コペンハーゲン式デザイン思考とは ~やさしい共創のやり方~
ふうとです。
平成最後の夏の最初で最後の夏らしい思い出としてロッキンに行きました。個人的ベストアクトはHYDEです。かっわいた〜風をからませ〜〜 ぅあなたを連れてくのっさ〜〜↑↑
さて今回は弊スタジオでこんなイベントを開催し、それに参加したのでレポートを書きます。公開が遅くなったのはぜんぶ夏のせいです。
講師として、CIID卒業生である木浦さんをお招きしてコペンハーゲン式のデザイン思考を学びます。デザイン思考はよく聞くけど、コペンハーゲン式とは?
曰く、People Centred Designであるとのこと。
・人々を巻き込む
・人々から着想を得る
・全ての人々を考慮する
製品・サービスのユーザーだけではなく、そのユーザーに関わる全ての人々を巻き込んで価値を生み出すことに重きを置いているそうです。User Centered Designよりも範囲を広く捉え、より人々を巻き込んでいくスタイル。
誤字じゃないからね!
ワークショップ内容
ワークは木浦さんが用意したフレームに沿って進みました。1チーム3~4人。初めましての人とのワークは個人的には楽しくて好きです。
チームビルディングを挟んで、実際のワークが始まりました。今回のテーマは旅行。インドアな僕にとって難しいテーマですが、張り切っていきましょーー👊
テーマである「旅行」という言葉から、思いつく単語を付箋に書き出していきます。僕から出たのは「予約面倒」「遅刻しがち」「物落としがち」など、マイナスイメージがたくさん出ました。
それぞれの単語を共有しつつ、それらをグループにしていきます。僕たちのチームでは、時間軸(旅行前、旅行中、旅行後)で配置した上で、そこからより具体的に分類してみました。
" 面白い分け方と言われ、全体に共有する様子 "
旅行に対するイメージがチームで共有できたところで、インタビューの準備をしていきます。僕たちのチームでは誰と行くことが多いか(1人で旅行する、友だちと行く、恋人と行く)がバラバラで面白いと感じたため、「自分の目的を最大限楽しむために誰と行くべきなのか」をリサーチテーマとしました。
リサーチテーマを決めた後、キークエスチョンを3つ考えます。ちなみに、僕のチームはこのような質問を用意しました。
・もっとも近い/遠い/金額が高い/安い旅行は?
・それらの旅行は誰と行ったのか?
・それらの旅行の計画をどう立てるか
質問の骨子が決まったら、インタビューです。それぞれがインタビュイーとインタビュアーを経験できるよう3セッション行いました。1セッション20分、長いようで短い。
どんな質問をするかは決まっているものの、やはり会話になるとなかなか上手く聞き出すのは難しいですよね。僕自身、あまりインタビューは慣れていないのでドギマギしてしまいました。
インタビュー内容をチームで持ち寄り、気づきをカテゴライズしていきます。だんだんとユーザーが抱えるインサイトが見えてきました。
"インタビューの議事録 "
得られたインサイトで重要そうだと考えたのはこれら。
旅行とは、お金や時間のかかる大きな決断ではあるが、予定はあまり決めず行き当たりばったりな旅に憧れる(が、現実問題できない)
誰と行くかは決まっていて、いつどこに行くを擦り合わせたのちに何をするか決める
僕らのチームでは、何か目的があって誰と行くかを決めるという前提で考えていたため、2つ目のインサイトは大きなものでした。あくまで仮説は仮説、ユーザーに合わせて柔軟にアップデートすることが必要である、これをワークで体験できて良かったと思います。
インサイトからサービスのゴールを定めていきます。木浦さんが言うには、広過ぎても狭過ぎてもダメ。適切なゴール設定が必要になります。
さて、各チームのゴールが定まったところでアイデアを出していきます。ここが今回、1番驚いたし楽しかったプログラムです。
何に驚いたか?それは手法です。
ファシリテーターを決めて、それ以外の人は他のチームに移動するのです。他のチームに出向し、ゴールの共有だけ受け、アイデアを出します。まったくバイアスの掛かっていないフラットな状態の意見が大切であるとのことでした。
無意識下に絶対そうだと思ってしまっているものを疑うことは難しいです。普段の業務でも、バイアスの掛かっていない意見をうまく取り入れることを意識して行きたいですね。
アイデアを出すブレインストーミング。こんなことを意識しながら取り組みます。
・質より量
・アイデアの良し悪しは判断しない
・突拍子も無いアイデア大歓迎
・絵に描く
アイデア出しは3分ブレスト+5分シェアで2セット。同じことをチームを組み替えてもう1度やりました。
さて、そうすると各チームいくつものアイデアの種が生まれます。全員、元にいたチームに戻り、種をもとに形にしていきます。
" たくさんのアイデア "
さて、先ほどのアイデアの種から1つを具体的にしていきます。
まず僕らが行ったのは、投票です。ベースとするアイデアを決めていきました。ものの見事に意見が割れて、残ったのはこれら。
・行きたい場所のイメージを絵にしてもらい、その絵から旅行先を提案する
・好きな音楽を分析し、ルーツだったりアーティストの出身地から旅行先をレコメンドする
・一緒にいく人とのトークを分析し、最適な旅行先をレコメンドする
・旅行に行く人たちの友人がその人たちにあった旅行プランを考える
下の3つに共通しているのですが、その人の行動履歴(音楽、トーク履歴、友人との間に積み上げた信頼)をもとに、自動でレコメンドしてあげるサービスが良さそうだと考え、サービスを詳細に落としていきました。
実際に埋めた項目はこんな感じ。
概要
・名前
・説明
・想定ユーザー
・ユーザーにもたらす価値
・サービス提供者の役割
ポジショニング
・個人対象/集団対象
・漸次的/急進的
・既存サービスに依存/日依存
シナリオ
・プロダクトを使用するユーザーのストーリー
・プロダクトの置かれたコンテクスト、プロダクトの使用による効果など
フレームワークを用意してくれるので、どのチームも着々と埋めて行きます。これをしっかりと埋め、最後のプレゼンへと進みます。
今までのワークから導いた渾身のサービスをプレゼンします。
このようなイベントだと質疑応答があまり出ないイメージがあるのですが、どのチームでも質問がたくさん出ていた印象です。それだけ参加者が前のめりになれたイベントだったのではないでしょうか。
プレゼンも無事に終わり、総括ということで全員で円になり総括を行いました。
" コペンハーゲン式のミーティング "
なかなか全員が円になって話すことって少ないですよね。円になったからなのか発言がしやすい空間になっていたと感じました。講師と受講者の関係だとどうしても1対多になってしまいがちだと思いますが、1対1対1対...と対等な視線で発言できたのではないでしょうか。これぞコペンハーゲン!
最後に感想
作り手としての働きを経験できたのはもちろん大きいですが、インタビューされる、フラットな状態で会議に参加する、そんな気持ちを知れたのが個人的には大きな気づきでした。違う視点をどう取り入れるのか。どう外部を巻き込むのか。それらは今後も意識して行きたいです。
最後にコペンハーゲン式とは何か。
一緒に作り上げる。ポジティブな言葉で仲間を繋いでいく。何よりその心持ちこそがコペンハーゲン式なのかなと思っています。
・うまくバイアスを取り外してあげる
・気兼ねなく発言ができる
・そのプロジェクト/取り組んでいることに熱中できる
こんな空間を作れたら、やさしい共創ができそうだ。
大事なのは実践してみること。さっそく使えそうな案件を見つけて、取り入れていきたい。
みんなもレッツ コペンハーゲン!!
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