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勝てるデザイン養成ギプスを何としても受けたい
Twitterで漫画を書いたり、デザイナーをしたりしているmago(屋号)といいます。
普段はこんな絵を描いたりしています。
2月中旬、私はLINEで次のようなメッセージを受け取った。
【若干名】「勝てるデザイン養成ギプス」メンバーを募集開始します。
LINE自体は、登録している人全員が受け取れるメッセージだったのだが、わたしには、まるでそれが私だけに送られた招待状のように思えたのだ。
勝てるデザイン養成ギプスとは
詳しくは前田さんの書かれた以下のノートを見てほしいのだが、
要するに、任天堂出身で何かオモロいデザインをしている前田さんというデザイナーさんが、つきっきりでデザインを鍛えてくれるのだ。
なぜそんなに受けたいのか
表題に書かせてもらった通り、私はこのプログラムを何としても受けたいと思っている。
年甲斐もなく。地方デザイナーという不利な状況も鑑みず。人を押しのけてでも。
なぜかというと、
今の自分に納得がいっていなくて、悔しいからです。
それはどういうことかっていうのを、これから説明しますね。
自分はどんな人間か(来歴)
農学部に通っていた時代に、販売まで考えられないもどかしさを感じていた私は、「農産物を売る」デザインというものを知って、衝撃を受けた。
そして、漫画を描いていた自分にはとてもマッチするし、農業のためになるし、端的にめっちゃええやん
と思って、デザイナーを目指すことにした。
大学を卒業して、まず農業法人に就職した。そこで農業をしながら、販売時期にはインハウスデザイナー的にチラシを作ったりする事をしていたのだが、当時仕事がうまくできないということへの言い訳もあったと思うが、もっとデザイナーの仕事がしたいと思い、会社を辞めることになる。
その時、私はデザインをやりたい旨を説明したのだが、代わりに言われた言葉があった。
「本気でやりたい人なら、もっと必死にやってると思うよ」
自分は本気ではなかったのかと思った。
その後、そんな言葉を携えながら、トマトをやっているデザイン会社でwebデザイナーをやったり、鳥取のIT企業でフロントエンドと呼ばれたりした。
途中農業を諦めたり、DTP(印刷物)デザインを諦めたりしながら、それなりに目の前の課題に一生懸命にやってきたと思う。
デザイナーとしてはどうかわからない。センスいいねと優しく言ってくれる人もいた。だが、仕事人としては確実にダメダメだった。
納期を逸して会社に迷惑をかける。変な所にこだわって融通がきかず、煙たがられる。同僚とはうまく雑談もできず、いつも何かに追われていた。
結婚して、半分クビになったような形で会社を辞めたのだが、ところてん方式というのか、色々あって、前からやりたかったフリーランサーとして独立する事になった。
この前後の詳しい事情は省くのだが、夫が家族で農業をやっており、その手伝いをすることになったり、義理の両親と仲違い(私が)して、またフリーランスに戻ったりした。そして、二度目の独立を機にwebをやめて元からやりたかった印刷をちゃんとやることにした。
そのために、修行がてら半分だけ印刷会社に雇ってもらうことになった。
諸々あって、半年しないうちに印刷会社を辞めることになった。辞める時、先輩(まあおかしい人ではあったが)にLINEでこんな文章を送りつけられた。
「グラフィックデザイナー(笑)として頑張ってください」(原文ママ)
またしてもと思うのだが、頑張ってやってきた事、今まで過ごしてきた時間は結局カッコワライに集約されてしまうような事だったのかと思った。
悔しかった。
デザインには正解はないという。
だからこそ、立派なデザイナーというものは具体的にどういうものなのかわからないし、それなのに、見えない何かに向かって、あるかどうかも分からないものを信じながら走りたくなる。
自分はもう結婚している。
その上、駆け出しと言うにはあまりに年を取りすぎている。
どうして若い頃にもっと頑張れなかったのか、とか、
もう夢なんて諦めて真っ当な道を歩くべきだとか、そもそも夢ってなんだよ、真っ当ってなんだよ、農業手伝いは今できないんだよ、デザインするしかないんだよ…
とぐるぐるもやもやと悩みが湧いては消えていく。
底辺とはいえデザイナーになってしまった今、
明確な次の目標が見つからず壁にぶつかっているのかもしれない。
そんな私にとって、次に手を伸ばせる石は、
「心残りを解決すること」だった。
私の心残り、それは、
「必死にやってるかどうか」
という事だ。
今までに全力出し切ってデザインと向き合った事はあったか、なかったような気がする。
美大受験すらしていない。中高通じて美術部をしっかりやったこともない。
前田さんの「勝てるデザイン」は、発売されてすぐ購入していた。
なかみも自分なりにしっかり読んだと思う。
しかし、巻末ワークはやろうやろうと思ってやってなかったのだ。
美大コンプレックスを払拭するという、うってつけのテーマにも関わらず。
だから、これを機に私はワークに全力で取り組みたい。
そして、しっかりやりましたという達成感を得たいと思っている。
だから正直、ギプスに受かるかどうかはどちらでもいい。(いや、もちろん、本当は受かりたいです。)
大事なのは、しっかりデザインと向き合って、心残りをなくすことだと思っている。
受けた後にどうなっているといいか
そんな訳なので、ギプスを受けた後の事はワークをしながらしっかり考えたいと思っているのだが、
とりあえずまず、カッコ笑が取れるくらいの強いデザイナーにはなりたいと思う。
そして、できたら、やりたかったCIやパッケージの仕事ができるようになって、農産物のデザインをやって、自分の強みを掴んで、雑誌にちょっとでもいいから載って、鳥取にいいデザイナーがいるよって評判になって、故郷に錦を(以下略)…。
なんだかんだで夢はあるな〜、見失うどころか…。と、自分の業の深さを感じるのであった…。
最後に決意
課題の一つである「ぶっ飛んだ名刺を作らせてください!」の募集をTwitterでしたところ、沢山の人にリツイート協力していただいたお陰で、お二方にご応募頂くことができました。
ありがとうございます。
しかし、人を巻き込んでしまったという責任感で、もう逃げられないなと思い、気持ちが重くなると同時に奮い立たされるような感じで、不整脈気味の脈がうっています。
「勝てるデザイン」の巻末ワークを、3/31までに完了して、養成ギプスに応募する。
LINEの募集を受け取って、
「応募します」
と打ち返した。
「がんばれ」
と前田さんから返ってきた。
頑張ろうと思います。