Ninechocorates物語第三話~赤い扉の喫茶店~


ナインチョコレーツの話をする前に自分の話を少しさせてください。
僕は鬱が再発して一年半務めた会社を退職しました。自宅暮らしのこども部屋おじさんなので結構お金は溜まりました。
そのお金でエリスパいったり、アイドルちゃんのライブいったり、そういう感じでした。

世の中にはこういった現場で猛烈にお金使う人もいる(積む、と界隈では言います)そうですが
たぶんみなさんが思っているほど地下アイドルライブやエリスパはお金かかりません。
エリスパなんて4000円で二時間過ごせてお土産(プロマイド)付きだからなぁ‥しかもお釣りもくる!

ま、とにかく、このころ(10月ごろ)に就職が決まりました。
元あらくれみたいなおじいちゃんばかりの職場で、面接もないようなあるような感じでしたが。年が明けて3月の今も仕事は続けられています。

Twitterのフォロワーさんから沢山のおめでとうをもらいました。
推しのメイドさんからもおめでとうをもらいました。
アイドルちゃんからはがんばってね!と激励をもらいました。

今年の2月に推しのメイドさんが久しぶりのご給仕だったので遊びに行きました。
火曜日の仕事帰りに、勿論次の日も仕事の火曜日に

そんな日に推しに会えにいける!近々に稼いだ自分の金で!!!

こんなに幸せなことはない、本気でそう思いました。
今の僕の、生きる支えになってます。みんなありがとう。

さてそんなこんなでNinechocorate物語3話~赤い扉の喫茶店~です。
あくまでファンアートなので肩の力抜いて事実というよりオハナシとして楽しんでいただけると嬉しいです。ちなみにエリカスパルサの扉は赤い扉です。

前回のあらすじ
お披露目から急激な成長を見せたNinechocorateそしてナインチョコレーツオタクとして覚醒したさんたろう。
そして進化を続けるNinechocorate!
大目標であり悲願であるキャパ500人の静岡市民文化会館をお客さんを埋めることができるのだろうか?

やれんの!?シズブン!!

3-①

だいぶ落ち着いたといっても、夏から秋にかけてまだまだコロナ「禍」である殺伐とした雰囲気は残っていた。
中ホールのキャパは1000人、でもコロナの影響でソーシャルディスタンスをとるために1個またぎで席を作るとしても、それでもキャパは500人、9人いるNinechocorateは一人あたま50人は呼ばなきゃいけない。

デビューまもなくでそこまでファンも育ってなくて‥それこそ「やれんの!?シズブン!!」といったところだろう。

お披露目の前からshowroomという動画配信アプリで告知のために毎日メンバーのだれかが配信をしていた。
それとは別に我らがことりんはお披露目の後も毎日配信!とはりきって宣伝活動をしていた。

なにごとも因果関係を見出すのは難しいことであるが
これはかなり集客に影響があったと思う。

必殺営業三連撃を彼女は意識せずにやっていたのだ!

①エリカスパルサなりチラシ配りなどでNinechokorateという存在を知る

②Twitterでイベントの様子やおはようツイートをみてほんとに活動をしているんだ、と知る。

③動画配信をみてより身近な存在となる。

結果チケット買って観に行くか、となる。

富士さんたろう編纂俺の言葉の本より

これを営業3連撃と呼ぶ!!!
営業3連撃ですって!?知ってるのか雷電!?‥いやはじめて聞いた‥フフ‥俺が作った言葉だからな!

「がんばってる」をリアリティだして宣伝することは大事で、SNSやリアルで会ってチラシ渡したりメール送ったり媒体を複数にして視点を増やすと、より本当にがんばってるんだ、というリアリティは増すことになる。

しかし、ほんとに「3連撃」をやろうとするとかなり体力は消耗する。
そして何より結果がでるかわからないことを継続するには相当の根気がいる。

大変でなきゃ広報なり営業って部署は会社に存在しない。

とにかく、「このままだと11月3日に後悔する結果になる‥」と彼女たちは根気よく頑張った。
動画配信なんて化粧もしなきゃだからほんと大変だと思う。

人気投票とかはないナインチョコレーツだがTickTockバズらせ選手権を開催して長いグミを食べた天崎様が優勝した。

なんだろう、そういう、実のなる努力を根気よくすることりんのこと、俺、すき(インディアン的告白)

3-②

11月3日を大目標にNinechocoratesは活動を続けていた。
毎月9日はロキシーにて2話でファンを水木しげる化したエリカスパルサ出張店をやり
そこで書下ろし新曲「片思いチョコレート」を披露したり(この曲歌詞に清水駅が出てきたりしてエモイんすよ)
事務所対バンイベントのオープニングアクトにでたり
かつて茶果菜(解散してNinechociratesのメンバーが所属していた)がイベントをしていたカドデ大井川にてフリーライブをした。

僕も富士から金谷にあるカドデ大井川のイベントはいってきた。

カドデ大井川は金谷という田舎のなかにある産直である。
お茶の飲み比べができたり、茶葉の加工を茶葉になって体験できたり(どういうことなんだ!自分で調べてね)、お茶漬け専門店があったり
特にお茶漬け専門店はどんぶりごはんにウッソダロお前ってくらいかつお節を乗っけてくれる。


全体的に「バズり」を期待した造りの、どっちかというと観光施設である。

そんな観光客もバスで止まる産直施設カドデ大井川でフリーライブを10月にNinechocorates「定期」フリーライブ第一回が開催された。

富士から一時間のドライブして金谷島田インターに到着。
カドデでトイレを借りると、
多分カドデで作っただろう静岡アイドル!Ninechocoratesが無料ライブをやるよーってチラシが廊下に貼ってあった。

カドデ側もナインチョコレーツの集客を期待しているのをみてとれた。

フリーライブの収入源の物販、1,000円3枚、3,000円ぶんプロマイドを買うと特典会参加券と最前エリアに行ける。
やっぱフリーライブはお金を落とさなきゃね、ていうかそのころにはだいぶ僕もオタクとして成長?(洗脳)されており

物販にお金つかわないの?!なにしにきたの!?状態になっていた。

盆地の金谷は10月半ばとは思えない鉄板の上にいるような暑さのなかで
Ninechocoratesのパフォーマンスはキンキンに冷えた三ツ矢サイダーのように爽やかだった。

特典会では新しい現場で興奮気味のソラチとことりんと話した。
シズブンのポスターができていたのでそれを囲んで宣伝してもらう形の写真を撮ってもらった。

同じ人間とおもえませんねぇ‥ワイくん‥
カドデは観光施設なので偶然きた人も見物していて、

「ん?ナインチョコレート?メイド喫茶?え?え?え?待って若くてカワイイコいっぱいいるよー!」
って感じの会話が聞こえてきてナインちゃんはワシが育てたんじゃ!(んなわけない)と、誇らしい気分になった。

そして10月の最後の週にはチケットセンターは札止め!残りは手売りの紙チケットだけという状況になっていた。

やるじゃないM社、結果でたじゃないNinechocorates!!!
やれるんじゃないの!?シズブン!

3-③


11月3日は静岡市民文化会館を1日借り切って午前中は演者男だけの男声祭り(入場無料)
そして夜はNinechocoratesのライブというスケジュールになっていた。

男祭りではM社の社長も歌うそうで、すげぇなここの社長とおもったものだ。

さて単独ライブではシズブンでしか買えない物販が行われた。
中でもオリジナルペンライトとアクリルスタンドは買い争いがおこることが予感された。

アクリルスタンドとは?アイドルちゃんが印刷されたアクリルの板のことです。
台座にはめるとお人形さんみたいで何個も欲しくなってしまうという沼アイテム‥!

開演6時間前の午後一時にも物販があり少しでも列を分散させようとするM社の意図がみえた。つまり物販のみ二部制ってかんじである。ちょっとまってそんなに人並ぶの?

僕は11月3日(祝日)は仕事だったので開演前の物販しかいけなかった。
18:30の物販開始10分前に到着したらすでに中ホール前には鈴なりの列ができていた。

「おお、さんちゃーん」と物販のカタログを持って列整理をしているエリカスパルサのメイドさんバチっとメイド服とメイクを決めて出迎えてくれた。

静岡市民文化会館は旧駿府城のお堀の中にある。
お城こそ残ってないが江戸時代からのふるーい歴史を持つ場所だ。
そこにメイド姿の平成生まれのメイドさんが「物販いかがすかーいかがすかー」「最後尾はこちらでーす」している。

この演出はいい感じに頭がバグった。いい意味で違和感が半端ない!そして華やか!

うーんエモーショナル!いいねぇ!と鼻の下をのばしていると前のほうから

「天崎ことりのアクスタ売り切れましたー!」と声がアッーーーー
「あおいちゃんアクスタ売り切れましたー!」「ぴぴちゃん、あいら姫売り切れましたァ!」
おいおい!俺きたの物販開始10分前だぞ!なんでこんなことになるんだよ!

みんなもっと早く来てたということかい!‥愛が深すぎるだろう!ぽまえらヨオ‥!

なんとかソラチのアクスタはゲット、ラストワンだった。ナインチョコレーツの勢い、凄まじい!

3-④


公演は素晴らしいものだった。

青白い照明の中にNinechocoratesのロゴマークが浮かび上がりチョコレート片思いをアレンジした幻想的なオバチュア(出囃子ねオープニング的な)が流れる。
照明が暗いまま9人が登場、おのおのポーズをとる。
がうちゃんのシルエットがたまらなくカッコよかったのを覚えている。

そこから明転からの
♪ナイン!ナイン!ナインチョコレーツ!ああー♪と「チョコレート片思い」が始まった。オバチュアの時点で泣く人は泣くぞ、とことりんが配信で言っていたのを思い出した。

その先はよく覚えていない、

というよりこの感動を表現するにはちょっと僕の表現力が足りない。

とにかくおもったことは

へぇ‥これがこの人たちのやりたいことだったのねぇ‥なるほどなるほど

だ、としたらだ、だとしたらだよ‥

本当に応援してきてよかった!よくここまで辿り着いた!おめでとう!
と目に熱いものが流れるのを感じた。

あおちゃんがここまで9人でこれたことは奇跡、とMCで語っていた。

滅多に起こらない幸せという意味では「奇跡」だ、しかし僕が思う幸せを超えたとてもキラキラしていた時間だった。

ラスト間際、新曲の「君とコーヒーカップとフレンチポップ」が披露された。
♪どんなに離れていても、ぼくはここにいてあげるよ
過去と今と未来を繋げる真っ赤な扉のカフェでデートした思い出の歌。

真っ赤な扉のカフェ‥という歌詞から、これはエリカスパルサを舞台にした曲だと僕は解釈した。
何故か運営が変わり4月にまとめて卒業していったメイドさんたちのことを思い出した。
その中には今メイドしている女の子たちや常連客もいた。

そして最後は円盤CD全国レーベルで発売決定の発表。
いい悪いは別にして、Ninechocoratesはここから数字を追いかける闘いに身を投じることになる。

ファンのだれかがツイートしていた

「人生で一番たのしい日だった」

僕の1万文字の記事よりもコンサートのすばらしさを表現したツイートだと思う。

3-⑤

特典会やんの?文化会館で!?と思ってたけど普通にエントランスで列を作って特典会をやった。
文化会館史上初、かどうかはわからないけど、かなり特殊な使い方だったんだろうか。
ことりんの列が凄い!

「これからもよろしくね!今日はおめでとう!」というと
「まだまだ!ここが始まりだよ!」とことりんは答えた。

僕は幸福な余韻の中、帰路についた。僕にとっても本当に幸せな一日だった。

しばらくして11月中頃かな?ツイッターで重要発表があった。

動画配信サイトミクチャのショウレースに出る!

ということと

研究生チームないんちょこっとれーつの始動!

の2つ。

ミクチャに関しては静岡のローカルアイドルでNinechocoratesを終わらせたくない、という意図は感じた。
それと同時に、やはり静岡だけでは限界があるのかねぇ‥とさみしい気持ちにもなった。

研究生チームに関しては驚いた。

ってことは誰か卒業しちゃうってことなの?
8人そろってナインチョコレーツです!じゃしまんないもんなぁ

そして研究生チームに選ばれた3人には創業からいるエリちゃんもいた。
彼女と波長があうのか、彼女のコミュ力の高さなのか、彼女と仲が良かった。


本当に人形のようなお顔でかわいい子だ。

えりちゃんがやるなら、応援してみようかなぁと思った。

つづく
次回さんたろうがつづるナインチョコレーツ物語とりあえず最終回です。
ここまできたなら最後まで読んでくれよな!


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