寂しさを飼いならすのが人生だ
注:今回はサムネイルと本文は関係ない。
今回も、現実の事件をベースにしつつ架空の話をしたい。
ショッキングなニュースを目にしてしまった。
5/8未明に新宿区のマンションで20代の女性を刃物で刺して殺害しようとしたとして、51歳の男が警視庁に逮捕され、女性は搬送先の病院で死亡が確認されたとのこと。いたましい事件だ。事件を追っているうちに時間がたってしまった。
女性の恐怖を推測するとやりきれない気持ちになるし、逮捕された男がほぼ同年代なのが精神的にきつい。情報が限られているので何とも言えないが、「俺はストーカーじゃない」と言いながら刺したということは、何らかのトラブルがあったと考えられる。
現段階では、こちらの動画がよくまとまっていると感じた。「推しにこうあってほしい、という気持ちをぶつけるのは不健康である」という話はなるほどと思わされた。
夜の仕事は疑似恋愛を提供せざるを得ないことがままあるのではないかと考えられる。その後、被害者のインスタグラムのライブ配信の動画が出回って、私も視聴した。そこでは、「ストーカーがいる。迷惑かけられたからその分お金を搾り取る」とある意味煽るような発言があった。本人もストレスをどうにかするためにこうした発言をしたのだろうと思うし、売上を上げるためなら仕事としては正しい態度のような気もする。
一生懸命仕事をして、極めて確率の低い籤を引いてしまったような気がする。
ひとつ前の記事でも、夜職の女性に関して言及した。主にTwitter(現X)についてである。
そこでは触れなかったが、最近はこちらのアカウントに注目していた。
すでに凍結されているが、こちらのLINEの相手と思われる人物が殺害予告とも取れるツイートと愛を語るツイートを交互にしていたのですごく怖かった。たしかこの相手もアラフィフだったように思う。今回の事件の被害者と加害者の関係に非常に近いものがあったのだ。なお、この方は被害者ではない。
男性のことばかり書くのは平等ではないので、高齢女性が若年男性を刺した事例もあったような気がするのだが見つからない。他の事例としては、2019年のホストが刺された他事件が思い浮かぶが、加害者も20代だったし、そのホストは退院後、元気に復帰していたはずだ。
そういえば、数年前、ある女性と親しくしていたことを思いだす。たまに飲む間柄だったが、自称サバサバ系の病的な寂しがりだった。その人とは同じパーソナルトレーナーに通っていた。当時、そのサバ女はアラフィフで、パーソナルトレーナーは30代前半だった。
で、サバ女はどうやら片思いしていたようであった。一回り以上年下の男性にである。もちろん、恋愛に年齢は関係ないのだが、正直、無理そうな感じだった。強がってサバサバを気取ってはいたが、見るからに恋愛慣れしていなさそうだった。
外見もサバサバが過ぎた。私もずぼらだが、もうすこし何とかしたらいいのにと思っていた。言えなかったけど。逆にある日、サバ女から、「今日のファキ田ちゃん(私)は女だしてんなあ」と言われた。ワンピース着たらあかんのかあほんだら。
恋愛カウンセラーのエッセイか何かで、恋愛経験が少ない女性は美容師や整体師などに長い間、片思いをするケースがある、と読んだ記憶がある。日本のサービス業はむやみに質が高いので、客が勘違いしてしまうことがあるのだ。
サバ女の片思いは、まさにそのケースだった。さすがに二人っきりの食事に誘うのは憚られたのだろう、私も含めて3人での飲み会に何度か誘われた。3度目くらいの飲み会で、彼女がいかにもサバサバした口調で切り出した。
「そういえば、○○さん(トレーナー)彼女いるん?」
それに対して、「はい、います。そろそろ結婚も考えようかと思っています」という返事が返ってきた。その時のサバ女の顔色が真っ青だったのをよく覚えている。そりゃそうだよなあ、と私は思いながら焼酎をロックで飲んだ。
で、その直後にサバ女は精神の均衡を大きく崩した。自傷に走ったのである。その模様をつぶさにLINEしてきたのでブロックした。彼女は当時アラフィフである。怖すぎる。本当に申し訳ないが、お付き合いを遠慮させていただいた。
しかし、50歳を目前にして感じる寂しさはあるようだ。サバ女をみてそう思った。もちろん全員が寂しさに狂うというわけではないし、女性は30代でめちゃめちゃ考えた結果50を前にしてあまり動揺しない人も多いはずだ。ただ、男性でも、若いころモテにモテて相手を選べずに独身を謳歌していた人が50歳に近づいて突然「寂しい、結婚すればよかった」と言っているのを何度か聞いた。いい出会いがあることを祈る。
婚活でも、勘違いしたアラフィフがアラサーとお見合いしたいと言って婚活カウンセラーを困らせる事態が発生しているらしい。15歳以上も年が違うと話は合うのだろうか。疑問である。
恋愛は素敵なものだと思うのだが、寂しさを解消する手段にするのはいただけない。成熟した大人世代は特に。いい年して未熟な自分ではあるが、そのことを強く思う。
結婚しようがしまいが、家族がいようがいまいが、人は孤独にさいなまれる時があるのだ。そして、その孤独を克服するために教養や笑いが必要なのだ。たぶん。
最後の最後で話が飛ぶのだが、恋愛市場において、若い女性の優位性は否定できない。おもっくそ不細工な自分ですら感じたのだから間違いない。これは男女差別なのだろうか。差別であるなら、是正する方策はあるのだろうか。例によってバチバチに酔っぱらっているため、まったく対策が思いつかない状況である。
再度申し上げるが、この話には架空の物語が含まれている。