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『一目均衡表と向き合う』~毎日見続け27年~

今回のテーマは、『一目均衡表と向き合う』です。一目均衡表を真剣に見始めたのはFXと知り合った1998年からです。それ以前からも存在は知っていましたが、飽きずに、ほぼ毎日チェックしています。一目均衡表を簡単に解説しながら、どこに魅了されたかを書きたいと思います。


【一目均衡表とは】

戦後、「一目山人(いちもくさんじん)」氏が「新東転換線」を「一目均衡表」と改名。一目均衡表は、時間論、値幅論、型譜、スパンなどで構成されています。ローソク足と5本の補助線(基準線、転換線、遅行線、先行スパン1、先行スパン2)を用いて、相場の動きが一目でわかるようなインジケーターとなっており、海外のトレーダーにも「Ichimoku」として愛用されています。「買い方と売り方の均衡が崩れた方向に動く」という考え方に基づき時間的経過から将来の動きを予測するものとされています。各補助線は、抵抗線や支持線になる場合があり、「雲」といわれる抵抗帯が特徴で、雲と価格の位置関係や雲の厚さなどから方向性を探ります。

【一目均衡表に取りつかれてしまった】

最初はビジュアルが、「分析してるー」という感じで好きになったのですが、詳しく調べてみると、補助線の計算は意外とシンプルで、エクセルがあれば、簡単に計算できる事に気づきました。
一目均衡表は、よく現在値と雲の値位置で、雲に突入とか雲を抜けるという事が言われることが多いのですが、私は、転換線と基準線がクロスするタイミング(逆転→好転・好転→逆転)が、トレンド変化に一番重要ではないかと考えています。しかも、このタイミングは4本値さえあればエクセルなどで簡単に計算でき、何円なると逆転・好転するというのが先読みできます。
先読みが出来る事を知った事で、日々補助線の変化を注視する事になり、かなりな一目均衡表マニアになってしましました。

【一目均衡表のみどころ①「三役好転」「三役逆転」】

複雑に見える一目均衡表ですが、見方(分析)としては、5つの補助線が「三役好転」や「三役逆転」になっているかがポイントです。「三役好転」は強い買いシグナル発生・「三役逆転」は強い売りシグナル発生と言われており、トレンドを把握するのに有効だと思います。

三役好転条件
①転換線>基準線
②遅行線>26期間前ローソク足
③ローソク足>雲
三役逆転条件
①転換線<基準線
②遅行線<26本期間ローソク足
③ローソク足<雲

トレンドの変化は、短い時間軸から発生しますので、日足・週足・月足で見比べた時に、最初に変化するのは日足です。
あと、全ての時間軸に効果があると思っていますが、短い時間足になればなるほど、ダマシが発生しやすくなります。(トレンド系指標は全て同じです。)

また、レアケースなのですが、日足・週足・月足で同時に「三役好転」・「三役逆転」となる場合があります。この時の注意ポイントは、その滞空時間にあります。瞬間で解消した場合は、天井・大底のピークとなる可能性が高く、滞空時間が継続すると、かなり強烈なトレンドとなる場合があります。

【一目均衡表の見どころ②「雲」】

先行スパン1と先行スパン2のラインによる先行する帯状のものを「雲」といわれ、売り買いのバランスを意味するといわれています。
「雲」が厚いと、抵抗線・支持線としての効力が高く、逆に「雲」が薄いと、売り買いが拮抗して、ブレイクしやすいと言われています。
大きな流れとしては、先行スパン>先行スパン2となっている場合は陽転示唆(上昇基調)で、先行スパン1<先行スパン2となっている場合は陰転示唆(下降基調)とみます。

そして、「雲のネジレ」は変化日とされていて、トレンド転換orトレンド加速になりやすいと言われています。
「雲ネジレ」の変化日は、表示日ではなく発生日となりますので気をつけてください。

【一目均衡表の見どころ③「各補助線」】

一目均衡表における補助線は、転換線・基準線・先行スパン1・先行スパン2・遅行線と5本あります。遅行線を除いた補助線がサポート・レジスタンスになると言われています。しかし、一目均衡表は遅行指標となりますので、トレードポイントとしての効力は低いと考えています。その為、トレンドを把握するために利用することをお勧めします。

【一目均衡表の計算式】

各補助線の計算式
転換線: 9期間(高値+安値)÷2
基準線:26期間(高値+安値)÷2
遅行線:26期間後ろに描画
雲:26期間先に描画
先行スパン1 :(転換値+基準値)÷2
先行スパン2 :(直近52期間の最高値+最安値)÷2

計算式自体は意外とシンプルですが、パラメーターの設定には複数候補があるはずなので、電卓・エクセル・PCのない時代に、適正なパラメーターに辿り着くには、相当な時間がかかったのではないでしょうか。
4本値データ(始値・高値・安値・終値)があれば、転換線と基準線の変化をエクセルなどで計算し、好転・逆転のタイミングを価格によって先読みする事が可能です。

【一目均衡表における「ダマシ」】

一目均衡表においても「ダマシ」があります。特に、時間軸(1時間足以下)が短ければ短いほど「ダマシ」は発生しやすくなります。

「ダマシ」に対する考え方なのですが、日足以上の一目均衡表では、敢えて「ダマされる」というのもアリではないかと考えています。1か月・3か月といった一定期間において、トータルで流れが掴めるのであれば、「ダマシ」部分は、トレードコスト考えるやり方もあると思っています。
また、「ダマシ」を完全に排除する事は不可能なのですが、日足・週足・月足のバランスでダマシの可能性を見極める事は出来るのではないかと思っています。

【最後に】

この「FXメッソッド」でも度々登場する「一目均衡表」ですが、Xでは土日を除き日々「一目均衡表」の分析をポストしているので、是非ご覧になっていただければと思います。

今後も、FXの解説・分析をしながらトレードスキルをUPさせるために、トレード・アイディアを交えながら配信を続けていきますので宜しくお願いいたします。

執筆 FXエバンジェリスト 遠藤寿保
日々変動するマーケット情報はX(旧Twitter)で配信しています。
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遠藤寿保
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