『FXで大きな損を出してはいけない理由』～FXで最後に勝つために～

今回のテーマは、『FXで大きな損を出してはいけない理由』です。トレードは利益（儲ける）を出すのが目的なので、当然の事ではありますが、大きな損を出した後のトレードへの影響などに関して、解説します。

【「大きな損」の定義】

「大きな損失」の定義は、人それぞれです。10万円の損が大損と考える人もいれば、トレードコストと考える人もいると思います。
私の考える「大きな損失」とは、次のFXトレードに影響を与える金額です。
例えば、100万円の預入金額で、通常10万通貨（証拠金60万円）のトレードと考えた場合、損失額が40万円を超えると、残金が60万円を割り込むため、次に10万通貨のトレードが出来なくなりますので、「大きな損失」に該当します。

【次回トレードに影響を与える損失がNGなのか】

前章で「大きな損失」定義を説明しましたので、具体的に何故「大きな損失」を出してはいけないかという事を解説します。
100万円の資金で10万通貨のトレーをして、仮に50万円（5円幅の損失）の損失を出したとします。残金が50万円しかないので、次のトレードは8万通貨（8万通貨×6万円＝48万円）がMAXポジションとなります。50万円の損失を8万通貨で取り返すためには、6.25円幅の利益が必要になります。取り戻せない値幅ではありませんが、ポジションサイズが下がれば下がる程、大きな利幅を狙わなくてはなりません。これを繰り返すと、どんどんトレードに負荷がかかりますので、トレードで利益を狙う精度は低下します。

「一度に出す損失額は、1～2日ぐらいで取り戻せる範囲で行う」

【目標利益を具体的取引量で逆算】

簡単な損益計算になりますが、具体的な利益目標に対し何円の値幅が必要か計算します。
（設定）ドル円1万通貨＝証拠金6万円
①  100万円の預入額で16万通貨（証拠金96万円）のトレードが可能です。預入額の10％である10万円の利益を狙うとすると、10万円÷16万通貨＝0.65円幅の利益
② 50万円の預入額で8万通貨（証拠金48万円）のトレードが可能です。預入額の20％である10万円の利益を狙うとすると、10万円÷8万通貨＝1.25円幅の利益
③ 50万円の預入額で8万通貨（証拠金48万円）のトレードが可能です。預入額の100％である50万円の利益を狙うとすると、50万円÷8万通貨＝6.25円幅の利益

フルレバ（全ての資金を証拠金に使う→フルレバレッジの略）でのトレードの是非はともかくとして、可能性で考えると、ドル円における1日平均の上下（高値－安値）が、約1.3円なので、①②に関しては、1日の中で狙える利益幅となりますが、③においては1日では難しいという事が、ご理解いただけるかと思います。つまり、FXトレードにおいて1日で投資金を2倍以上にすることは、不可能に近いとお考えください。

【損切の考え方】

FXトレードは、全てのトレードで利益を目指しますが、100％利益になるものではありません。しかし、「損切り」に対しての抵抗感というのはあると思います。
一つの考え方なのですが、「損切りはトレードコスト」と考えてはどうでしょうか？
取引手数料・情報料・システム使用料・セミナー参加料・インターネット使用料などと同じと考えてください。そういった費用よりトレードによる利益が上回れば、収支がプラスと考えることが出来ると思います。なので、大きな損切りは出してはいけないのです。

【最後に】

FXで億トレーダーの方々が、勝率100％という話を聞いたことがありません。どんなにトレードが上手な方でも損切りはします。そして、損切りが上手な方がFXでの勝ち残り組になるのだと考えています。

今後も、FXの解説・分析をしながらトレードスキルをUPさせるために、トレード・アイディアを交えながら配信を続けていきますので宜しくお願いいたします。

執筆　FXエバンジェリスト　遠藤寿保
日々変動するマーケット情報はX（旧Twitter）で配信しています。
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