DOKILI
お話は全部バッドエンドが好きでした。私だけが苦しかったわけじゃないって教えてくれるリアルがそこにあったから、お話は全部バッドエンドが好きでした。美しい言葉とは裏腹に残酷な最後を辿る運命を目の黒で辿る度に、幼い頃の私は好奇心を揺さぶられ、興奮しました。
ある時 人を誘惑する悪魔の姿は美しいと聞いたことがありました。ドクン、と管が跳ねる1拍。脳からつま先まで毒でとろけてしまうような感覚に襲われ目を奪われてしまう存在。私にとってはとても特別なものです。いくら見た目が美しくてキラキラ光る砂糖菓子のようなものでもひとかじりすればその身体は砕け、己の口内を蝕んでいく。世の中には惹かれてはいけないもの、という物も確かにあるということです。
海外のアーティストの作品で肉テントというものを見てしまいました。うーん、あれで一軒家まるごと作りたい。気になる人は閲覧注意です。ちょっと気持ち悪いかも
小学生の頃に住んだ一軒家が本当に私は嫌いでした。窓は十分にあるのに、庭の木やら隣接している建物のせいで年中陽の光が差し込まなかったからです。真夏でも凍えるような廊下はいつか私を食べてしまうんじゃないかと本気で思っていたし、実際怪物の口の中にいるようなジメジメと湿った空気が漂っていました。夜中名前を呼ばれたり、金縛りにあったり、死んだ犬の鳴き声が庭の下から聞こえてきたりとても不思議な家でした。
話ちょこっと戻ります。
皆さん足立区の朝倉画廊ご存知でしょうか。一軒家がまるごと芸術品になっているおうちなのですが昔の私はそれはというほど痺れまして。私も肉塊ハウス、作りたいです。怪物の口の中みたいな家、作りたいです。ぅー。入場料500円。おめかしした蝋人形を廊下にズラーっと並べてクラシックをかけてお出迎えして欲しい。私の理想を表現するには技法がいくつあっても正直足りません。物 人 方法 全て揃えても表現できるか分からない。悔しい。腹が立つ。
少女、宗教、縄、肉体、シャンデリア、細くて白い指、首の回る猫、言葉、蝶、鉄、球体関節、黒髪、羽、酸えた葡萄の香り、赤い靴、廃墟、十字架、百合の花、固めのプリン、フリル、革のソファ、映画、珈琲、真珠、コルセット、凶暴な心、セーラー服、彫刻、階段の踊り場、執着、蛸、メリーゴーランド、パイプオルガン、人体模型、古城、吸血鬼、歌、ノック音、約束、夢、歯、ピエロ、硝子、ストロベリームーン、牙を抜いた蛇
以上私がトキメいて堪らないと思う物達でした。
貴方がトキメクものは なあに。
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