突貫で同人誌を作った話 ink. アドベントカレンダー16日目(12/22)
年末が近づいてきました。言い方を変えると年の瀬、今年最後の日。つまりは、もういくつ寝るとコミックマーケットの日です。
文芸主体創作サークルink.では『日曜日 西こ 08b』で出展する予定です。
コミックマーケットと切っては切れないもの、それは新刊です。しかし文芸主体創作サークルink.では12/20日当時、新刊を用意できていませんでした。
そういうことで〆切である12/21AMまでに突貫で新刊を作ることにしました。
ink bottle発行の経緯
工学院大学公認サークルの創作活動を中心に行っているサークルです。特に文芸活動を中心的に行っています。
年に一度稿葉という小説を中心としたサークル誌を発行しています。しかし、稿葉は10月の八王子祭か11月の新宿祭に発行しているため、コミックマーケット時には完全な新刊とは言えないです。
それに加えて稿葉ではそのために原稿を作ってもらっているため、普段のワンドロや課題短編といった活動があまり見えないと感じました。
そういうことでコミックマーケットで新刊として発行する短編集を作りたいという気持ちと、普段の活動で行っている課題短編を読んでもらいたいという気持ちがタッグを組み、課題短編総集編として同人誌を作ることになりました。
同人誌の題名は、あるメンバーが何でもありのサークル誌としてink bottleという同人誌を作りたいという話をしていたのでそれを借りてink bottle 課題短編総集編としました。来年は是非何でもありのink bottleを作ってもらいたいものです。
課題短編とは
一月くらいの期間を決めてテーマに従った小説を書きます。今年は前期に1回と後期の2回実施しました。
前期課題短編のテーマは複数の中から作者が選んで書きました。
後期は学園祭のテーマと同じテーマで課題短編を実施しました。1回目のテーマは魔法、2回目のテーマはゲームでした。
ink bottleの概要を決めた(11月後半くらい)
稿葉はB5で発行していたのでink bottleはひと回り小さいA5で発行することにしました。
課題短編をすべて掲載すると200ページ近いものになってしまいそうになったので1人当たり1作品までにしてもらいました。
印刷所は稿葉と同じPOPLSさんにお願いすることとして、それ以降は作ってみてから考えようとなりました。この時点で〆切までおよそ1月程度です。
実際に取り掛からずダラダラする(11月後半から12月19日まで)
いや、何もしていなかったわけではないですよ。課題とかバイトとかに追われて死んでたんです(言い訳)。
一応の進捗としては〆切が12/21のAMであることを確認したり、どの作品を掲載するかの確認をしたりしていました。
やって来る〆切に戦々恐々としながらサボるという矛盾した行動をおこなうだけの日々です。
〆切に慌てて取り掛かる(12月20日昼)
さて、〆切が迫ってきました。〆切当日はバイトがあるということに気が付いて慌てて作業を始めます。
私が編集で使用しているのはAdobeのソフトの一つ、InDesignです。とりあえずwordのデータをそのまま流し込むと様々な書式が邪魔をして面倒なことになることを稿葉の編集作業で学んでいたのでテキストデータに一度変換してから流し込みます。前期はpdfで提出してもらったので、それもテキストデータに変換してから流し込みます。
この段階である程度のページ数はわかっていたのでさらに余裕を持ったページ数で印刷所の予約を取ります。ここまでの作業は授業中にやっていた気がします。
体裁を整えていく(12月20日夜)
文字を流し込んだだけでは小説系同人誌としては不十分です。近くにある小説を開いてみればわかる通り、目次や奥付などが必要です。今回は時間がないことやお試しで作って見るという都合上、最低限の要素で作ることにしました。そのため、以下のようなシンプルな構成です
・表紙
・目次
・扉
・本文
・奥付
時間がないのでとりあえず手の付けやすいところから手を付けていきます。
本文ページデザイン(30分くらい)
まずは本文ページのデザインからです。
本文ページに必須の要素としてノンブル(ページ番号)があるので、最初にノンブルを配置します。
次に、ink bottleは短編集なので、作品名が分かりやすい方が読みやすいので、本文ページに作品名を入れていきます。
左ページの天に作品名を入れたので、バランスを取って右ページの天に同人誌の題名として『ink bottle 課題短編総集編』の文字を入れます。
これで本文ページのデザインは終了です。
扉デザイン(30分くらい)
本文ページの次に簡単なのが各作品の前に扉を付けていく作業です。
最低限の要素でうまく作りたいと思ったので作品名と作者の名前のみとしています。人間の視線の自然な移動を意識して作品名を左上に配置しています。
1作品で配置を決定したらそれ以外の作品の扉も同じデザインで作成していきます。マスターページって便利ですね。
また、文字だけだと締まりがないと感じたので、作品名の下に余白ぎりぎりまで下線を入れ、それっぽくしています。
奥付制作(10分くらい)
扉の配置が終わったら奥付の制作です。同人誌を作成するうえで1番重要だといってもいいのが奥付です。発行者の情報などを載せることで責任をはっきりさせるなど、様々な目的がある部分となっています。
サークル名や連絡先、印刷所など書かなければいけないことを書いていきますが、やはりそのまま書いただけだと中途半端になってしまうので、配置を調整していきます。
様々な小説を参考にした結果、上側に同人誌の名前、下側に必要な情報を載せただけで終わりました。
目次作成(20分くらい)
それぞれの要素の配置が終了したので決まったページ数をもとに目次を作っていきます。
InDesign純正の機能で目次を作ることはできますが、作品数と設定の手間がうまくかみ合わなかったため、1から手で作っていきます。
とりあえず作品名と作者名、ページ番号を入れていきました。文字のサイズと字間を調整しつつ作っていくとそれっぽくなったので、今回はそれで確定としました。稿葉の時は作品数や題名の長さなどで苦労したのでそれと比べると幾分か楽でした。
校正(20分くらい)
大体完成ですが、入稿前に間違えがないか確認します。InDesign上でグリッドラインなどを参考に確認した後、出力したpdfの確認も行います。
稿葉の時は2回ほど印刷して確認していましたが、今回は時間もなかったので画面上での確認と作者にも確認してもらっただけで終了しました。
簡単な確認作業でしたが、複数個所の訂正があり、複数回の確認が重要であることが実感できます。
表紙作成(10分くらい)
本文の確認依頼を作者に送信した後に行いました。
コミケ用のポスターとデザインを揃えようと考えていたので背景色を揃えるなど、全体的にポスターと同じ雰囲気に仕上げました。大体の配置は決めていたので、photoshopでサイズや配置を決めるだけで終了です。
イラストなどの素材は稿葉のイラストを利用させてもらい、今年の発行物全体で同じ雰囲気を出すようにしています。
ポスターは新宿祭の店番中に作ってました。
入稿(12月20日夜から12月21朝にかけて)
データが完成した順に入稿していきます。
サイズ以外は稿葉と同じ条件で作っています。本文データは1晩確認のための時間をとったので、ポスターと表紙を先に入稿しました。全てをまとめてzipに圧縮して送ったほうが印刷所の方には都合が良いそうなので次があったらまとめて送ろうと思います。
入稿したら作者の方に報告して終了です。短く苦しい戦いが終了し、バイトに向かいました。
最後に
最初に書きましたが、今回作成した『ink bottle 課題短編総集編』はコミックマーケットの新刊です。手に取っていただけたら幸いです。『日曜日 西こ 08b』でお待ちしています。
完走した感想ですが、同人誌を作るときは計画性をもって行動しましょう(自戒)。
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