いつもポケットにショパン 第1話
私が彼女に出逢ったのは寒さで息が凍りそうなとある冬の日の放課後だった。
数学のテストで赤点を取ってせっかくの冬休みだというのに補修を受けたわたしは担任で数学担当教諭の赤木に
「第1音楽室に八乙女先生がいるか見てきてくれないか。」
といわれ
自分で行けよ!!とぶつぶつ文句をいいながら音楽室に向かった。
第1音楽室に段々近付くにつれピアノの音が聞こえてきた。あれ?この曲もしかして。という予感がどんどん確信に変わっていく。
それは私が世界で1番好きな曲
ショパンの幻想即興曲だった。
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