出会いはいつでも(mk編)

偶然の風の中~♪

いわゆる推しの類に出会った経緯が自分は割とひねくれてるような気がしてる。
何においても一目惚れはしないタチだ。あとで気づいてハマることが多い。

三谷幸喜との邂逅もまさに、本当にあれは何だったのだろう、神の啓示か?と思えるような出来事だった(大袈裟やな)

あれは1995年だったか、当時のNHK教育テレビで舞台中継の放送があった。普段そのようなものを観ないのに、その日は何故それにチャンネルを合わせたのか今もってわからない。
それが『東京サンシャインボーイズの罠』だった。第一この劇団を知りもしなかった。当然ながらこれが解散公演なんて知るわけがない。
ただ、役者の名前にやたら『雅』の字が多かったのは気にはなった(名前には不思議な因縁があると常日頃から考えているから)そしてその時の出演者たちは西村雅彦、宮地雅子、甲本雅裕、小原雅人、と思われる。

観始めたら面白くてやめられない。録画していれば後で観ることも出来たが何となく観始めたものを録画してあるはずもなく途中からするのも嫌だ。その頃小さかった我が子を寝かしつけなきゃならん時間なのに止められない。夫は仕事で不在。
泣いてる我が子をなだめるというより完全にネグレクト状態にして(ごめんよ我が子)結局最後まで観てしまった。

とにかくここで三谷幸喜の名前を知る。
そこから程なくテレビドラマが始まった。
『王様のレストラン』である。
脚本は勿論のこと、舞台に出ていた俳優のうち何人かは出ている。
うわ!こりゃ観なきゃ、となるよね。
観始めたらこれが最高に面白い。今でもマイ・ベストドラマと言っていい。

実はこれより前に『古畑任三郎』 が放送されていたのを知ってはいた。しかし『刑事コロンボ』をこよなく愛する私は「これコロンボの真似じゃん、しかも二枚目の田村正和が演るなんて面白くないに決まってる」と思った。それにその時は脚本家の名前など知らなかった。後悔した。結局再放送観てハマる。

プロフィールを調べると三谷氏は『やっぱり猫が好き』に関わってたとわかる。この番組どハマりしてたんだよね。好きな傾向のものに知らず知らず惹かれるってことなんだろうか。 

てなわけで、その後、三谷を追いかけることとなる。実際、彼の書くものは面白いのである。それだけでなく、彼の好みと自分の好みというか、映画好きとしてのルーツが似通っていると知る。

和田誠さんの『お楽しみはこれからだ』なんて発売当時から全冊揃えていたのだけど、その和田さんとの対談集もあり、その中でビリー・ワイルダー作品や、これはある意味当然だが『十二人の怒れる男』(三谷の『12人の優しい日本人』の元になっている映画)などにも触れている。

つまり彼の作る世界は私の好みと一致するのは当然だった。私もワイルダーの映画をベストワンくらいの位置に考えているほどだ。そりゃ追いかけたくなるわ。
下手したらそういう部分がマニアックなものに走りそうなところなのだが、違っていた。

世間一般にも受け入れられるよう笑えて楽しめるウェルメイドなものばかりを世に送り出している。アメリカのコメディなどの影響を多大に受けながら日本人受けする世界を紡ぐことに長けていたのだろう。
気がついたら大河ドラマまで手掛ける大御所脚本家になっていた。
なので、私があの時、舞台中継を観ていなかったとしてもいずれ彼を知ることとなり、そのままハマったということは充分想像出来る。

それでも何かに導かれたのかもしれないと思う。ドラマや映画だけでなく時折、テレビは舞台中継を放送してくれるので私はそれを可能な限り観ている。そしてそれらは殆どのものが面白かった。
やはり彼の真骨頂は舞台にあるような気がする。残念ながら諸事情で生で観ることは一切叶わないのでテレビで観るしかないけれど、それでも充分満足だ。

そしてここへ来て、東京サンシャインボーイズの新作舞台の話が舞い込んで来た!相変わらず中継か円盤頼みだが楽しみではある。伊藤俊人の名前があるって素敵じゃないか。

語りたいことは他にもあるが、それはまた別の話としましょう…。

#三谷幸喜












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