【朗読版】愛あるかぎり 冬乃くじ #ブンゲイファイトクラブ 第1回戦作品
ブンゲイファイトクラブ1回戦で発表した『愛あるかぎり』を朗読用に改稿しました。未読の方は、下記リンクより、「黙読で」お楽しみください。
今回は【朗読版】ということで、読み手の朗読しやすさと、聴き手の聞きとりやすさを重視しながら改稿しました。
書き言葉と話し言葉は、非常に異なりますが、もっとも大きな違いは、時間の流れ方の違いだと思っています。
書かれたものは、その世界を自由に散歩することができます。たまに立ち止まり、前の段落を読み返す時間も、読書の楽しみのひとつです。けれども読まれるものは、後戻りができません。記憶が蓄積されていくと同時に薄れていくため、単語の発せられる順番がキモとなります。ですから、読者に立ち止まってほしかった箇所では、言葉を重ねるか、ひきのばすか、どちらかをした方が、聴き手は世界に入りやすくなります。書き言葉は削った方が美しく、話し言葉は重ねた方がのみこみやすいのは、そのためだと思います。
そのような理念のもとに、改稿したのが、このページで読んでいただける「【朗読版】愛あるかぎり」です。じっさいに声に出して読んでいただければ、とても嬉しく思います。「朗読版、愛あるかぎり、冬乃くじ」と冒頭で言っていただけさえすれば、個人が楽しむ範囲内で朗読することについて、まったく構いません。良識の範囲内であれば、むしろ歓迎いたします。どうぞご自由になさってください。ただし、著作権は放棄しておりませんので、どうぞよろしくお願いいたします。また、できれば部分ではなく、最初から最後まで読んでいただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、よい朗読ライフを!
2019年12月19日 冬乃くじ