![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/81709404/rectangle_large_type_2_32090b880283697b61a5f35235bdc8b1.png?width=1200)
戦略コンサル経験者の考える「コンサルティングの本質」
1.コンサルティングは「解決を売る」ビジネス
Fyneat(弊社)はまず機能・やる事を事前に決めてそのまま「コンサルティングメニュー」として売らないポリシーで経営しています。
(弊社ではこれをツールだけ先行して売る・・・と表現します)
なぜかといえば、ツール(機能)を先行して売ると、「課題解決」というゴールがおざなりになるからです。 ソリューション(解決策)を売らないと、顧客の課題解決にはつながらず、そうなればビジネスになりません。
※ソリューション=問題を解決する事を主軸 に考え、設計されたもの
※ツール=単純にプロダクトとして特定の機能を保有するもの
なので特に、to Bのより深いものと関わりに行くのであればなおさらツールとソリューションは切り離して考えるべきなのです。
ツールを渡してその説明書を渡すことだけでソリューションとすることはビジネスではないと思っています。 ディープに経営問題を、解決していくためにはソリューションを売るということから逃げては行けません。
そのソリューションに紐づくものがないかという考え方で、ツールを作ることが正しい順番だと思っています。
例えばメーカーは受託開発、システム開発会社のような顧客のニーズをとりあえずものづくりという形で返すっていうやり方でサービスを提供しています。
しかし、コンサルはソリューションを提供するべきであるし、顧客の課題を直接解決すべきです。課題の直接解決につながらないようなものは売るべきではないのです。「解決したという結果」を売らなければお客さんの期待に応えてないんです。
顧客の期待値をこえるということがビジネスであり、それはどんな金額で受注しようと一緒です。そういう点において、自分たちの背負っている看板に沿ったものを出すべきということです。
2.中小企業向けのソリューションとは社長を救うということ
「ソリューション=解決」と考えた時に、大企業と中小企業では経営の前提が大きく異なるので、当然提供するものも大きく変わります。
それにも関わらず大企業へのコンサルティング経験者が、自分の経験をそのまま中小企業にも当てはめようとする例を多く見るので、改めてそもそも前提が違うという話もしたいなと思います。
今日本に存在する「サラリーマン経営の会社」(大企業など)では、会社と個人を切り離して考えています。これは一面的には正しくゲゼルシャフト(資本主義的な利益による拡大社会)的な観点から言うと、会社を経営するということと、会社を持つということは分けなくてはいけなません。
銀行からお金を借りる、フランチャイズしてフランチャイジーに費用を捻出させる、またはVCから資金を調達してスタートアップ経営するなど、資本そのものを客観的に使いこなし、それを切り出して、そこに外部の力を取り入れることによって会社の成長が大きくなります。
それに対して、日本の「中小企業」が陥っている問題はその領域には存在しないことが多いです。なぜならば、会社としてどうあるべき、個人としてどうあるべきかではなく、社長個人の人生の中に社長のプライベート・会社経営が混ざっているという状態が多いからです。
(会社の経営と所有をほとんど同化させているということ)
この形に即したお金の使い方をする中小企業がおそらく日本で一番多いです。日本で一番多い形は社長一人に従業員三、四人という会社が一番多く、そういった会社では従業員も限られた量の仕事しかアサインされていないです。つまり、従業員それぞれに決まった量の期待値しかないというわけです。
このような会社運営は基本的に社長によって運営されます。このような会社では、多くの社長は会社の PL・BS と個人のPL・BS も一緒くたに見ている可能性が高いです。
日本の税制もその形を取ることを社長に半ば強いています。
なぜならば、社長は2回税金を取られるからです。会社として法人税をとられ、その後にまた個人として所得税をとられます。
その場合、社長個人が会社に資金を供出して、その資本に寄りかかる形で会社が存在します。つまり、社長の資産の循環と会社の資本の循環は大きく被っているところがあります。これに沿えば、社長としては法人税、所得税、それぞれ単体の節税についてはあまり興味がないはずです。それよりも、社内に一番お金が残る方法を考えたいはずです。そうした時に、エッジを寄せて社長と会社を連結させるという考え方でコンサルティングを行うことが正しいはずだと考えています。
3. 結論
今あげた我々のポリシーとターゲットの話二つを合わせ、中長期に支援をすることを考えていくならば、まずはソリューションを売る会社であるという期待値をきちんと背負うべきと考えてます。
コンサルティング会社を評価するときにその会社が提供しているものが「ソリューション」なのか?「ツール」なのか?はぜひ見極めて欲しいと思います。