「TORYUMON TIMEE NIGHT」〜若き起業家たちが語るリアルと未来への挑戦〜
2024年10月17日、「TORYUMON TOKYO 2024 IGNITE」のサイドイベントとして、タイミーの小川氏と燈の野呂氏をお招きし「TORYUMON TIMEE NIGHT」を開催しました。
当日は、学生起業家やこれから起業を目指す若者たちが多数集結、大盛り上がりでした。今回は、当日の小川氏と野呂氏のセッション内容を記事形式でお伝えいたします。
ー学生起業を経て、第一線で活躍するお二人の経歴はこちら。
株式会社タイミー 代表取締役 小川嶺氏
1997年4月13日生まれ。立教大学経営学部卒。様々なアルバイトを掛け持ちする日々の中で「応募から勤務、報酬の受け取りが一つのアプリで完結できたら」と感じ、スキマバイトアプリ「タイミー」を開発。2018年8月10日よりサービスを開始した。「一人ひとりの時間を豊かに」というビジョンのもと、様々な業種・職種で手軽に働くことができるプラットフォームを目指す。Forbes JAPAN発表の「日本の起業家ランキング2024」では2位にランクイン。趣味は将棋で認定3段の腕前。2024年7月26日(金)に、東京証券取引所グロース市場へ新規上場を果たし、ユニコーン企業を創業した起業家となった。
燈株式会社 代表取締役 野呂侑希氏
東京大学工学部。高校1年次にYahoo! Open Hack Uで審査員特別賞受賞。
東京大学入学後、東大松尾研究室主催のGCIで優秀賞受賞。松尾研究所にて、上場企業様とのAIプロジェクトにエンジニアとして参画、企業様への共同研究の提案、コンサルティングに従事。2021年燈株式会社を創業、CEOに就任。『Forbes JAPAN 30 Under 30 2022』受賞。
―学生起業において起業家が意識すべきことは、なんでしょうか?
小川氏:学生だからできることをやった方がいいですね。まずは、一つのビジネス・ビジネスモデルを考えましょう。ただ、アイデアを考えた時に、『アイデアに価値はない』と言われるじゃないですか。それを実際に実行して遂行するってエグゼキューション能力ってのが一番重要な能力なんですよね。そして、それをエグゼキューションするためには、社長の能力とチームの掛け算が必要なわけですね。
小川氏:エグゼキューション能力で言うと、自分たち学生よりもマッキンゼーの人が起業した方が絶対優秀なんです。その人より優秀ですっていう人は起業やめたほうがいいぐらい客観視できていないと思っていて、それはまず理解した方がいい。
野呂氏:小川さんが言ったように、学生には優秀なポテンシャルがあると思うんですけど、知識なんかなくて、基本的に業界詳しい人はいないと思っている。だからこそ、実際に現場に行ってみる。その中でニーズありそうなものを探す。それは相手の担当者とか話してくれた人の表情とかそういったものから。自分は、建設業とか製造業とかそういうところに踏み出してやってきたみたいな感じですね。
小川氏:初めてもらった月の給料が私が7万で創業メンバーが5万。月ですよ。それで、みんなで寝泊まりして、一緒に住んでたみたいな。絶対にマッキンゼーの人じゃ無理ですよ。こういった強みを生かすのが大事。
野呂氏:僕の創業した時の給料は、そもそも0円でした。一年間0円で次の年が月20万ぐらいで僕四年間ぐらい家なかったんで、19歳の時に家を追い出されて、そこからは友達の家に泊めてもらったりとか、マクドナルドで夜を過ごしたりとかで。その中で紆余曲折をへて起業できてオフィスに泊まって、そこから二年半オフィス生活していました。
―日本の将来とそれに対して取り組んでいくことは?
野呂氏:インターネットとか、AIの時代になって日本のこれまで強かった製造業とかが、非常に競争優位性がなくなってきている。どんどん抜かれてるみたいなところがあって、そこをどうにかしたいというのを思いとして持ってます。
野呂氏:東大前にうち、東大生向けに広告出してるんですよ。駅広告を。僕、「 JAPAN AS No.1」って書いたんですよ。そしたら炎上してて、衰退国家みたいなだなと。マインドセットがまずいなと思っています。でも、ワールドカップで日本優勝しろとか、大谷翔平だったら、世界一になってくれみたいな雰囲気なのに、ビジネスだとこうなんですよね。
小川氏:私27歳で、2100年まで生きる自信があるんですけど、2100年って自分は103歳ですね。皆さんも生きてますね。103歳。2100年の日本の人口って5000万人切ってるんですよ。5000万人を切ってるって、どれぐらいやばいことかって話なんですよ。消滅可能性都市と言われてる町が全部消滅しますよね。
小川氏:タイミーとしては少子高齢化っていう大きなトピックスがあって、人手不足倒産とかがある中でタイミーを通じて今までユーチューブ見たりとか、ネットフリックス見ていた隙間時間が誰かの本当に困っている時間の手助けができるっていうサービスを作ったわけで、時間のマッチングってものすごく価値があると思って。
小川氏:本当にシングルマザーだったりとか。主婦の方だったりとかで子育てがあって、大変だった時にも隙間時間働くようになったと、ものすごく大きな経済価値を生み出したっていうのがこのタイミーだという風に思ってます。
―事業展開における工夫や転換点はありましたか?
小川氏:自分が思いついたときに既にやってるサービスがあったんですよ。それで、そのサービスで実際に自分が働いてみたんですよ。そのサイトに、大手コンビニで働けますって書いてあって。『じゃあ今日の17時から働こう!』と思って応募を12時ぐらいにしたんですね。そしたらなんか承認されないと働きに行けないんですよ。
小川氏:よくよく聞いたら結局大手コンビニの店長は忙しくて管理画面見る暇ないから承認ボタンが押せないわけですよ。だから別に誰が来てもよかったのに、承認ボタンを押せなかったから『ギリギリになっちゃってごめんね』みたいな。『そもそも選考ってプロセスいるのか?』みたいな承認ボタンいらないんじゃないかと思って、タイミーは承認ボタンをなくしたんですよ。
―既存のサービスとの差別化についてどうお考えですか?
小川氏:アイデアを思いついた時に調べますよね?皆さん多分『競合あるかな?』出てきちゃうじゃないですか、だいたい。似たようなサービスがあるとか海外にあるとか色々あるじゃないですか。でも、それで諦める人は二流です。そのビジネスに本当に惚れていたら諦めない。もう心から惚れていたら、なんとか差別化を見つけたいと思うわけですよ。絶対この社長よりも私がやったら上手くできるだろうっていうふうに沸いてこないと、多分それはそのテーマがその起業家に向いてないんだろうなと思っています。
―経営者として様々な役割を担われていますが、その考えをお聞かせください
小川氏:私は創業の時はCFOがいなかったんで、20億円の資金調達まで全部自分でやりました。そこからCFOが来て、CFOに資金調達とか上場準備を受け渡しました。そこから採用を強化しなくちゃいけなかったんで、従業員100人から一気に300人、500人で今1200人になりました。
―日本の産業の強みについてどうお考えですか?
小川氏:食とIPかなっていう気がします。やっぱり日本食は強いですね。あとはやっぱりアニメの力がものすごく強いと思っています。この二つは世界で通用します。
野呂氏:ものづくり系ですね。根強くトヨタとかそういう製造業とか引き続き強さ、技術としては少なくともありますし、建設とかもなんかスエズ運河とかって日本のゼネコンとかが施工をやったりとか、いろんな世界的に日本の技術っていうのは世界一ってまあよく言われてるので、安全品質も含めて、そういうものづくりみたいなかつ職人がいる領域は強いんじゃないかなと思ってますね。
―起業家として、目標になる存在はいますか?
野呂氏:僕は最初、ある起業家になりたいとかロールモデル的な人とか時価総額的に大きい人とか、そういうの憧れたんですけど、いろんなタイプの経営者がいるというのを、いろいろお会いさせていただく中で感じて、自分には自分にしかならないことを知って、そこから自分のスタイルでやろうというふうに変わった。
―最後に、若い起業家へのメッセージをお願いします
小川氏:何事も言語化して可視化することは重要なポイントかなと思います。刺激を受けることがあれば、ちゃんと振り返りをして、自分はどうすればいいのかってことを考えるってのは、非常に重要なポイントかなと思っています。
野呂氏:絶対に勝つっていう気持ちを持つことが一番重要だと思っています。創業して一日目から、僕が上場した時の社員へのスピーチで何話そうかっていうのをずっと想像してて、その時から将来に対しては楽観的だったし、強気のマインドを持ってた。今もそれは変わらない。
イベントを終えて
多忙なスケジュールの中ご登壇いただいた、タイミーの小川氏、燈の野呂氏に心より感謝申し上げます。お二人からは、起業時の苦労話から経営哲学、そして日本の未来に向けた熱い思いまで、普段なかなか聞くことのできない深い洞察と経験をお話しいただきました。特に印象的だったのは、「学生だからできること」を強みに変える視点や、「本気で事業に惚れ込む」ことの大切さなど、実体験に基づいた示唆に富むメッセージでした。
また、セッション後の交流会では、参加者の皆様と直接対話いただき、より具体的なアドバイスや励ましの言葉をいただけたことは、これから起業を目指す方々にとって大きな財産となりました。
今回の、「TORYUMON TIMEE NIGHT」は「TORYUMON TOKYO 2024 IGNITE」のサイドイベントとして開催されました。最後に「TORYUMON TOKYO 2024 IGNITE」の詳細をお伝えさせていただきます!
TORYUMON TOKYO 2024 IGNITE
国内最大規模のU25世代向けスタートアップイベント「TORYUMON TOKYO 2024 IGNITE」を2024年12月21日(土)に東京・ベルサール渋谷ファーストにて開催いたします!
次のタイミー小川氏になりたい人、起業に関心のあるU25の方、ぜひご参加ください!
参加登録:https://t.co/FjW6B4bskj
日時:2024年12月21日(土) 12:15〜19:45
場所:ベルサール渋谷ファースト(東京都渋谷区)
参加費:無料
対象:学生・U25の方
TORYUMON公式HP:https://toryumon.jp/toryumon-2024-ignite/
イベント概要詳細:https://x.com/TORYUMON_FV/status/1859434057362190424
今後も、次世代を担う起業家の皆様に向けて、実践的で有意義な学びの場を提供してまいります。引き続き、ご期待ください!