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福岡スタートアップ地図2022公開〜天神ビッグバン1号誕生、J-Startup Kyushuに多くのスタートアップが採択〜

「福岡スタートアップ地図2022」の高解像度版はこちら

1. 2022年度版公開、スタートアップ数が大幅増加

F Ventures LLP(拠点:福岡県福岡市博多区、代表パートナー:両角将太)は、例年作成している福岡スタートアップ地図の2022年度版を公開しました。これまでは密集している状況を強調しておりましたが、今回は会社を表すピンを小さくし、より多くの企業を表示できるようにしました。高解像度版もあるので是非ご覧ください。

昨年度と比べて、福岡スタートアップは27社増、福岡に拠点があるスタートアップは10社増、スタートアップ支援施設も充実してきました。※増加した企業には、地図の範囲外から移転された企業も含まれます。

2. 天神ビッグバンにより新たな環境へ

 行政の動きとして、福岡市が主導する再開発事業「天神ビッグバン」プロジェクトの第1号として、天神ビジネスセンターが竣工しました。福岡天神の中心地にあり、交通アクセスが非常に良いです。入居企業にはジャパネットたかたをはじめとする大規模企業が入居しています。

天神の中心地にできた、天神ビジネスセンター

 また、福岡、名古屋、東京でシェアサイクルサービスを展開するCharichari(チャリチャリ) が、福岡エリアに電動アシスト自転車を導入しました。ポート数も増加し、福岡エリアの移動手段の一つとして、街中で赤いCharichariの自転車が多く見受けられるようになりました。

従来の車体(左)と新型の電動アシスト自転車(右)

 さらに、新型コロナワクチンの職域集団接種を、ゼロマチクリニック天神と弊社F Venturesが共同で行いました。2021年6月より開始し、多くのパートナーVCの協力の元、スタートアップの従業員や家族に向けて、ワクチン接種を完了することができました。

3. 資金調達、スタートアップの動き

日本のスタートアップ投資額の増加に合わせ、福岡での投資額も2021年度と比べて増加しました。2021年度に資金調達したスタートアップの中から、いくつかピックアップし、ご紹介します。

eスポーツ関連事業をする「RATEL」がシードラウンドで調達し累計調達額が1.2億円になりました。eスポーツの大会運営に加え、プロeスポーツプレイヤーから一般ユーザーまで使える、ボイスチャットアプリVOLBOXをリリースしました。

歴史を面白く学ぶコテンラジオを運営する「COTEN」が8,400万円の資金調達を実施しました。Apple Podcastランキング1位を獲得したこともあるメディアで、現在は世界史データベースを開発中です。

店舗向け顧客エンゲージメント支援アプリ 「toypo」を運営するトイポが調達し、累計調達額は5,700万円になりました。店舗単独のアプリではなく、toypoのアプリ上に店舗のミニアプリを公開する仕組みである。2022年3月には、居酒屋「ニパチ」などを運営する株式会社ヨシックスホールディングスに導入され、現在は福岡・佐賀の店舗で先行導入が行われている。

現場仕事向けSaaS「SynQ」を手がけるクアンドが調達し、累計調達額は1.2億円になりました。現場仕事に特化した遠隔支援ビデオ通話アプリ「SynQ Remote」をリリースして、様々な業種の現場で活用されています。

お魚サブスク「フィシュル」を運営するベンナーズは3,200万円の資金調達を実施しました。魚のフードロス削減を目的に、規格外とされる未利用魚も使用した、魚のミールパックを販売しています。

カイコ由来タンパク質を用いた経口ワクチンの開発を行うKAICOが、シリーズAの追加ラウンドとして2.6億円の資金調達を実施しました。KAICOは九州大学発研究開発型スタートアップです。2021年4月には特許出願し人用・動物用の実用化に向けて開発中です。

小型SAR衛星の開発・運用を行うQPS研究所がシリーズBで、ファーストクローズ38.5億円セカンドクローズ10.5億円、総額49億円の大型調達を行いました。2021年5月には衛星「イザナミ」により、民間としては日本で最高精細の画像を取得しました。2022年には衛星3号機〜6号機を打ち上げ予定です。

その他にも、chaintope、PECOFREE、KINCHAKU、workeasy、Postalkなどが資金調達を実施し、福岡全体で総額約63億円超の資金調達が行われました。

経済産業省により発表された、J-Startup KYUSHU

それから、J-Startup KYUSHUという支援プログラムが発表されました。経済産業省により2018 年より開始されたJ-Startupの地域版です。福岡からはトイポ、クアンド、neuet、RATELをはじめ、16社が採択されました。選定企業は、スタートアップの飛躍的な成長に向けた集中的な支援が受けられるようです。

4. オープンイノベーションなど、地元企業の動きも加速

続いては、オープンイノベーションやM&Aなど、様々な形で動きのあった福岡の企業の紹介になります。

西日本新聞は、取材網やメディア媒体など、自社のリソースを活用できることを特典とした、スタートアップ企業とのオープンイノベーションプログラムを実施。本年度は、「地域づくり」や「DX」をテーマに多数の企業が参加しました。最優秀賞には、焼酎×自治体をテーマにしたLocal Local株式会社がノミネートし、その他にも、他数の企業が受賞しています。

HRTechサービス”SHIRAHA”などを運用している、大分市のスタートアップ企業であるHAB&Co.は、医療・福祉業界への人材派遣などを行なっているトライトグループに買収されました。買収額は非公開とされていますが、数億円の規模と推測されています。

BtoB向けのSaaS事業を主軸に行う株式会社アイキューブドシステムズは、ベンチャーキャピタル子会社として、株式会社アイキューブドベンチャーズを設立しました。代表取締役には、アイキューブドシステムズで執行役員を務める山形修功氏が就任しています。

WEBデザインやマーケティングなどをサービスとしている株式会社ディーゼロは、株式の取得に伴い、株式会社Kaizen Platformの子会社に移りました。

5. ブロックチェーン熱の再来、動き方次第ではアジアのWeb3の中心地になりうるポテンシャルを持つ福岡市

弊社でもWEB3.0に着目し、この分野に関して、スタートアップへの投資やイベント開催を行っています。本節では、福岡で精力的に取り組まれている企業や市の事例を紹介します。

ブロックチェーン技術に関連するプロダクト開発を行う合同会社暗号屋は、暗号資産市場における分散型流動性供給システム「Choja」やNFT所有者のみ視聴する事が出来るデジタルメディアプロトコル「VWBL」の提供をしています。2022年1月にはIoTデータ取引基盤「PTPF™」を活用したスマートシティ化への取り組みが福岡市実証実験フルサポート事業に採択され、続々と新しい動きを見せています。

昨年11月、飯塚市で開催された「福岡県ブロックチェーンフォーラム」にて、飯塚市は、「世界をブロックチェーンでリードする都市・飯塚」の実現に向けて、「飯塚市ブロックチェーン推進宣言」の発出と「Fukuoka Blockchain Alliance」 の設立が発表されました。具体的な取り組みとしては、ブロックチェーンを主軸に置く新産業創出のサポートが想定されていて、現時点で、サウナトークンやブロックチェーンストリートなどの構想が計画されています。

また、Bitcoinのセカンドレイヤー技術であるLightning Network関連の開発と、企業向けブロックチェーン関連開発を行う株式会社Nayutaがあります。2021年12月にはB Dash VenturesとFulgur Ventures(ボストン)から1億3,671万円の資金調達を行いました。

さらに、日本最大の若者Web3コミュニティCryptoAgeの福岡支部として、CryptoAge Fukuokaが立ち上がるなど、熱狂を見せています。第1回のMeetupが2022/04/12(火)に、トヨタ九州運営のコワーキングスペースGarraway Fにて行われます。

CryptoAge Fukuoka初イベント

申込みはこちら→https://fb.me/e/6DYTNe2fu

そして、Web3に関しては、政府側でも大きな動きが見られました。自民党のデジタル社会推進本部 NFT政策検討PT(平将明PT座長)より、Web3やNFTビジネスに関して、ルール整備や規制緩和の必要性を提示するホワイトペーパーが公表されました。その中で、国家戦略特区におけるDAO特区、ブロックチェーン特区の指定を早急に検討すべきである、と触れられています。

とはいえ、施行まではずいぶん時間がかかってしまいます。1,2年も遅れをとってしまうと、手遅れになる可能性すらあると感じています。国内規制の壁により、Web3関連有力スタートアップの海外流出が進んでしまっています。危機感が迫る中、国家戦略特区である福岡市の今後の動きに希望を抱く人も少なくないのでは、と感じます。

6. TORYUMON ONLINE 6th 福岡開催予定

6/11(土)に日本最大級の学生・U25起業家向けスタートアップイベントTORUMON ONLINE 6thを開催いたします。約3年ぶりに福岡でのオフライン開催です。オフライン会場は感染症対策のため、人数を制限した招待制で、オンライン配信はどなたでもご視聴いただけます。 ぜひ日程を空けておいてください。

現在、運営スタッフとピッチ登壇者を募集しています。また、弊社インターンも募集しています。

過去の運営メンバーからは起業家やVCを多数輩出しています。また、過去のピッチ登壇者にはTimeeの小川氏をはじめとする学生・U25起業家が登壇し、イベント内でシードマネーを獲得することもありました。

お申し込みはこちらから
運営スタッフ募集中→https://forms.gle/6X4JxeHFHPvepP7EA
ピッチ登壇者募集中→https://forms.gle/sppvVvw85ppWSYVB8

最新情報はTwitter@TORYUMON_FVで発信しているので、ぜひご覧ください。

7. 調査概要

調査名:福岡市内スタートアップ拠点調査
調査期間:2022年1月~3月
調査対象:福岡市拠点のスタートアップ、スタートアップ関連企業等
調査方法:ネットリサーチ、スタートアップ支援施設へのヒアリング等

また本件に関するお問い合わせ等はSNSのDMなどで受け付けさせて頂きます。「スタートアップ」の掲載を目的とした地図ですので、掲載のご依頼についてご希望に添えない場合もございます。掲載依頼などは確認の上、次回のスタートアップ地図に反映させていただきます。

■対象スタートアップの定義
<定性的な基準>
単なる起業ではなく、新たなビジネスモデルによってイノベーションを起こし、短期間で急成長を目指すチームや法人
<定量的な基準>
・1つの自社プロダクトを軸に事業の成長を目指しているチームor企業
・株式による資金調達を行う予定、もしくは行ったことのある企業
・福岡で登記をしている企業、または福岡に拠点を持つ企業

(おまけ)福岡のスタートアップ情報発信について

また、Facebookグループにて、福岡におけるスタートアップ情報を日々更新しております。登録者数は2,400人を超えました。資金調達ニュースだけでなく、福岡スタートアップのリリースや提携ニュース、他県・海外スタートアップの福岡進出のニュース、など福岡のスタートアップにまつわる情報をあらゆる角度から投稿しています。Twitterでも発信をしています。少しでも福岡の事情に興味がある方でしたら、よかったらぜひ登録されてみてください。

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