アーサー・C・クラーク大先生の紹介文を寄稿していいって言われたんだけど一体おれはどんな世界線に生きてんの?
こんにちは、冬乃くじです。基本インテルネッツで生きているおれですが、初めて紙の本(※追記:ISBNつきの)に寄稿します、、! 池澤春菜監修『現代SF小説ガイドブック 可能性の文学』(Pヴァイン)です!!
BFC2の戦友(?)である遠野よあけ氏が、BFC4優勝したこともあっておれを書き手として推薦してくれたのです。ワー、よあけ~! BFC2ジャッジをジャッジで君をパァンと平手打ちしたのに推薦してくれるなんて!!!! ありがとう、なんて器のでかい人間なんだ……!!
というわけで、推薦してもらったのは「おすすめ作家紹介」のコーナー。レビューのサンプルを編集者さんに送るとき、「希望の作家がいたら教えてください」と言われ、えっじゃあ、と自分の好きなSF作家を列挙して送りつけたら、「それではアーサー・C・クラークとオースン・スコット・カードでお願いします」という返事がポンときた。What……? え いいの、そんなビッグネームをこんな、馬の骨ともつかないおれが紹介して……とさすがの(図々しい)わたしも思いました(一瞬)。でも「ヤッター!」ってほうが先に来てしまい、嬉しくってがんばりました。この~恐れ知らず~!!! キャホー!!!
それぞれ500字なんですが、クラークはまず偉大過ぎて500字じゃ足りねぇ問題が半端なかったです。無理だよクラークの偉業を500字に詰め込むなんて!!!! と何度も思いましたが、まだ読んだことない読者への入り口になればいい! 面白そうだと思わせれば大丈夫、一作手に取ってもらえたら後は勝手にクラーク沼にはまってくれるはず!!! と言い聞かせ、あれもこれも紹介したいのをぐっと我慢して絞り込みました……。
そしてカードのほうは、Pヴァインさんの意向が「より現代的なSFガイドブック」だと聞いたので、それならば功績とは別にカード自身が同性愛差別主義者であることを省いて紹介することは絶対にできないと強く思い、Pヴァインさんの了承を得て、その点もきっちり書かせていただきました。なぜなら作品中に、胸をちくっとさせる言葉選びの箇所が(全体の長さに比べれば一瞬だけど)あるから。ほとんど見当たらないけど、存在しているから。知らずに読んで失望する、そういう経験をもう誰にもさせたくない。少なくともこの本を手にしてくれて、わたしの書いた紹介文を読んでくれた人にだけは。そしてもうひとつの理由、それは、カードの差別意識がカードの宗教観に由来するもので、さらにはその宗教観ゆえに生まれた傑作も存在するから。……簡単に断罪できるものではないんですよね。でも人を踏みにじる行為を肯定することはできない。
カードの作品に強く感銘を受けた自分だからこそ、都合の悪いものを見て見ぬふりはできないし、してはいけない。だから手放しでは褒めないけれど、それでもなお薦められる部分も勿論あって、それらがきちんと伝わるように書けたと思います。500字でね。読んでもらえたら嬉しいな。
そんなわけで、冬乃くじの名前が初めて載った(※ISBNつきの)紙の本、『現代SF小説ガイドブック 可能性の文学』は2023年3月8日発売です!!! ほかにも面白そうな記事が目白押し!! 興味のある方、是非ゲットしてね~!!
※以下、公式サイトより転載