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バックヤード:「キャンプ・チッカマウガ」のこと

キャンプ・チッカマウガ

ここのところ、次の創作の舞台を頭の中でグルグルまわしているうちに、以前読んだ労作、『占領と引揚げの肖像 BEPPU1945 - 1956』(下川正晴さん。弦書房)の、大分県別府市がクローズアップされてきた。

別府は昔ながらの温泉地であり、そうした場所の習いとして古くから遊郭も存在していた。そこに敗戦後、大量に引揚者が流入してきた。それだけではなく、占領軍のキャンプ・チッカマウガも造られ、街はキャンプ造成、米軍人などから落ちる金で潤い、遊興のための各種施設や女性も増えた。加えて米軍人、引揚者、在留の人々、浮浪児などでカオス状態になったというイメージだ(あくまで私自身の)。

ということで、現在、別府の戦後史、占領軍が撤退するくらいまでの期間をじわじわと調べているところだ。備忘録的になるが、そのプロセスを記載しておく。つまり頻繁な情報更新の可能性があります、という意味ですね。

現在の別府遠景

キャンプ・チッカマウガ
占領軍の兵舎や住宅用地として、『キャンプ・チッカマウガ』が、別府野口原に建造された。建設本部が昭和21年3月に設定され、完工日が昭和21年12月15日という強行スケジュールであったらしい。県内外の建設業者の集合体だったんだろうな。

別府公園
23.7haの広さがある別府公園は、占領軍キャンプ・チッカマウガの跡地ということだが、現時点で私には、どの程度のエリアがどの程度重なっていたのかイメージできていない。この他、別府に点在する比較的規模の大きな公園に関しても占領軍関連跡地であったものがあるようだ。レイヤーを重ねた地図があれば良いのだが。(自分で作れ、という話はあるなあ)

別府公園の「チッカマウガ・ツリー」
「チッカマウガ・ツリー」説明看板

参考図書

別府と占領軍―ドキュメント戦後史

絶版のため書影のみ

木綿恋い記
水上勉さんの小説。上巻の前半が一部、敗戦後の別府を舞台にしている。フィクションではあるが、当時の雰囲気を感じるために参考にさせていただいている。

木綿恋い記

(現時点の)参考サイト

国立公文書館

「公文書に見る終戦」が、テーマ別検索「公文書に見る終戦 -復員・引揚の記録-」の検索ハブとなっている。この年表検索内に、1945年9月25日「復員戦第一号病院船高砂丸 メレヨン島から別府に帰る」の記載あり。まだ深くは見ていないが、この文書館内の「アジア歴史資料センター」は頑張っている感があるなあ。

国立国会図書館

以前からIDを獲得しているんだが、このサイト、若干検索性が悪くて、サクッと情報にたどり着かない感あり。GHQ関係で大量の文書にヒットはあるんだが、その中身を検索するルートが貧弱なのか? 「んなもの、Googleに仕事させれば?」とか思って調べていたら、トップページの下のほうに、リサーチ・ナビ なる別ドメインサイトへのリンクがある。どうやら国立国会図書館の資料に対するナビサイトらしい(何で別ドメイン?)。で、このサイトのバナー直下の検索窓は、あんまり役に立たない感じがある。そしてバナーの右上、「Google検索」窓からの検索では結構なヒットが出る。なんだ、結局、Google頼りか? 試みに、「GHQ 別府」で検索すると結構なヒット数なので、後日、さらってみるかなあ。

「高野壽穂」さんのブログ

個人サイトのため、名称のみをメモしておくが、いや、凄い。キャンプ・チッカマウガに関する情報を深々と収集されていて、3Dイメージや設計図などに起こされている。イメージ作りに、無茶苦茶参考になります! 是非、書籍の形で出版していただきたいなあ。

上記、高野さんが、「キャンプ・チッカマウガ~64年の刻を経て3Dで蘇る、米軍キャンプ地の軌跡~」として、Youtubuですごい解説動画をアップされた。いや、イメージで見せていただけで分かりやすい、ありがたいっ。
以下、日本語版、英語版、ダイジェストの3本です。


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