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カウンセリングの未来について考えた話。

㈱ヒューマンリソースマネジメント研究所
なつカウンセリングルーム 代表
土肥なつみです。
「人生を彩る居場所をつくる」を企業理念とし、
起業研修・カウンセリング・人材育成コンサルティング等を行っています。
私の自己紹介はこちらのマガジンをご覧ください。

久々の更新です!
いや~!4~5月は忙しかった…(言い訳)
ゆっくりPCに向かって考え事をする時間も取れず、記事が久しぶりになってしまいました。
そんな今日のテーマは、「思ったこと」をテーマに最近の出来事を書いていきます。

高い交通費を払って絶望体験をした日

先日、6月3日に全国SNSカウンセリング協議会シンポジウム
「AI相談とSNS相談の今後について」に参加してきました。
「AIが拡げるSNSカウンセリングの可能性」という基調講演を受けたあと、AIを用いたカウンセリングのデモンストレーションを見学することができました。
場所は参議院議員会館。

はい、はるばる大阪から永田町までこれだけのために行ってきましたYo!!←

というのも、実は私、SNSカウンセラーという資格を持っています。
従来のカウンセリングでは対面をベースとして、それが叶わない場合に電話相談やweb相談をする、というのが一般的でした。
ですが最近は若者を中心に電話を使わない人も増えてきていて、電話相談そのもののハードルが上がってきていること、
LINEをはじめとしたSNS(テキスト)でのコミュニケーションが全世代とも増えてきていることから、私たちカウンセラーにもSNS相談ならではのスキルと知識が必要になってきています。

私も以前からSNS相談にめちゃめちゃ興味があって、キャリコンの試験に合格した直後にこちらの試験も受けました。

対面大好きな私ですが、それでもやっぱり対面相談って「そこにたどり着けた人だけのもの」という感じがするんです。
お金があったり、時間があったり、たまたま誰かの伝手で紹介してもらったりして“たまたま”カウンセラーにたどり着いた人たち。

今もモチロン、自分の仕事は社会の役に立ってるって思ってるけど、
それでもまだまだ相談に結びついていない人たちが社会の中にはたくさんいる。

私はキャリアとか仕事関係のカウンセラーなので、
たとえば「働きたくても働けなくて、家でずっと寝込んでる」とか
「職場の人間関係が辛すぎるけど、もはやどうしていいか分からない」とか
そういう深刻な悩みを持った人ほど対面相談には繋がりにくい(外に出れないから)。

公共・民間含めて世の中に本当にびっくりするくらい支援機関があるのに、全然つながってない。
何らかの事情で外に出られない、人に話すことが出来ない人が少しでも支援機関に繋がって欲しいなって思いがあって、
今、皆が等しく使えているであろうLINE(SNS)を使った相談に興味を持ち始めました。
そして資格を取った今、とある団体でSNS相談員としても活動をしています。

ただ、やってみて感じたのは、同じカウンセリングなのに対面とは全く別物だなってこと。
非言語情報が全く伝わらない、伝えられない分、応答(繰り返し)よりも質問の質が問われるということ。
SNS相談はありがたいことにログが残るので、先輩方の応答を見させて頂きながら日々研鑽しているんですが…

今回のシンポジウムで実際にAIのカウンセリングのデモンストレーションで見て、驚愕しました…

これ、私らいらんやん…

相談者の発言に対して共感の言葉がけはもちろんのこと、質問の切り口が「なるほどな~」と思わせるものばかり、というか、カウンセリングのプロセスを完全に分かってる感じ。
私より全然良い質問するやん。
そして、この応答がわずか2~3秒でできる。

相談開始の最初の一手ってすごく大切で、神経を使うもので、私も最初の一手にはかなり時間をかけてしまいます。
適切な応答も大切だけど、あまりにも相談者を待たせてしまうのも良くないんですよね。

それが、まるっと全て解決しとるやないか…!!

はるばる大阪から東京まで来て、自分の存在が必要なくなるのではという気持ちにさせられるなんて。なんて罰ゲームよ。
デモンストレーションを見ながら、そんな感じで戦々恐々としてました。

ただ、この時に講師の杉原先生がおっしゃったのは
「メンタルヘルスの相談は敷居の低さが重要」
ということ。

相談のハードルの高さとして
対面>電話>SNSという順番になろうかと思いますが、AI相談になるとさらにハードルが下がります。
相手が人間だと分かっているSNS相談と、AI相談では相談内容についても異なるそうです。
AI相談の方がより、話しにくい内容(自分の孤独感や性の悩みなど、自分の“恥”の部分にあたる相談)が多くなるとのこと。
相手がAIだと分かっているから、話しやすいんですよね。

そうして話をしていくうちに、相談者の悩み事が解決すればそれは最高だし、実はその後ろにより深刻な悩みやメンタル不調が隠れている場合は人間のSNSカウンセラーにつなげていく。
そしてそれが対面相談や病院の受診に繋がっていく、という流れになれば、
今まで支援機関や医療機関に繋げられなかった人たちも、もっともっと繋がっていくのではないか。
(特に深刻な悩みが増える深夜時間帯は対応できるカウンセラーそのものが不足しているのも事実)
AIをただ恐れるだけでなく、改めてカウンセラーの役割は何なのか考える時に来ている。
そんなことを思ったシンポジウムでした。

AIになくて人間にあるもの

AIは共感の応答、質問力ともに今の段階でほんとにすごい。
数か月も経てばSVレベルのカウンセラーをも超える質問力になると思う(もしかしたら今もそうなのかも)。
だけど、講演の中で杉原先生がおっしゃっていた、
「人間にあってAIにないもの」。
それは“身体”そして“こころ”

例えば相談者の話に対して、
「あなたの話を聴いて私は非常に胸が痛みます」
とAIが応答したとして。


オマエの胸どこにあるん!?って話ですよね。

今のところAIは「人間の感情を“理解している”」と関わるところにとどまっています。
実際にデモンストレーションの中でもAIは
「あなたが今とても辛い気持ちにあることは“理解出来ました”」という応答をしていました。

ただ、「相談者の目で見て、相談者の耳で聴いて、相談者の心で感じる」という追体験は人間のカウンセラーにしかできないんですよね(今のところは)。

カウンセリング、特にキャリアの分野になってくるとどうしてもセッショ中に問題解決の方に舵を切ってしまいがちになる私だけど。
相談者にとってもっともっと大切なことって
「自分と同じように悲しんだり悩んだり、寄り添ってくれてる感覚」
やんね。基本なんだけど忘れがち。

そういえば過去に受けたパワハラ相談で
「確かにしんどいけど、周りが状況を分かってくれてるだけでも気持ち的に楽です」って言ってる人いたなぁ…なんてことを思い出しました。

今の自分の関りって、ちゃんとそれ出来てるかな?

私の「こんなカウンセラーになるぞ」宣言

カウンセラーって影の存在であらねばならないみたいなことをいつか教わった気がして、今でもその通りだと思ってはいるんだけど、
さらに付け加えるとしたら「どんな色の影か」を今まで以上に明確にしておく必要があるな、と思いました。
言い換えるならば「カウンセリングを通して、何をなし得たいと思っているか」
影と言えども、自分の使命感のようなものをちゃんと持っていて、それにはちゃんと温度があって、「私はこういうカウンセラーです!」って皆に分かるような、なんかそういう人でいたいなと思いました。

私の、そして自社の理念は「人生を彩る居場所をつくる」です。
皆が働くその職場が“人生を彩る居場所”になるように
それが研修でもカウンセリングでもコンサルティングでも、はたまた現場で一緒に身体を動かしてでも
(↑そう、カウンセリングに限ったことではないのよね)
世の中がそういう職場でいっぱいになるように
今日も私はお仕事頑張ります。

<あとがき>
ちなみに私もAI(chatGPT)は毎日のように使ってます!
研修のコンテンツのヒントをもらったり、noteの構成考えてもらったり、SNSカウンセリングで行き詰った時にプロセスを進めるアドバイスをもらったり、あと研修のグループ分けだったり
あらゆるところでめちゃめちゃ助かってます!
AIが組み立てた骨組みに、自分は体温を乗せていく、みたいな使い方してます。
AIの分野はほんとに興味があって、これからも自分の仕事にどんどん役立てていきたいと思います。
勉強会とかあったら誘ってね(´▽`)


最後までお読みいただきありがとうございました。
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