利益剰余金と現金及び現金同等物の違い
利益剰余金(Retained Earnings)
会社が過去の営業活動などで得た利益のうち、配当や準備金への振替を除いた後の内部留保額のことです。
BSの純資産の部にあリマス。
利益剰余金は実際の「現金」とは違い、会社の内部留保された利益の記録に過ぎません。利益剰余金は現金以外の資産(例えば設備や在庫)に
形を変えている場合もあるということです。
例
過去に100万円の利益を出して、そのうち50万円を配当に回して、留保を50万にした場合、利益剰余金は50万円増加しますが、この50万は必ず現金で存在する訳ではなく、別の用途(例えば機械の購入)に使われている可能性があります。
現金及び現金同等物(Cash and cash Equivalents)
3ヶ月以内に満期を迎える定期預金や債券など、短期間で現金化可能な資産のことです。BSの資産の部に書いてあります。利益剰余金は会社の「累積した利益」の記録のことで、現金に限らず設備や在庫などの形になっている可能性がありますが、現金及び現金同等物は、実際に会社がすぐに利用できる現金や流動性の高い資産を指します。
まとめ
利益剰余金が多くても、現金及び現金同等物が少ない場合、資金繰りに苦労することがあるため、両者を区別する必要はあります。
逆に利益剰余金が少なくて、現金及び現金同等物が多い場合、
①会社の利益が蓄積されていない→PLで確認する
②配当などの株主還元が積極的→配当状況を確認する。
③資産を売却していたり、借入金や外部資金調達が多い
→負債の確認をする。
のようなものが挙げられます。一見すると資金繰りが余裕があるように見えますが、収益基盤が弱いことを指します。利益を出していないと長期的な成長が微妙な可能性があります。
現金及び現金同等物が減少している場合、
営業活動、投資活動、財務活動のどの要因によるものかを把握する必要があります。