開花

また、滞っているようなので。

このところ、各地で桜の開花宣言が続いていますね。桜の開花宣言は5〜6輪(ということは5輪)が基準らしいです。そして、開花宣言はする方もされる方もけっこう敏感になって、まるで競争のようですが(初物好きの国民性の故でしょうか)。

一昨日のキャンパスでは、すでにこれの基準を満たしていたよう。帰りがけにちょっと冬に後戻りしていたような空が気になって中庭で写真を撮ろうとしていたら、白い花が目に入った。山桜の花です。あんがい多くの花をつけていた。これにはまった気がつかなかったなあ。他はどうかと見わたすと、何本か並んでいる山桜はさほどでもない。そして、1本だけ隣接しているソメイヨシノの木にも、何輪かの白い花が。たぶん5輪以上。ということは開花宣言をしても良いのだ。

後で知ったのですが、奇しくも横浜でも開花宣言があったようでした(東京でも)。

別に、競争することでもないことだけれど、ただ花が咲くとやっぱりうれしい(でも、実は梅の方を応援したいのです)。

ああ、春が来たのだと思った。ふっと見あげた時に花をつけていることを知る方がより楽しさが増す。近頃のように、今か今かと待ち構えていて、今日はまだつぼみ、今日は3輪しか咲いていないので開花宣言は出来ません、などというのは、風情に欠けるのではあるまいか。

一方で、季節が巡ること、その進み方の速度に驚くのと同時に、ぶるっとからだを震わすような寒気を懐かしむのでした。さて、これは無い物ねだりと言うのか、天の邪鬼の故か。はたまた、人生の冬を実感し、春期を嫉妬するせいなのか。

今日はせっかく咲いた花にとっては残念な雨模様で、気温も一気に10度ほども下がった花冷え。それでも、改めて見るとけっこう花をつけている(その早さに驚きます)。 ただ、当然のことですが、花の咲き具合は木々によってそれぞれ異なっている(人と同じですね)。

明日は卒業式、そしてすぐまた新入生がやってくる。きっと彼や彼女たちもやがて、それぞれに美しい花を咲かせるに違いない。(F)

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