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わたくし十歳特技なし

突然ですが、皆さん特技はありますか?

すぐに思いつかない方、私も同じです。
無くても大丈夫です!無くて生きていけないことは無かった…ですよね…

と言いたいところですが、私は”特技”というものにすこ〜しだけ苦しめられた経験があります

〔 特技という名の敵 〕

遡ること約20年前…
そう、まだ私が小学5年生の頃。事件が起こるのです。

小学校生活最後のクラス替えが行われ、卒業式まであと1年を迎える私たちに試練が与えられました。その名前も…
「みんなの特技を披露しよう会」
(正確な題名は忘れました。ごめんなさい)

”全員が主役になれる場所を作りたい”という
先生の粋な計らいでした。

いやいやいや、なんということだ。
特技とは…??

ぼんや〜りのんび〜り生きてきた私には、
披露できる特技なんて な〜んにもありません。

友人たちは発表する内容を決めて楽しくお話していました。
ピアノにヴァイオリン、早口言葉・けん玉・リフティング・逆立・ダジャレまで幅広いジャンルの特技が飛び交います。
私なんてどうぶつの森e+でハチを一発獲りできるくらいしか無いのに…マズイ会話に入れない。

私の特技は?と人生の中で1番考え、頭を抱えたのはこの瞬間だったと思います。

〔   絶望の発表会  〕

発表会当日、私は授業で練習をした竹馬を披露しました。
クラスメイトは皆んな優しいので、拍手をしてくれるし変なことを言ってくる人は1人もいませんでした。
しかし、こんなものを見せてしまって申し訳ない気持ちと緊張で頭が真っ白です。それ以降はあまり覚えていません。

歌は好きだが人前では歌えない。絵も好きだが人に見せるほどでも無い。運動神経ない。お勉強もできない。人より上手にできることなど無い。そもそも自分に自信がありませんでした。

しかし、下手でも上手でも受け入れてくれるような優しさに溢れた環境が有りました。
その環境を上手に使うことができれば人生が少しだけ変わっていたのでは?な〜んて…

当時の私よ…家で自信満々な大声で歌っていた宇多田ヒカルの曲でも披露すれば良かったのに!!

〔 特技って言葉、固すぎない? 〕

気づかなかっただけで、特技ってなんぞや?と同じ思いをしていたクラスメイトもいたかもしれません。

“特技を披露する場”というのは、特技は有るのに発表する機会のない子にとっては素晴らしい機会だと思います。
しかし、「特技がない」「思いつかない」「自信のない」ないが3つ続くような私みたいな子どもにはかなり高い壁でした。

私もあの頃もう少し自分に自信があったら、上手でなくても自分の本当に好きなことを発表できたかもしれません。一歩踏み出す勇気があったらな…

まさに「やらないで後悔するなら、やって後悔した方がマシ」ってやつです。今更後悔しています。

でも特技って言葉、なんか固っ苦しくないですか?
波動拳!みたいなスゴイ技を披露しなきゃいけない感が出てて緊張しちゃいます。
”自分の好きなことを発表する会!イェ〜イ!”
くらいの緩さで開催して欲しかったです!

全国のせんせーい!!そんな感じでよろしくお願いしまーす!!

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