猫の僕らが紡ぐおっとり父さんとあわてんぼう母さんの物語 1
こんにちは。ぼくら猫のまるとゆきです。両方とも男の子です。といってももう8歳だから、シニアになるんだそうです。ま、気分はまだ子供だけどね。
これから僕らが3か月で貰われてきた家の、とうさんとかあさんの日常をちょっとだけ書いてみるね。よろしくお願いします。
とうさんは何しろおっとりしています。何があってもあわてない。僕らのことも叱ったり声を荒げたりしない、優しいパパさんです。それに引き換えかあさんはいささかあわてんぼうです。今もとうさんのチョコレートを盗み食いしようとして、あわてて包み紙のまま口に入れてました。見ちゃったもんね。かあさんはちょっと厳しいです。とうさんみたいに甘くないけど、いつも「かわいい、かわいい、うちの子、大事な子、いとしい子、ママの子。」って呪文をかけるので、僕ら眠くなっちゃうんだなあ。
そのおっとりとうさんが自転車のカギを2つともなくしました。とうさんはすこぶるいい人だけど、細かいものの管理とかはとても苦手で、よくパスワードも忘れて、かあさんに「僕のパスワード知らない?」と尋ねては、「知ってるわけないでしょ。知ってたら大変でしょ!」と怒られています。
かあさんは粗忽ものだけど(と本人が言ってた)、何かをなくすことはめったにありません。けちだからだそうです(ととうさんが言ってた)。だから、家で何かなくなった時には必ずかあさんが見つけ出します。たまに僕らがおもちゃにしてた古ーいお菓子とかも見つけ出して、ため息をついてたりします。
今回もいよいよ2つともなさそうだ、ということで、かあさんが思いつくところを探しに探したけど、やっぱりない。かあさんはお友達にまでどうしたらいいのかを聞いて、「〇〇さんは自転車屋さんまで引きずっていったみたいよ。でも重いからおすすめしませんだって。」ととうさんにアドバイスしたんだよ。なかなか親切でしょ。でもとうさんは馬の耳に念仏っていうの?あまり聞いていないみたい。そしていざ「じゃあ出かけるから!あ!自転車のカギがないんだった!」と地団太を踏んでいます。かあさんはこんな時は泰然と「じゃあ歩いてこい。」とにやにやしています。
僕らの家には子供っていうの?はいません。二人と二匹で4人家族だそうです。自転車の一件はどうなるかわからないけど、僕らは暖かく見守るだけです。
じゃあ今日はこの辺で、バイバイ!とうさん、カリカリちょうだい。
ゆき&まる