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幽霊の仕業 #福井旅1日目

癖づく記録

本当はこの数ヶ月にあった有象無象の心の動きに言葉を着せ、記しておきたいところだ。

が、お盆休みを利用して福井に来てしまった。そう、皆さまご承知のほだかに会うために。
来てしまったからには以前のように福井で感じたことをまずは記しておく。

幽霊の仕業

時は8/10。
サンダーバードでいざ参らん、と思っていた矢先、出鼻を挫かれた。
台風6号のせいなのかなんなのか、強風が吹いていて湖西線が運休していて、琵琶湖線大回りでサンダーバードは一路福井に向かうとのことで、遅延していた。

まあ旅にトラブルはつきものなのでドーンと構えていたところ、さらにトラブルが。
北陸線内のトンネルで「存在しない列車から防護無線が出ていて電車が止まっている」といい、乗っていたサンダーバードは缶詰状態になった。

たまたまグリーン車を取っていたのでまだ救われた

乗っていた当時はそんなこともつゆ知らず。これを書く前に今日のニュースを見て原因を知ることとなったが、いま思えば、お盆の季節。誰が誰かを連れて帰ってきたのかな、その道中で電車を止めたのかなとも思う。
この際、嘘か本当かはこの手の話には不要。そんなことは仕事以外ではどうだっていいこともある。

結局、定刻より4時間半遅れて(!)福井に到着。列車で軟禁、は思ったよりきつかった。けど特急料金は全額払い戻されたのでその点は御の字🙏

5時間半かけて運んでくれてありがとう!

今回の一件、もしや幽霊の仕業、かもしれない。

DNAから叫んでる

なんやかんやでとりあえず到着。
せっかく予約してくれていたお昼のピザはお預けで、一路雄島と三国サンセットビーチへ。

生粋の奈良県民たる所以、海を見たら反射的を通り越してDNAから「海や……」と叫んでいる気がする。
隆々とした岩の隙間に飛沫を上げながら入り込む海水。それを見るだけでも、もう楽しい。

木々から溢れる夕陽がまた良い

福井はリアス海岸であると同時に隆起海岸もあったと承知している。東尋坊を背に眺め、この地に想いを馳せる。
雄島にある大湊神社へ参拝すべく、急な階段をせっせと登る。本殿で参拝をした後、振り返ると雄島の高台から見える三国の町並みが。

建物や自然は何かを一部切り取るフレームたりうる
左手に三国の町並みが、右手に地平が広がる

地平を眺め、三国の町並みを眼下に収める。奈良とはまた違った自然の一表情を感じ取る。
特別な何かがあるわけでもなく、おしゃれなこともない。ただそれでもそこにはこの地が育んできた風土が確かにある。それがまたいいのだと思う。
こういうものをぼくのDNAは欲している。

そのまま三国サンセットビーチへ。
ここはよくカップルも訪ねるらしく、パラパラ人が入れ替わり立ち替わりいた。

時は日の入。海へ吸い込まれるように沈む太陽を眺めながら、足を海につけ五感をフルに使い、その風景を受け入れていく。

今回はおなじみのほだかに加えて「龍角散」という
ナイスガイも一緒に。彼もまた奥深いのである

流れる時間に身を任せ、太陽はずんずん沈んでいく。
太陽が地平に沈んだ時、周囲からは「沈んだ!」と口々にいう声が聞こえる。
普段、何気なく生きている中で太陽の出入りを気にする人はそう多くないだろう。かく言う僕もその1人だ。
それでもこの時だけは皆、太陽を眺めその時を待つ。全員で非日常を丁寧に味わった。

ぼくは沈む瞬間はもとより、沈んだ後の空模様が好きだ。グラデーションを描きながら、雲は太陽の光を受け止めている。高く見てみれば、夜の始まりと言わんばかりに空が準備を始めている。

この時は何物にも代えられず、ボーイスカウトでキャンプをよくしていたころから大好きな時間の一つだ。

この時はこの場にしか存在していない

身体からの歓声

そんな時を過ごした後は一路ご飯とお風呂へ。
からあげ定食が美味しいという定食屋をほだかはセレクトしてくれた。

結局お昼ご飯のピザにはありつけず、軽食しか取れていない僕からすればなんでも美味しい。
それでもこのからあげ定食は1つ1つが丁寧にこさえられていて、五臓六腑から歓声が聴こえた。

タレといい大きさといいちょうどなのです

この後は胃を鎮めるために軽く三国をお散歩。昔は焦点が並ぶエリアも今は少し寂れて見える。福井は奈良とよく似ているように感じた。
そして後は1日の汗を流すのみ。銭湯へ行き、足を伸ばして風呂に入る。5時間半車内に軟禁されていた身体には染み入った。

ほだかがみえる…みえるぞ…

コーヒーをぐびっと飲み干し一路竹田へ。竹田は1年半ぶり、夏の竹田は4年ぶりだ。

アナザースカイかもしれない

車は闇夜を切り裂くように竹田へ向かう。
道中の建造物などを見ながら「懐かしい」と感じる。
ぼくはTキャンプ(後日談とする)に深く関わったわけではないが、それでもぼくの人生には確かに竹田での記憶が記録されている。

ただいま、といえるまちが1つのみならずいくつかあることは素晴らしく、これほどのことは他にそうそうない。

無事に着き、空を見渡すと星が絨毯のよう。月は幸いにして新月で、天の川も肉眼で見えるほど。
いろんな表情を見せる竹田、明日もどんな出会いがあるのかとワクワクさせてくれる。

スマホでこれだからきっともっと凄かろう

過去にいろんな人といろんな場所で出会って、話して、知り合って。過去からの地続きで今がある。

たしかにほだかとはひょんな出会い方をしているが、出会ってよかったし、ほだかに出会ってなければ福井も、竹田も、龍角散も知らない世界線があったろう。

出会い方は順当だろうがひょんなことだろうが、それすらも、もしかしたら「幽霊の仕業」なのかも知れない。

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