広告右往左往
今を去ること10年以上前、今は懐かしい「はてなブログ」でこういうタイトルのブログをちょこっと書いてました。
その頃は、ちょうど広告やらマーケティングやらに本格的にデジタル化の波が押し寄せている時期で、まだ広告会社の現役社員だった私はその事にとても危機感を持っていました。
2009年くらいの日本の広告会社の収益構造は、まだまだ「テレビ広告」を中心としたマスメディアのコミッションが主で、そのビジネスとしての効率性、参入障壁の高さ(大手代理店であればあるほど)故に、数年先を読んだ「次の一手」に踏み出す事が出来ない状況だったと思います。
数年先にはメディア環境やデータ環境が変わり、いわゆるデジタル化が進むであろうことは、ちょっと考えれば分かることだったし、その事がこれまで連綿と続いてきた伝統的な広告会社ビジネスの根幹を揺さぶるであろうことは明白だったと今でも思っています。
そんな折にその問題意識を業界の懸賞論文という仕組みを借りて、世の中に問うてみようとした事がありました。
その時に懸賞論文のテーマとして設定されていたことをまるっきり無視して、自分の書きたいことを書き連ねた文章を応募するという、今考ええばとても失礼なことをしてしまったと反省しきりな出来事なのですが、その当時にその懸賞論文の審査委員をしていた先輩から、「惜しかったのだよ。ひとことで良いから、どこかに論文の課題にまつわることを一行でも入れてくれれば・・・」と言われて、残念と思う気持ちとともに、審査委員の皆さんに失礼なことをしたけれど、それなりに刺さった文章になったのだなぁと、ちょっと気持ちを強くし、その後の広告屋人生の向く方向が決まったような気がしました。
これから数回にわたってこのちょっとした文章をここに改めて上げてゆこうかと思っています。
過去に「広告右往左往」を見てくださっていた数少ない方々には、既視感のある投稿が何回か続くかと思いますがご容赦ください。
現在進行系で続けているマーケティングやコミュニケーションビジネスを取り巻く劇的な変化の原点はこの拙い文章のヒントとなった元MITメディアラボのニコラス・ネグロポンテが著した「Being Digital」という一冊の本によってもたらされた視点だったということは、そこから15年ほど経った今振り返ると、より大きな驚きとして感じられています。
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