ラジオNIKKEIのアナウンサーって凄い。
と思うのです。
ラジオNIKKEIは昔はラジオたんぱと呼ばれていて主に短波で放送を送出しています。
短波放送を聴く受信機は中々市井に出回る品では無いのが欠点でもあります。
ですので、Radikoのサービスが始まった際にいの一番でアピールをされてもいました。
ラジオNIKKEIは全国放送でいわゆるRadikoプレミアムには該当しないと言うこともありましたので。
ラジオNIKKEIといいますと平日は主に株式市場の状況を伝えています。
株主の中に東京証券取引所がいることもありますが。
(そういえば2020年10月29日は何を伝えていたのでしょうか)
そして週末は競馬です。
朝から夕方まで中央競馬を中継しています。
これも結構古い歴史があります。
関東で言えばラジオ日本も土日は朝から夕方まで中継をしており、例えばジャイアンツ戦のホームゲームが競馬中継とかぶるとジャイアンツ戦の中継の方を録音で夕方から放送をさせていたこともあります。
あと週末に予想番組をしており、ラジオNIKKEIでは各アナウンサーがクセの強いキャラクターぶりを発揮させながら予想を披露していたりします。
ちなみに中央競馬は1日12レース施行されますが、ラジオNIKKEIの場合はそれぞれ半分を1名ずつで担当し、バックアップとしてもう一人付いて実況が拾いきれていない情報をカバーして実況に伝えています。
しかも野球やサッカーと違い(1レースあたり)1~3分くらいで決着しますから、様子を的確に伝えながらも馬の順位やポジションを把握しておかなければなりません。
テレビ局の中継では素材撮りとして開催日は朝から分担して実況を付けることはあるそうですが、テレビのオンエアでは多くて2レース程度ですし画がありますが、ラジオは誤魔化せません。
馬名を言い間違えようものならば大変なことになってしまうのです。
しかもカネがかかっていますから、ネットでは無く紙の馬券で買っているヒトからすれば言い間違えされしかもその馬が払戻の対象にでもなろうものなら・・・にもなるでしょう。
言い間違えと言いますと結構有名な例として、2016年の第153回天皇賞(春)でしょうか。
ゴール前が大接戦で1着馬と2着馬の差は4センチという際どい決着となり、当然見た目ではわかりえないシチュエーションでした。
この時NHKで実況されていたアナウンサー(名誉のために名は伏せます。大相撲では非常に有名で、現在退局してフリー)が何と2着馬を優勝と言ってしまったのです。
ちなみにラジオNIKKEI(小塚歩アナウンサー)と関西テレビ(吉原功兼アナウンサー)は接戦というワードでその場を伝えていました。
つまりゴール前で際どい場合は勝ったと思われる馬名を断言しないというルールを守っていたとも言えます。
聴くところでは旧京都競馬場は各局の放送ブースがゴールに向かって後追いになってしまうのでそう言うケースもあり得るそうですが。
このレース以降このアナウンサーは競馬実況から外され(事実上の更迭でしょう)、後に競馬中継に復帰されましたが進行役としての出演で実況のマイクの前に立つことはありませんでした。
さてラジオNIKKEIは現在は中央競馬における公式実況も担っています。
つまりラジオNIKKEIの実況音声が自社の競馬中継以外にも開催の競馬場の場内に流れたり、ウインズやグリーンチャンネル(中央競馬を中心にした競馬専門チャンネル)でも流れ、さらには中央競馬のアーカイブとしても残るわけです。
実際にレース前の紹介のクレジットに実況の名前が出ますし。
(地方では実況のクレジットが出た記憶がありませんが)
ということは他社の中継と比べてより間違えられないシチュエーションとも言えますし、実況するアナウンサーはある意味相当なプレッシャーと戦うわけです。
バックアップもいるとはいえ最終的に喋るのは自分ですし。
しかも一日6レースを担当するわけで、レースが終わる度に次のレースへ向けて馬名を憶える準備を始めるそうです。
事前に識別するための表を作るそうで、それもアナログチックに作られているそうです。
そうしないと憶えられないし頭に入ってこないとも聞きますし。
そのラジオNIKKEIから先日退職されたアナウンサーがいらっしゃるようです。
小屋敷彰吾さんです。
ある時から実況陣から名前が消えて動向を気にしていたのですが、退職をされたそうです。
詳しくは当人がNOTEをされておりますので、そちらをご覧いただくとしまして、やはり相当なプレッシャーを感じ、さらにエゴサをしてしまってさらに追い詰めてしまったとも言えるのでしょう。
結果的に退職を選ぶという決断をするあたりは相当な思いがあったと推察されます。
そしてその競馬実況に挑もうとしている女性アナウンサーがいます。
藤原菜々花アナウンサーです。
2020年に新卒で入社して、現在競馬中継の進行・パドックを始め各種番組を担当しています。
自分が企画した羽生結弦選手のプログラムの曲を集めた特別番組が全世界の一部地域にインパクトを残したそうでnumberの取材も受けたそうです。
競馬以外でnumberの取材を受けたのは恐らくラジオNIKKEIでは初めてではないでしょうか。
そんな彼女も競馬実況デビューを目指して中継の出番の合間を縫ってお稽古をつけているそうです。
恐らく小屋敷さんの苦悩を藤原さんも見ていたことでしょう。
中々アナウンスグループの責任者でもある中野雷太局長のGoサインが出ていないようですが、いつかメイクデビューの日を楽しみにしています。
野球やサッカーと比べて競馬って格段に難しいと思いますし、それをスラスラ実況できるアナウンサーって凄いと思います。
余談ですが、ラジオNIKKEIのアナウンサーはアナウンス業務以外にもディレクターやプロデューサー的な仕事もされていて、競馬中継でいえば進行表(いわゆるキューシート)の作成やゲストや解説のブッキングなどもするそうなのです。
さらに以前はアナウンサー達が年末年始、春の大型連休の空いた枠をもらって自主企画の番組を作ってオンエアさせていたこともあります。
藤原さんもその延長線上で企画・制作・オンエアしたことにはなりますが。
そう考えるとラジオNIKKEIのアナウンサーは相当なスキルが磨けるのかなとは思います。
在京のテレビ局みたいにスタジオでキャッキャしてばかりしているアナウンサーとは大違いですからね。
ま、これもそういう風にやれ!とディレクターから命令されてやむなくしている方も居るのでしょうが。