「FXの聖杯」公開に向けて 20 著者が損切りをしない理由 エトセトラ
著者は、FXで全く損切りをしません。その理由の一つは、これまでの記事にあるように損切りには確率的優位性がないからです。今回の記事では、著者が損切りしない理由をさらにいくつかご紹介したいと思います。
現在は無料公開としますが、将来は有料記事へと移行します。
1 損切りをしない理由概観
1.1 損切りする理由がないのです
著者が損切りしない主な理由は、下記8つです。
①損切りすると、連敗確率をわざわざ大きくさせることになるから。
②損切りした後、その次の取引で勝つ保証はどこにもないから。
③損切りすると、元の資金水準に戻すのさえ困難となるから。
④大勝負の機会を逃したくないから。
⑤損切りがうまくなっても、うまくなるのは口座資金を減らすことだけだか
ら。
⑥価格が上がることさえ予測できないのに、なぜ、損をする方向だけは的確
に予測できるのか意味不明だから
⑦インターネットで損切りを肯定する意見が多いから。
⑧損切りに代わる手法をいくつも持っているから。
2 損切りすると、連敗確率をわざわざ大きくさせることになる
10回連続で、FXに負ける確率は、
(1/2)^10=1/1024=0.09765625%
とかなり低い確率ですが、損切りという「負けを確定させる行為」を行うと、この確率はどんどん上がっていきます。連続9回損切りすると50%となり、元の連敗確率の512倍となります。
損切りして、わざわざ連敗確率をあげる必要性が
どこにがあるのですか?
3 損切りした後、その次の取引で勝つ保証はどこにもない
損切りした後、その次の取引で勝つ保証はどこにもありません。その次の取引での勝ち負けの確率は、それぞれ1/2です。
あなたは、次の取引で、また、損切りポイントに達したからといって損切りするのですか。
次の次の勝負でも、
また、損切りポイントに達したからといって損切り。
次の次の次の勝負でも、
また、損切りポイントに達したからといって損切り。
次の次の次の次の勝負でも、
また、損切りポイントに達したからといって損切り。
どこまで、この負の連鎖を続けるつもりですか?
口座資金がなくなるまで続けるのですか?
4 損切りすると、元の資金水準に戻すのさえ困難となる
今後の有料記事で公開します。
5 大勝負の機会を逃したくないから
口座資金が10,000,000円とし、
米ドル/円 160円、10000通貨:10枚 買建てたとします。
損切りポイントを159.5円に設定
しかし
米ドル/円が160円から120円に大暴落したときは、当然ロスカットは間に合わずスイスフランショックのように120円でやっと損切り注文がとおりました。
①買建てのみの片建ての場合(損切りあり)
損失額は
-(160-120)×10枚×10000通貨=-4,000,000円の損失
この含み損を「損切り」で確定させると
口座資金は
10,000,000円-4,000,000円=6,000,000円となります。
強制ロスカットには、かかりませんが、投資資金がかなり減ったため建てられる枚数は当然減少します。
しかも、損失を被った恐怖で買建てする勇気もないでしょう。
しかし、大暴落は絶好の買い場かつ大勝負のときでもあります。
それなのに、損切りにより投資資金が減り、損失の恐怖で買い向かうこともできないのです。この機会損失は計り知れません。
①-2 買建てのみの片建ての場合(損切りなし)
損失額は
-(160-120)×10枚×10000通貨=-4,000,000円の含み損
この含み損を損切りしなければ
口座資金は
10,000,000円のまま、-4,000,000円の含み損となります。
強制ロスカットには、かかりませんが、投資資金は含み損があるため建てられる枚数は当然減少します。
しかも、含み損拡大の恐怖で買建てする勇気もないでしょう。
しかし、大暴落は絶好の買い場かつ大勝負のときでもあります。
それなのに、含み損の拡大恐怖で買い向かうこともできないのです。この機会損失は計り知れません。
ところが、
②両建てかつ損切りなしの場合
買玉
損切りしないので損失は発生せず、含み損のみ
-(160-120)×10枚×10000通貨=-4,000,000円の含み損
売玉
(160-120)×10枚×10000通貨=4,000,000円の含み益
口座資金は、売玉を決済すると
10,000,000円+4,000,000円=14,000,000円、
含み損-4,000,000円となります。
この場合、口座資金は増え、
含み損を考慮すると、残りの使える額は、10,000,000円です。
損切りしないので、当然口座資金は減りません。むしろ、増えています。
しかも、損失の恐怖がないので、買い向かうことも当然できます。
①、①-2と比べ②の方がはるかに有利ではないでしょうか。
6 損切りがうまくなっても、うまくなるのは口座資金を減らすことだけ
損切りがうまくなっても、うまくなるのは口座資金を減らすことだけです。「正しい損切り」などありません。「正しい損切り」?いったいどこを見て何をいっているのでしょうか。確率で考えていたらそのようなことはいえないはずです。
損切りがうまくなれば、あなたは、口座資金を減らす達人となるだけです。
7 価格が上がることさえ予測できないのに、なぜ、損をする方向だけは的確に予測できるのか意味不明
読者は、価格が上がることさえ予測できず、つまり、FXで価格の上げ下げを当て、取引に勝つ方向を予測できずに困っているはずです。
それなのに、なぜ、損をする方向だけは的確に予測できるといえるのですか。
FXで勝つ価格の方向を当てるのと、負ける価格の方向を当てることは等価値です。つまり、それぞれの確率は、1/2ということです。
なぜ、負ける価格の方向を当てること、「損切りが当たるということだけが確実だと断言」して損切りポイントを置くのですか。著者には、はっきりいって意味が分かりません。
「損切りが当たるということだけが確実だと断言」して損切りポイントを置くことは、「利益が出ることだけが確実だと断言」して利益確定ポイントを置くことと、確率的に同じ意味です。
おかしいとは、思いませんか?
8 インターネットで損切りを肯定する意見が多いから
インターネットでは、損切りを肯定する意見が多い状況です。
損切りの肯定と否定の割合は、100:1といったところでしょうか。
このような情報の偏りは、特定の者が、特定の意図をもった場合以外おこりえません。通常であれば、いくら偏りがあっても70:30程度でしょう。
このような偏りが生じる原因は、店頭FX業者等のアフィリエイターの存在が原因です。
同じような状況は、海外FXにまつわる状況でも生じています。
それは、海外FXを安全だと主張する意見と危険だとする意見の割合です。
この場合は損切りよりもひどく、200:1となっています。
このような偏りが生じる原因も、店頭FX業者等のアフィリエイターの存在と同じく、海外FX業者のアフィリエイターの存在が原因となっています。
なぜ、このように情報を偏らせる必要があるのでしょうか。論理的に考えれば、その方がFX業者に都合がよいからでしょう。
では、業者にとって都合がよいとは何でしょうか。
これまでさんざん記事にしたとおり、それは「個人投資家が負ければ、業者が儲かって都合がよいから」と考えるのが素直ではないでしょうか。
以上のように、情報の偏りが見られる場合、それは個人投資家の損失によりFX業者が利益を得ることを目的としていると考えられるますので、その情報を鵜呑みにするのは危険であるがゆえ、著者はその情報の逆張りを行うということです。
なお、読者におかれましては、海外FXに手を出さないようにお願いいたします。GemForex事件にあるように、海外FXの実態は、日本人が運営する海外FX業社で、ほぼ日本人にだけサービスを提供しているとお考えください。
海外FXの危険性につては、また別の記事で解説します。
9 損切りに代わる手法をいくつも持っている
5でみたとおり、著者は「損切りに代わる手法」、例えば、両建てのみならず、様々な手法の引き出しを持っています。
それゆえ、わざわざ損切りするまでもないということです。