【産後パパ育休通信Week5】育休は人生のボーナスステージ
1. 家庭におけるメリット
1-1. 産後期の不安定なママの支えに
これが当初からの主たる目的。世間的にも広く認識されているメリットの一つでもあると思う。
育休入りの際、ママからは「1ヶ月以上の育休は助かる」と言われた。我が家の場合は5週間という期間自体も安心材料であったようだ。
1-2. 新生児期の成長を間近で
ベビーの成長は刻一刻という感じ。
体が重くなる、髪が伸びる、手足の力が強くなるといった成長を肌で感じた。
1-3. 出生関連事務の担い手
出生関連の手続きは結構煩雑。
意外とやることは多いのだが、5週間の休業期間でほぼやり終えることができた。
1ヶ月検診、お宮参りといった定例行事も平日にこなすことができた。
1-4. インフラ(家電)メンテナンス
まとまった休みを機に家電など居住環境のメンテナンスについても重い腰を上げた。
遊休化していた空気清浄機と除湿機の再稼働、エアコンフィルターの大掃除、風呂釜掃除、除草剤散布など子どもも安心して住める環境を整えたつもり。
1-5. 生活リズムの改善
先日も書いたがベビーを基軸とした規則正しい生活となり、全員ダラダラ過ごすことが格段に減った。
2. 仕事におけるメリット
2-1. 弊社風評の向上
少し長い休みになるのでほとんどの取引先には育休取得を予告していた。
反応はどうだったかというと、ありがたいことに8割方のお客さんが「とてもいいこと」「家族のために頑張って」といった好感を示してくれた。
※その他、ニュートラル(さほど関心がない)が15%、懐疑的なスタンスが5%といった感じ。
多くのお客さんから「御社(業界)でも男性が育休を取れる環境になっているのは素晴らしい」との反応があった。この点、会社のダイバーシティ施策に貢献したといえるだろうし、同様に育休取得をする男性社員が増えれば弊社の風評向上に大きく寄与するだろう。
2-2. 社会保険料免除
前回、「育休期間中は無給」というデメリットを話したが、一方で「社会保険料が免除される」(=育児休業給付金から社会保険料は差し引かれず、その分手取りが残る)という支援策もついている。
さらにこれはあまり知られていないが、賞与支給月を含む暦日1ヶ月以上の休業取得をすれば、賞与に係る社会保険料も全額免除される。しかも、免除期間中でも社会保険料は「納めたものとみなされる」ため、将来の年金額が低くなることもないのは大きなメリットといえる。
自分の場合はたまたま賞与支給月にあたる6月に育休を取得する運びになったため、この恩恵を享受し、社保免除分約15万手取りが増えた。
休業期間38日(産後パパ育休Max20営業日+通常育休5営業日)という取り方をした背景にはこれがある。
2-3. 社会的ブランクを活かす!?
育休前に営業を捲った甲斐あってか、いろいろと仕事の種が出てきた。
自分の場合はほぼ種のまま丸投げして休みに入ってしまったため、現場にはいろいろ迷惑をかけただろう。
しかし、休業中に事がうまく運んだとすれば「休んでいるけど実績が上がっている」というボーナスステージになるかもしれない。
「育休転じて福となす」ことができるか。その答え合わせは復帰後にすることになるが…
3. 自分自身におけるメリット
3-0. 価値観の変容
家庭や仕事に関係のあることだが、ここで述べるのは自身の内面に関してという側面が大きい。
少なくとも、育休取得により自分自身の価値観は大きく変わったと思う。
3-1. 家事/育児参画促進
「育児ブログ」を書き連ねた2020年以降、我が家では夫婦平等共働きのオペレーションが進み、自分なりに家事育児には関わってきたつもりだった。
しかし、普段ママがこなしていた機微(例えば、どこに何がある。この家事はこうすれば早い、病院など出かけるときの持ち物はこう)が自分事として理解できるようになったという点は一つの成果といえる。
3-2. 料理スキルの向上
もともと全然できないし今も不器用だが、忙しい時に何となくの感覚でそれなりのものが出来上がるといったことが増えた。料理アプリとにらめっこする時間は減った。
3-3. 喧騒からの解放
仕事に終わりはない。マルチタスクをこなし続け、ずっと息を切らし走り続けていた感じだったが、これだけの休みを得て、仕事から離れるいい機会となった。
いざ休みに入ると「何であんなこと、こんなことで追い込まれていたのだろう」と、些細な事で疲弊していたことに気づきバカバカしくなった。
普段は帰宅後や週末にシワ寄せしている家事は、平日の昼間にこなすなどして平準化できたことで心の余裕も生まれた。
3-4. 長女と向き合う時間
そうした心の余裕ができたことで、保育園で何があったか、一緒にどう楽しく遊んでいくか、どうやったらご飯を残さず食べられるか、といったことを考え、対話する機会が増えた。
普段忙しいことを言い訳に深く考えられていなかった長女の教育にも目が向くようになってきた。
3-5. 保育園(地域社会)とも向き合う
短時間保育となったことで、送迎の時間が多くの同級生と重なるようになった。結果、多くの子どもたちやママたちとの交流の機会が増えた。
パパが参加する家庭は殆どないが、保護者懇談会にも参加して子育てのリアルを学んだ。
先生とじっくり話をしたり、園内の掲示物に目を通し、子どもの成長を実感すること。バタバタ送り迎え「だけ」していた頃にはできなかったことだ。
3-6. 心身メンテナンス
前段の通り、しっかり賞与も入ったので身の回りの設備を一新。
減量したことで不細工になっていたスーツや1駅ウォークで履き潰したウォーキングシューズを買い替えた。
身体の手入れも気になる年頃になり、化粧水、電動歯ブラシなどの投資行。
先延ばしになっていた祝品の発送や歯医者の通院も遂行できた。
「休日の予約は数週間先」という歯医者も、平日になったとたん翌日に受診できた。平日の有効活用ができたことがとても大きかった。
3-7. 経済効果
期間中はほぼ外出しなかった(外出しても基本おつかいで家計出費)ため、1か月分の小遣いはほぼ手を付けず翌月に繰越すことができそうだ。
3-8. Newsへの感応度UP~自己啓発
仕事でバタバタしていると「今世の中では何が起こっているか」わかってるようで意外とわかっていない。
休業期間中は「世間から取り残されたくない」との思いもあり、経済番組や新聞などをじっくり見る機会に恵まれ、頭の整理ができた。
机に向かって作業する暇はなくても、動画(eラーニングやYouTube)や音声コンテンツをうまく使えば知識は入れることができる(お笑いバラエティも結構見た)。
3-9. キャリアと対峙する
上記報道やSNS等を見ているうちに、多方面で頑張っている同世代が世の中にはこんなにいるんだと思い知った。少し取り残されたような気分にもなった。
昨今、会社からは「これからは人事待ちではなく、自らキャリアイメージを考え、動き、実現せよ」という趣旨のことを言われる。
振り返ってみると、これまでは目の前の仕事に必死であまり深く考える余裕がなかったように思う。
しかし、育休では作業することはできずとも、寝かしつけやミルクのタイミングなど、思いをめぐらす時間は十分にあった(というか、嫌でも頭をよぎってしまう)。
自分はどう生きるか―。そうした不安に圧し潰されそうになる中で、ようやく自分のキャリアステップに意識が向くようになった。
少なくとも復帰後の羅針盤というか、行動指針のようなものはできつつある。
育休はこれで終わるが、後から振り返ったとき、今回の育休がボーナスステージ=大きな転機であったと胸を張って言えるよう、これから一層歩みを進めていく必要があると思っている。
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