音楽を"弾く"
学校で習うリコーダーや鍵盤ハーモニカの類を除いて、能動的に楽器に接した初めての経験は「エレキベース」でした。GLAYのコピーバンドをやりたかったけれど、歌は上手じゃない、ドラムは叩ける気がしない。では、ギターかベースか?という選択肢に絞られたときに「4弦しかなくて単音弾きだから、ベースのほうが簡単だよね」という、ありがちな理由。
K-garageの初心者セット、黒のジャズベでした。GLAY「DRIVE」のバンドスコアで練習。ベースJIRO氏のToPDoGの音を真似して弾こうとするのだけれど、まあ初心者なので全然思うように弾けませんでした。インターネット黎明期ではありましたが、GLAYプロデューサーの佐久間正英氏がHPを開設していて、そこに掲示板があったので質問を書き込みしたりしたものです。今でこそ、著名人によるSNS活用は一般的ですが、当時は画期的でした。
脱線しましたが、初心者ベーシストの話に戻します。そんなこんなで高校入学後に軽音楽部に入部。名もなきバンドのベーシストとして、LUNA SEA「TRUE BLUE」を弾いたのが初ライブデビューでした。フレーズは超シンプルなんですが、BPMが200超えなんです。8分の駆け上がり系フレーズに苦戦したのが良い思い出です。ああ、懐かしい。どうやったらあんな風に粒立ちのいい音になるのか、めっちゃ悪戦苦闘しました。音の輪郭を丸くするために、竿本体のトーンスイッチOFFにして、アンプのBassをフルテン。モコモコを飛び越えてスカスカの音で弾き、「なんか違うんだよなー」と悩みは尽きませんでした。
そう考えるとベースを始めた当初から、音作りに結構拘っていたんだなと思います。まあ、竿やアンプや足元以外でも、弾き方のニュアンスやらピックなのか指なのかでもだいぶ変わることを徐々に学んでいくわけです。左手の運指がうまくいかなくて、指の根本の水かきをハサミでちょんぎってやろうと本気で思ったこともありました。恐ろしい子でしたね・・・。
まあ、なんだかんだで楽器で始めてから1年くらいが、発見の連続で一番楽しい時期だったかもしれないです。
K-GARAGEの次に買ったベースは、確か4~5万くらいのGrass Roots。「粒立ちの良い丸みのある音を出したいです!」と、そんな風に言ったかは覚えていませんが、いろいろ試奏させてもらう中で、lowが結構強めに出たのが決め手でした。ラルクの「FLOWER」「HEVENS DRIVE」「DIVE TO BLUE」「STAY AWAY」、JAM「DAY DREAM」「そばかす」「OVER DRIVE」などなど。コピーバンドでいっぱいやったな。GLAYは?ということで、軽音楽部の仲間にはGLAYよりもラルク派が多かったので、GLAYをライブでやった記憶はありません。
そんな感じで1年くらいJ-POPのコピバンやってると、「洋楽を聴いている先輩」に憧れるようになるわけです。Mr.BIGやBonJoviのような比較的とっつきやすいところから、メタリカ、メガデス、DREAM THEATERとゴリゴリテクニカル系に走っていくことになるのです。
そんな経緯で、3本目のベースは、MUSICMAN(USA)のstingrayでした。ハードケース開けたときの香り。高級感やばかったです。先の話になりますが、手放してしまったことは後悔しかないです。
さて、stingrayを手にした頃にはコピーバンドにも飽き始めており、with9(多分わかる人にはわかる)というバンドメンバー募集サイトで、「オリジナル曲、プロ志向バンド」を組むことになるのです。