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LDKワンルーム時代。囲炉裏好きな日本人にピッタリかも?なキッチン

2019年4月19日、トーヨーキッチンスタイルが東京・青山で新製品発表会を行った。

トーヨーキッチンスタイルはいまやその名の通り、キッチンのみならず、住むにかかわるライフスタイル全体をコーディネートする姿勢を打ち出している。

今回の発表会も、キッチンという設備の新製品お披露目とみれば従来のiNOシリーズにどことなく和のテイストもある菱形模様の面材「METALLIC DIAMOND」を新たに追加したということ。これまでも菱形模様にステンレス材の「キルト(写真下)」があったが、今回のMETALLIC DIAMONDは高性能化粧材 HPL(ハイプレッシャーラミネート。ヨーロッパからの輸入材で9Hという硬質の樹脂の一種)だ。

だがそれよりも今回のキモは、間取りやライフスタイルの変化に対応した”提案性”にある。

その意気込みは、カタログからも伝わる。

写真好きな渡辺社長の美学に沿った美しいグラビア写真で魅せるような紙面構成ではなく、横長見開きに大文字のキャッチコピーと説明のためのグラフィック。それも薄手の紙で国内ブランドのカタログよりも大胆といっていいほどストレートな表現なのは痛快なぐらいだ。

その提案とは、空間ゼロ動線。「KDSトライアングル」と呼んでいる。

聞けば、昨今ワンルームが増えている住宅事情に鑑み、LDKの間取りを壁付けのパターナリズムから自由にするために考えたという。

確かに、家族に背を向けるI型をやめてアイランド型にしダイニングと対面にすると、ダイニングへの動線は横長のキッチンでブロックされ、回り道になる。

そこで、箱形ワンルームの壁面に沿って家具や設備をパズルピースのように効率的に並べる発想を転換。キッチン、ダイニング、収納を行き交う動線をとにかく最短にしようというアプローチにした。

すると、キッチン、ダイニング、収納は部屋の壁から解放されるとともに、必然的に収納もアイランド型にしなければならなくなった。

というワケで、アイランド型収納ISOLAが生まれた。中の食器類には両側から開き扉でアプローチでき、機能的にも視覚的にも反対側にガラス扉で抜けている。本体の高さを160センチほどに抑えたのと相まって、空間における圧迫感が少ない。オプションの照明を仕込むとマジックミラーのようにも見えて面白い。

さらに、ダイニング方向に家電を引き出す仕様を選べば、ダイニングとの結びつきも深まる。

今回展示された換気扇も新型。

従来のUFOと同じデザインだが、幅を150に広げてアイランドの上を広くカバーするもので、コンロの煙だけでなく、シンクからの生もののニオイも屋外に吐き出せる。

また、2つのターボファンを内蔵しており、ひとつずつ稼働させることも可能。送風の調整が3段階ずつで2台の合計9パターンになる。

このほか、iNOと組み合わせるサービングエレメントにホットプレート感覚で追加できるビルトインIH仕様や、シンク側だけでなくコンロ側にも引き込めて直接鍋に給水できるゼロ動線水栓(こちらは今秋発売予定)もお披露目された。

独自路線のようにみえて市場のニーズに柔軟に応えようとするコンセプトが毎回愉しい。テレビはココ、するとリビングとダイニングはここになって、キッチンは・・・というのとは逆の、家族みんなでワクワクしながらの家づくりを促す提案性にはいつも感心させられる。

考えてみればこれって、土間を上がって、囲炉裏を囲んで、みんなでワイワイ・・・そんな感じがやっぱり日本人には合っているのかも。

いい音&大画面があることで日々の暮らしが豊かに。住宅というハコ、インテリアという見た目だけでない、ちょっとコダワリ派の肌が合う人たち同士が集まる暮らし方を考えていきたいと思っています。