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テクニカル分析の遅行指標と先行指標 ~一目均衡表×フィボナッチ~
テクニカル分析は一般的にトレンドフォロー系とオシレーター系に分類されますが、遅行指標と先行指標という分類の仕方があります。前回有料記事(テクニカル分析の遅行指標と先行指標)で解説しましたが、今回は一目均衡表×フィボナッチの使い方に関して解説します。
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【テクニカル分析の遅行指標と先行指標】
(1)遅行指標
遅行指標は過去の価格データから分析する指標で、通常現在の4本値が確定した後で数値化されます。そのため、トレードサインなどはマーケットの動きの後に表示されることから、初動部分はトレードが出来ないとして、機会損失と考える方もいます。しかし、マーケットのモメンタム(売買の過熱感)を確認するため必要な指標です。
(2)先行指標
先行指標とは、過去の価格データを分析し将来の値動きを予測する指標といわれています。です。そのためマーケットの初動からトレードが可能となりますが、マーケットの動きの前に予想するため、ダマシにあったり、トレンド反転のサインと思われたものが、小さな戻しとなってしまう事があります。
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【一目均衡表】
一目均衡表は遅行指標に分類されます。過去記事で詳細解説しておりますので、ご確認ください。
大きな特徴としては、補助線(基準線、転換線、遅行線、先行スパン1、先行スパン2)といわれる5本から構成されており、先行スパン1と先行スパン2の帯を「雲」といい、現在価格の26期間前に描画されます。そして、基準線、転換線、先行スパン1、先行スパン2は、マーケットのサポート(支持線)&レジスタンス(抵抗線)となる場合があります。一目均衡表は、日柄(時間経過)を加味した指標とも言われております。
私が注視しているのは
(1)「三役好転(逆転)」
3役とは、①転換線と基準線のバランスで、転換線>基準線=好転・転換線<基準線=逆転となります。転換線=9期間の(高値+安値)÷2、基準線=26期間の(高値+安値)÷2で計算されます。その為、事前にいくらの値段が付くと好転になるか逆転になるか計算が可能です。②遅行線と26期間前ローソク足の値位置で、遅行線>26期間前ローソク足=好転、遅行線<26期間前ローソク足=逆転となりますので、26期間前チャートの高値・安値をチェックするとどのタイミングで好転になるか逆転になるかはわかります。③雲(先行スパン1・先行スパン2)と現在価格の状態で、雲<現在価格=好転・雲>現在価格=逆転となります。先行スパン1=(転換値+基準値)÷2、先行スパン2=(直近52期間の最高値+最安値)÷2が計算式となります。
この3つのバランスでトレンドを判断していきます。
(2)雲のネジレ
雲のネジレとは、先行スパン1と先行スパン2がクロスするポイントとなり、変化日と言われています。売り買いが拮抗している状態で、トレンドが転換したり、トレンドが加速したりすると言われています。しかし、経験則ですが、雲のネジレでマーケットが大きく変化するのは3割弱というイメージです。
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【フィボナッチ分析】
フィボナッチ分析は先行指標に分類されます。こちらも詳細解説は過去記事にありますので、ご確認ください。今回はメジャーな2つの分析です
(1)フィボナッチ・リトレースメント
安値と高値の値幅を基準として、「戻り」や「押し」をフィボナッチ係数(23.6%・38.2%・50.0%・61.8%・76.4%)で予測します。日本では、相場用語に「半値押し」・「三分の1押し」と言う言い回しがありますが、マーケット参加者の感覚を数値化したものだと考えています。
(2)フィボナッチ・エクスパンション
エクスパンションとは拡張という意味で、一つの波形(安値Aから高値B)後、調整の押しや戻りから、上昇(下降)拡張を計測します。計測はフィボナッチ係数(38.2%・61.8%・100.0%・161.8%)を使います。
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【一目均衡表×フィボナッチ分析の使い方】
テクニカル分析には、完全なものはありません。全てに強みと弱みがあります。しかし、遅行指標+先行指標を同時に分析する事で、双方の欠点を補いトレード精度は上がると考えています。そのため、一目均衡表はトレンド判別として利用し、トレードポイントの算出をフィボナッチ分析で行えば、トレードスキルがワンランクアップすると思います。
【最後に】
テクニカル分析には相性というものがあります。一目均衡表やフィボナッチ分析は、ドル円のように流動性の高い通貨ペアの相性がいいと思っています。また使い手との相性もありますので、違う遅行指標と先行指標を掛け合わせてみるというのも、是非研究していただきたいと思います。
今後も、FXの解説・分析をしながらトレードスキルをUPさせるために、トレードアイディアを交えながら配信を続けていきますので宜しくお願いいたします。
執筆 FXエバンジェリスト 遠藤寿保
日々変動するマーケット情報はX(旧Twitter)で配信しています。
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