子どもの予防接種の話
今年もインフルエンザの予防接種の季節がやってきた。地域によっては流行が早いところもあるらしいが、今のところは昨年のようなワクチン不足が聞こえてこないので予約も概ね取りやすいかもしれない。
自分が予防接種をするときは、もちろん予防接種を受ける自覚があって同意書にもサインをするが小児の場合は違う。予診票への記入は保護者が行い、署名も保護者が行なってはじめて小児にワクチンが投与される。
つまり、子ども自身は予防接種に同意していないのかもしれない。というわけで、今回は子供の予防接種について考えることにする。
※私は看護師ですが、小児科勤務の経験は全くありません。ですので、今回の記事が医学的に正しいわけではないことをご承知おきください。あくまでも我が家での話です。タイトルも「小児の予防接種」ではなく「子どもの予防接種」にし、育児マガジンに入れました。悩んでいる方のヒントの一欠片になれば幸いです。
自分が子供の時予防接種
自分が子供の頃の予防接種に関してはほとんど覚えていない。辛うじて覚えているのは、小学校の頃に打ったBCG接種だ。記憶違いでなければおそらく昔はBCGは小学校で集団接種だったと思う。現在は乳児期に摂取することになっている。痛いこと、注射や採血が大嫌いなわたしは当然BCG接種が恐怖であった。しかし、体育館に集められ並べさせられ次第に順番が迫ってくる。次の次で順番という時に前に並んでいた子が嫌だと泣いて暴れ出した。すると教師が腕を捕まえて仕方なしに列の後ろの方へ連れて行った。これだ!と思い、私も同じように嫌がったが、前の子とは同じようにならず強制的に二の腕にハンコ注射をされたのだ。これが私の小児期の予防接種の記憶である。
あとは、看護学生の時に小児科実習前に足りないワクチンを打ちに行ったがそれはもう19〜20歳頃のことだから小児期とは言えない。
私の弟のパターンを母親から聞いたことがあった。ある日、母は自分が具合悪いから病院に付き添ってほしいと小児期の弟に頼んだそうだ。小児男児って僕が守ってあげる意識が強い子が多く、私の弟も「僕がついててあげる!」くらいの反応だったそうな。お母さんを守らなければと思って病院に着いて行ったはいいが、いざ病院に着いてみると何故か自分が検温させられ、なんだかおかしいなと思っている間に自分が抑えつけられて注射をされたという顛末だった。弟にしてみれば完全に騙された!!!ってやつだろう。本人は覚えているかわからないが。
我が家の場合
我が家では、予防接種は痛いことに違いないので予め伝えることにしてある。
理由は単純明快。子供に嘘をつきたくなかったから。
「痛くないから大丈夫だよ」なんて言って、子供が痛かったと感じた場合、「痛かったじゃん!お母さんの嘘つき!」ってなるのは目に見えている。嘘をつくことはよくないことだと教えられながら、もっとも信頼を寄せている保護者に嘘をつかれたら。ショックは大きいだろう。容易に想像できる。
だから、痛いことは痛いって予め伝えるし、予防接種の日程は予め伝えるようにしている。2歳半の息子はまだ分かっていないけれど、5歳の娘はもうよく分かっているので、先日予防接種した際も、予約が取れた日に本人に伝えてカレンダーにもわかるように書いておいた。もちろん娘は注射が嫌いなので嫌だというけれど、予防接種のメリットとデメリットもその都度伝えている。予防接種は注射だから痛い、でも予防接種をしなければその病気になった時にもっともっと辛い思いをすることになるかもしれない。ここまで伝えると幸いにも娘は分かってくれる。息子はどうかなー。。。それでも嫌だと暴れられる予感がする笑
予防接種の話を伝えると、娘は決まって「泣いてもいい?」って聞いてくる。
それに対して「もちろん痛かったら泣いていいんだよ」と伝える私。今回は注射を打つ直前から泣き始めたけれど、嫌がって暴れることなく接種することができた。しかも3種類。(インフル+MR+おたふく←MRとおたふくは私がいつまでももたもたして予約取らなかったから3種類やる羽目になった娘ごめん。)
冷静に考えると娘、すごいな。泣くけれど嫌がらずに注射できる。私なんて、注射嫌いすぎて、自分が刺されるときは絶対に穿刺の瞬間見ないもん。採血の時も顔を背けている。(こう見えて、職業は看護師で適応障害で休職するまでにはほぼ毎日点滴刺してました。人にはやるのにひどいよね。)
子供相手でも痛いものは痛いって伝えておく
やっぱり、3歳くらいの分かる年齢になってくると心の準備をしておくことも大切だと思うし、大人が嘘をつかないってことも大切だと思う。
娘が3歳半の時に、ある日首の左側のリンパ節が腫れて病院にかかったことがある。ちょっと触るだけで痛いと大泣きし、熟睡していてもさわればすぐに起きちゃったから相当痛かったんだと思う。痛がり方が尋常じゃなかったし、発熱など痛み以外の症状がなかったけど一応病院に行くことにした。ちょうど、義母が遊びに来ていたタイミングだったので一緒に病院へ行って、まだ0歳の息子をみててもらうことにした。
娘が病院で「首触る?痛いことするの?」って聞いてきたら義母が即座に「全然痛いことなんてないよ」って返したので、かぶせる勢いで私は「痛いよ。痛いところを診てもらうんだから、痛いところを先生は触ると思うよ」と娘に伝えた。義母には悪いことをしたかもしれないけれど、そこで黙っていたら義母に同調したことになるかもしれなかったし、私の中ですでに採血とエコー(超音波検査)くらいはするかなと思っていたので娘が痛がった時の対応法をあれこれ考えていたからだ。その日はすごくすごく痛くて泣いたけれど娘は頑張ることができた。
胃腸炎で点滴した時も点滴は針を刺す時と抜く時が痛いけれど、点滴している間は痛くないと伝えたら泣きながら頑張れた。
たかが皮下注射、されど皮下注射
痛いことを心の準備をしてから体験することは成功体験の一つになる可能性があるとも考える。痛いことだけど、自分は乗り越えることができた。そう思えることは次へのステップだと思う。今回頑張れたから、来月もまた頑張れるよ(小児期はインフルエンザの予防接種は2回行うのが望ましい。ブースター効果。)。
たかだか25〜27ゲージの細い針で(そういや小児って何ゲージで注射するんだろう?)一瞬チクリとして薬液を皮下に入れる痛み。ほんの数秒の話だ。それでも子供にとっては強く心に残る可能性がある。
注射に限らず体調不良で病院へ行くとき、娘は必ず「注射とかするかなぁ?注射嫌いなんだけど。」と言ってきます。そんな時私は必ず「それは先生が診てからきめることだからお母さんにはわからないよ」と伝えている。放棄しているみたいで冷たく感じるかもしれないけれど、それが事実だから。
3種類のワクチン接種の翌日に娘は発熱した。1日家で様子をみて(インフルの可能性を否定できない場合に病院に行くのが早すぎると検査できないことが多いから)、解熱しなかったので発熱した翌日に受診した。案の定、「注射とかするかなぁ?」と娘は聞いてきた。私は答えた。「こんなにお熱出ているから注射とかお鼻に綿棒入れるとか検査をするかもしれないけど、それは先生が決めることだから、お母さんには答えられないよ。」
まとめ
家庭にはその家庭の事情や雰囲気、その子の特性があるから断言できないけれど、痛いものは痛いと伝えた方がいいと私は考える。「お母さんの嘘つき」って思われたくないし。痛いかもしれないと伝えると、「じゃぁ病院行かない」って言われてしまうかもしれない。それでも頑張れたらめちゃくちゃ褒めちぎる。あとは子供ならおやつなど子供が喜ぶもので釣るのも私はありだと思う。痛いことを頑張ったからそのご褒美。大人だって頑張ったときは自分にご褒美ってすることあるじゃん?(とか言いながら私は自分にご褒美ってあまりしない派)痛くないよって嘘をつくよりもいいような気がする。
育児、大変ですね。我が家も大変です。乳幼児期は予防接種もありすぎて困りますよね。皆さん。頑張りましょう。
そして最近、おたふくのワクチンも自治体によっては助成金出し始めたんですね。我が家は上の子も下の子も対象外なので自費です。健康をお金で買うか。
それでも、健康1番!それではまた。