生成AIの凄さが未だに分からない
2022年から2023年にかけて爆発的に流行し,現在も話題に事欠かない生成AI.流暢な日本語で返答するChatGPT,既に人間の域に達しつつあるNovelAIやmidjourneyのようなお絵かきAIなど,様々な種類のものが今この瞬間も進化を遂げている.
しかしながら,はっきり言って私はそれらの凄さ,人類に対する貢献についていまだに理解できない.
対話型AIについて
ChatGPTに代表される対話型のAIは,もっぱらインターネット上の情報を学習し,投げられた文章に最も適した回答を出力する.よく言われることだが,AIはその場で文意を汲みとって応えているわけではない.並べられた単語から「こう答えておけばよいだろう」というベストアンサーを予想しているだけなのである.
だから,マイナーな事物に関して質問するとありもしない嘘っぱちを並べ立てる.そのことについて一切予想ができないからだ.しかも,Google先生と違って自分で内容を検索できないから,学習していないことをその場で学んで返答することさえできない.Siriのように「すみません よくわかりません」とすら言えず,嘘八百を突きつけてくるのだから失笑ものだ.
それに,対話型と謳う割にはいかにも無機質な言い草しかしない.少々過激な,たとえば「〇〇はつまらない」と送ると,「意見は人それぞれで〜」などと教科書以下の回答を寄越す.共感という概念を有していないからだろう.
お絵描きAIについて
お絵描きAIは,単語や文を入れるとそれに沿った絵を描いてくれるものだ.初めは「絵画」チックな作品が多かったが,すぐに美少女キャラに対応し,既にこれを用いた画像は「使える」段階にあると評判だ.
だが,お絵描きAIは実際非常に狭い範囲の絵しか描かない.それは多数派の打ち込むキーワードに合わせて作風を迎合していくからである.早い話,お絵描きAIで90年代のギャルゲに出てくるようなキャラを作るのは至難の業なのだ.一方で,pixivの男性向けイラストランキング上位にあるようなリアリスティックで「使える」画像は何も考えず生み出せる.あれだけ大衆化を嫌っていたオタクが,多数派の奴隷たるAIが産んだ美少女を求めているのは滑稽を通り越して阿呆である.
結び
ここまでさんざん生成AIに文句を垂れてきたが,おそらく私の考えは間違っている.きっと私は生成AIの影響,存在意義において何かしらの重大な見落としをしているはずである.そうでなければ,これほど生成AIが持て囃されるわけがない.
早く誰かが,生成AIの真の凄さを教えてほしいものである.