新たなデジタルディバイド
スマホネイティブの世代がパソコンを使いこなせないことで、就労や担当できる業務などに制約がでている、つまり新たなデジタルディバイドが起きているそうです。
ここでいうパソコンは主にWindowsになるでしょう。
スマホネイティブの多くはスマホはiPhone、タブレットはiPad、パソコンはノート型のMacBookで育ってきています。
つまり「林檎系」のデジタルデバイスを使ってきていることが特徴なのです。
スタバに行けばよく分かります。
若い客は皆林檎系のデバイスを使ってますもの。
たまに違うのも居ますが。
(特にオフィス街にあるスタバは)
一方で、仕事で使うパソコンはほとんどがWindowsです。
もっと言うとキーボードで文字を入力します。
しかも「ローマ字入力」で。
スマホネイティブのほとんどはかなのフリック入力で育ってきています(もっと言えば子供の頃から延髄に叩き込まれている)ので、意外とローマ字入力に手こずるのだそうです。
更に言うとWindowsとMac系のお作法が水と油くらいに違うのです。
実際私は20世紀末の大学時代からWindows(それも3.1の頃から)しか使ったことがなく、Macだと?となります。
ですのでMacに慣れ親しんだ学生達からすれば社会人になって初めてWindowsと対峙することになって混乱するのです。
入社研修で外部施設に行ってWindowsとローマ字入力からやるというカイシャもあるそうですし。
(大学における情報教育って何をやってたの?的な)
もちろん、Macを業務上のデファクトスタンダードとしているカイシャもありますが、そんなのは医療系の一部かデザインや音楽などのクリエイティブ系だけでしょう。
医療系も以前はMacが結構多かったようなのですが、電子カルテのシステムがWindowsベースである(むしろMac系が無い)ことが災いしたのか医療系におけるMacユーザは衰退しているようです。
一方でクリエイティブ系だとスペックなどを勘案してMacが圧倒的に優位ですのでそちらだと逆にMacが使いこなせないと大変なことになります。
ただ、そういうのは日本の会社全体から見れば比率として極めて小さく、結果としてWindowsの実質一択になるのです。
大学から就職した際にまずパソコン操作でつまづく新入社員も多いと聞きます。
多くはスマホで慣れ親しんだかな入力方式が通用せず、一々入れたい言葉をローマ字に変換しなければならなかったり、カイシャでしか使わないWindowsの操作に中々手こずってしまうことで苦痛を感じてしまい、そこでリタイアするヒトも居るようです。
そうなるとできる業務は限られてきます。
最近ですと、レジをiPadにしているケースも結構ありますので販売などには就けるでしょうが、ほぼ必ずWindowsパソコンと対峙しなければならない事務職などは厳しいでしょう。
もっと言えばWindowsパソコンを触らなくてもよい仕事しか就けないということにもなってしまうわけで、となると多くは現場での割と体力系な仕事しか就けなくなってしまうのです。
片や事務系の仕事も全部が全部AIに盗って変わられるとか言われていますが、全部が全部そうできるのかは疑問はあります。
極端な例を言えばAIは例外事項が来たときに(つまり学習していない事項に遭遇した際に)想定外のことをやらかしますし。
話を戻しまして、大学生上がりなんだからそんなもん簡単にクリアできるんじゃないの?と思われていますが、意外とそうでもないようです。
小さな頃から叩き込まれてきたかな入力からいきなりローマ字入力に変換しろと言われて意外ととまどうそうですし。
さらに輪をかけてしまっているのが小中学校や高校で最近導入されているのが安価なchrome bookです。
Google社が作ったOSでWindowsもどきの事はできますし、Officeもどきのアプリケーションもあります。
ただ、あくまでも「もどき」であって、もっと言えば「真似事」ですので、chrome bookからWindowsを操作した際にちょっとした違いが新たなデジタルディバイドを産むような気がします。
Googleを全面的に導入しているカイシャでも、OSはWindowsだったりしますし、ドキュメントをExcelやWordで作って、それをGoogle Driveに入れるという形式を取るところばかりで、Googleのそれらを使うことは経験上あまりないような気がします。
(ただGoogleの表計算、ワープロソフトは複数人が同時に開けて編集ができるというExcelやWordにはないメリットもありますが)
メーラーこそgmailですが、これも既存のメーラーと比べてクセが強いですわりに、普通にスマホで視られるという点では既存のメーラーよりも使い勝手はよいのです。
一方でchrome bookを導入しているというカイシャを聴いたためしがないです。
それゆえchrome bookがビジネスのデファクトスタンダードになるとも到底思えませんし。
そう考えると実社会の仕事で使うパソコンは圧倒的にWindowsなのです。
何年か前にパソコンは数年後にこの世から絶滅する!と宣ったヒトが居ましたが、なくなる気配は全くありません。
宣った方に今の状況を踏まえたうえでの言い訳を伺ってみたいものです。
とはいえ、社用で持たされる電話やタブレットについては、圧倒的にiPhone、iPadですのでそういう連中からすれば問題は無いんでしょう。
私みたいなAndroidのスマホしか触っていないのからするとiPhoneって結構苦戦するんですよね。
一方でタブレット系ではiPadではなくマイクロソフト社のSurfaceを持たせるカイシャも増えていますが。
ちなみにアカデミックなところでは教える方の多くが林檎系のデバイスを多用することもあり、どうしてもMacが優位になるんですよね。
さらに穿った見方をすれば都会のスタバでiPadやMacBookを立ち上げてることで格好付けしているのも相当数いるんだろうなとも思うのです。
(それに抗うように私は都会を始めとした行った先々のスタバでWindowsを立ち上げてますが)
ちなみに、実社会(ビジネスも含む)で林檎系のデバイスが使えなくても全然生きていけますし、デジタルディバイドを感じません。
せめてあるとすればバーコード決済でしょうがそんなものを私は一切合切入れていません。
そもそもバーコード決済を信頼していません。
スマホに入れているのはモバイルSuicaだけですから。
さらにLINEもインストールしているとは言え稼動率は極めて低いですし。
ま、国内シェアの7割を林檎系のデバイスが占めているというのは世界を見回しても日本国だけで、本国アメリカでもそこまで高いシェアはありませんし、世界全体で見るとAndroidが圧倒的なシェアになっているのです。
世界的に見ても特異なまでに林檎信仰の高い国が日本国の特徴でもあるのですよね。
ま、最初に日本国で使われるようになったスマートフォンがiPhoneだったのが大きいのですし、林檎のマークがかっけえ!という信仰がスマホネイティブ世代の多くにあるんですけどね。
そのiPhoneとて新品より中古市場の方が活況になっているという歪な構図にもなっていますし。
最新のiPhone15の価格を見ると中流階級とされている林檎信者でも易々と手は出せないからでしょ。
それでも海外と比べると安い上に免税なのと円安ブーストも相まってインバウンダーどもが爆買いして、本国で売り捌いてボロ儲けをするでしょうし、ね。
あと最近の新入社員は電話をかけられないし、出られないと聞きます。
スマホで電話をしたことなんてないでしょうし、相手とはSNSでやりとりできるので、電話をする必要をプライベートでは感じていないのでしょう。
逆にビジネスだと電話の出番が結構あります。
大分昔よりは減ったとはいえ、そういうところでも躓くのもある意味あるのかもしれません。
あとメールも書けないのもそう。
どこかのインターンシップの応募で学生が件名に長い本文を打って送ってきたとどこかの人事担当者が苦笑いして語っていた記事を見たことがあります。
これもX、LINE、Messengerの功罪でもあるのでしょうけどね。
どちらにせよ、Windowsとローマ字入力を憶えて、Excel、Word、Power Point、さらに付け加えるのならばOutlookを使いこなせないとビジネスで戦えないのは事実です。
最近でこそMac版のOfficeもでていますが、操縦性はMacに準拠していますからWindowsのとは若干違っていますし。
そういう意味で今までとは違う意味でのデジタルディバイドが始まっているんだなと感じます。
それまでのデジタルディバイドは極論を言えばスマホを持っているか(もっと言えば使いこなせているか)否か、そして常にネットに接続できているか否かでしたからね。
ま、若いんだからWindowsのパソコン操作なんてあっという間に習得できそうに思うんですが、意外とそうでも無いんですねって。