は通過と言ったところでしょうか。ハリケーンの影響で、失業保険申請が困難な人が多く、今後の申請件数は上振れる可能性があります。先日の強い雇用統計と昨日のCPIとの整合性をどのように取っていくのか難しい状況。また、中東情勢も引き続き緊張感が続きます。イスラエルに米国が自制を継続要請していますが、その影響度合いは低く、不透明感が増すことでよりリスクオフ姿勢に傾きそうです。さて、前述の通り米国3指数は小幅ながら全て下落、SOX下落、ドル円相場はわずかに円高傾向、日経平均先物は110円高を背景に、今朝の日経平均はやや高いところからの寄り付きとなりそうですが、上値を追う状況にはないと思います。週末であることと、今夜は米PPIとミシガン大学消費者信頼感指数速報値の発表があります。引き続き安全運転、マイルール遵守で。