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現場小噺「立つときは」
てらいもなくつどつど
社寺修復や現場作業のことを織り交ぜて話していますが
もう社寺の勤めを辞めて5年経とうとしています。
さすがに感傷も和らぎ
この年度末、いつもどおり切羽詰まった各現場の話を耳に挟んでも
そうそう心乱れたりはしません。
ただ、道端の空き地に仮設トイレが設置されると
「あぁ、工事が始まるなぁ」だとか
自身の制作の時に「あ、工程写真わすれるとこだった」など
染み付いた経験による反応はいかんともしがたい。
これは私に限らず誰でもそうで
習慣であったり経験知であったり職業病であったり
これまでのことの積み重なりの中からふと浮かび上がる、
そんなことがありますね。
今回は、そんなどうしようもない条件反射で思い出すコバナシを1つ。
![](https://assets.st-note.com/img/1709906166272-KNvT5ZvlSr.jpg?width=1200)
知人から聞いた話 「9尺脚立といえば思い出すこと」
なんのきっかけだったか、9尺脚立の話題になった時。
忘れもしないあの脚立作業…とおもむろにAさんは語り始めました。
20年以上前、1日だけの現場に赴いたAさん。
天井に何かを張り付ける作業にあたる。(何だったかは忘れたそう)
足場はなく、作業に使えるのは9尺の脚立のみ。
![](https://assets.st-note.com/img/1709904883695-VkQrh6vZah.jpg?width=1200)
ステップ数はいろいろですがとりあえず3m弱の高さです
あいにくと現場は床板がはずされ、
ただでさえ高い天井板はさらなる高みにあったそうな。
おおよそ床下から天井までが5mかというところ。
その天井になんとか張り付けなくてはならない。
今日中に張り付けなくてはならない。
たまにある、日帰り突貫作業。
用意された足場は9尺脚立。
自身の身の丈は5尺8寸、175cm前後。
そこで導き出された答えがこれです。
![](https://assets.st-note.com/img/1709908159772-jTGFc7soMu.jpg?width=1200)
(実際は体の向きが90度回転していると思われます)
5mは2階建ての住宅くらいまでだそうです
床下のネダにノリ板を渡し
ややたわみもするその上に9尺脚立を乗っけて、
さらにさらにその天板に立つという。
絶句する私に向かってAさんがしみじみと、
しかし真っ直ぐに仰ることには
「地球に対して垂直に」
それだけを心と体に刻んで
無事ミッションコンプリートしたそうです。
とまぁ、もう時効かしらと思いご紹介いたしました、
「9尺脚立」といえばのコバナシ。
昔はそんなこともあったんですね。
信じられない!とはなかなか言えないのがなんともはやなところですが
脚立の天板作業は厳禁。
工事現場の死亡事故原因の上位に食い込むのが脚立からの転落。
たとえ3尺であろうともリスクありです。
脚立使用時の原則
・天板に立たない
・昇降時には脚立を持つ
・後ろ足で降りる
![](https://assets.st-note.com/img/1709906412072-OBWB3Y7CDN.jpg?width=1200)
おもむろに脚立の話をしてしまいました。
ふっと思い出してしまったんですね。
自分にもこうした「アブナイ話」や一種の武勇伝がないかと
ちょっと考えてみましたが
だいたいにおいて男性陣の方が数倍イイネタを持っているわけです。
(こういうあたりが割と関西人気質)
なんやかんや男性というものは大変だ、やはり男はつらいよなのだ、と思い
とっぴんぱらりのぷう、今回は〆といたします。
以上、現場小噺でした。
おまけ
![](https://assets.st-note.com/img/1709908872210-0cRrqs2CDd.jpg?width=1200)
気に入って、たまに思い出し笑いしています。
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