心象風景が消し炭になったのでFUEGUIAへ行った話
冒頭からこんな事を書くのはアレだが、私は怒り狂っていた。
他の記事でも散々書いた胸の腫瘍や、その腫瘍にしれっと癌細胞が隠れていた事ではない。
病院に入院=外泊をしなくてはならない現状に腹を立てていた。(えっ、そこ?!って思いますよね、ソコなんです)
自宅大好き人間なので旅行以外(友達宅でも彼氏宅でも)で外泊するのが、とんでもなく嫌なのである。LOVE My🏠
そんな私が病気になり3泊4日の入院予定となった。当然嫌である。手術に対する不安や胸がどうなるか心配もあったが、そんなことより、と、思うほど病院に泊まるのが嫌だった。
調べてみたら葉状腫瘍良性の場合、日帰りで手術をしている病院もあるみたいなのに、なんで私は3泊4日?!日帰りで帰りたい!!!と心のなか中で大騒ぎしていたけど、医師曰「術後ドレーンが取れない事には退院できません。逆に言えばドレーンが付かなければ、2泊で帰れます。」
が、それでも2泊、ドレーン次第では3泊orドレーンが外れるまでは入院という状況に怒り狂っていた。幸いにも病室は快適空間ではあったのですが、それでも嫌なことには変わりなく、何泊で退院したかは、こちら↓
この怒りを曲に例えるなら、モーツァルトのオペラ『魔笛』夜の女王のアリア
歌詞の内容は怒り成分と全然違うけれど、曲調やテンポ、夜の女王の勢いが、私の怒りを表現するのにピッタリだった。
You Tubeに動画があるので是非ご覧ください。
夜の女王と同じくらいの迫力で怒り狂っていた私だが術後、病名が確定するとだんだん状態が変わってきた
怒りの炎が燃えに燃え、燃えた怒りが消し炭になった頃私の心は動かなくなっていた。
手術をして負担のかかった体を戻すべく、鍼にも通っていたが、何だか胸のあたりがずっと重たい。
「回復が最優先、家事も放棄して今は回復に専念を」と言ってくれた、夫の言葉に甘えに甘え悠々自適生活を満喫していたのに、何もやる気が出ない
体の調子は良いのに何をするにも億劫で、大好きで毎日編んでいた編み物も手につかなくなった。
本も集中して読めない。何もする気が起きない。なんなら自分が何を食べたいのかも
分からなくなった。(食への執着が凄まじい私にとっては一大事)
数日違和感を感じていたが気がついた。
これメンタルだ。メンタルがやられているんだ。
そうか、メンタルやられるとこんな感じになるんだね。なる程、これはキツい。(こう書くと何だか軽くみえますね。でも当時思ったままを書いています)
うつ状態になりかけていた。
が、自覚さえしてしまえば私の性格上、後は楽。アレだけの事を乗り切ったのだから、くたびれもするさ。よく頑張った、お疲れさま私。
そう思って夫に今の状況を伝えたらメンタルクリニックの通院も進められたが、夫が私の気持ちに寄り添い慰め、話を聞いてくれただけで心が少し楽になったような気がしていた。
引き続き無理をするなとの事だったので、気兼ねなくゴロゴロしていた。
さて、長々と語りましたがここまでが導入部分。
本題のフエギア話へ。
7月某日、私は灼熱の都内にいた。
手術から2ヶ月、夫や同じく癌サバイバーの友人達に散々愚痴りメンタルの波も少しずつ落ち着いてきたので、先延ばしになっていた楽器のメンテナンスの為、東京にきていた。
療養中、あきやさんや自問自答ガールズ達の記事によく登場していたFUEGUIAに行ってみようと計画していた。
と、いうのも香水オタクの友人にプレゼントしてもらった香水1本だけでここ数年乗り切っていた。
「季節感があまり無く香りが遠くの方で手を振っている位の薄いもの」と、お願いして手に入れたお気に入りの香水が無くなりかけていたから、FUEGUIA行きを決定!
旅行前せっかくなので手持ちの香水のメーカーを確認しておこう!と、出した香水箱がこちら↓
まさかのFUEGUIAである。
こまめに持ち歩き瓶に入れ替えてたから、本体にあるブランド名をちゃんと見てなかった😭
数年間、大事に愛用していた香水は
FUEGUIA Muskara PheroJ.
つけた時は軽く香るがその後、時間が経てば経つほど上品に甘く香るお気に入りの香水。
友人の香水への感度の高さと、私の無頓着さに泣きそうになったが、これもまた経験。
気を取り直してGINZA SIXのFUEGUIAへ
平日の夕方、ちょうど行列が出来ていなかったので意を決して、いざ入店!
今回の香水探しのテーマは
・軽く薄く残り香になりにくく、つけている自分が自覚出来るくらいのもの
・ウッド、グリーンノートは避けたい
・疲れ気味なので、華やかな香り<リラックスできる香り
入店後、すぐ目が合った店員さんに挨拶し、初入店で色々と見てみたい旨、上記テーマと手持ち香水名を伝える。
笑顔の店員さんは「なるほど、なるほど、なるほど・・・」と考え込んでしまったので、
『最近、怒りに怒り、怒りの炎が燃え尽きて心が消し炭になってしまったので、その心を慰める意味も兼ねて香水を探している』と、少々いや、かなり怪しい裏テーマを伝えると、何かに気がついたようで「お待ちくださいね、数点お持ちします!」
と言うが否や店内を一周しながら迷うことなく6つのフラスコを持ってきてくれた。
かなり緊張していまして。(何故かって?案内をしてくれた店員さんが、某舞台俳優さんに雰囲気と言うか、顔もソックリだったんですよ!!!!!もうビックリ。終始別の意味でドキドキしていたので、)購入品以外の選んで頂いた香水名を失念😢
写真も撮っていません。全く参考にならず申し訳ないです💦
オタク失格である。無念😇
コーヒー豆を片手にフラスコをかいで周り
悩みに悩んで決めました!
6個試した上でLa Joven Nocheに決定!
以下、公式サイトより
植物学者らは探索を続けるうちにファン・フェルナンデス諸島に辿り着く。失われたサンダルウッドの木を見つけることは出来なかったが、焚き火の煙、命を与える大地と熱が混じり合う匂いが、たとえ一瞬でもあたりに漂う。
La Joven Nocheにすると店員さんに伝えた際、その方はニヤリと嬉しそうに上記の説明をしてくれました。
「多分、お客様はこの香りを選ぶのではないかと煙と命、そして、再生のイメージがピッタリだと思っていました。香りが人を癒やす力があると僕は信じています。この香りがお客様の癒やしになれば、こんなに嬉しいことはありません。しかもこの香り、調香師が原点回帰の意味も込めて作ったらしいです。お客様にピッタリじゃないですか?」と、微笑まれ
一瞬ドキッとした。病気の事は話していないのだけど、テーマを聞いて何だか泣きたくなった。
病気発覚〜退院まで、怒りに怒っていたのだけど、本当は大声で泣いて逃げ出したいほど怖かったんだ。
日常を取り戻すため再出発するために今、藻掻いてるんです。
でも、ちゃんと見つける事ができた。
付けて行く場所をあまり選ばない、「アレ?何かつけてる?いいね、でも不思議な香り〜」
そう。この香水を付けていると高頻度で不思議な香りと言われる事が多い。
なんでだろ不思議🤔
しかも案内をしてくれた店員さんは某推しに似ている。
これ以上ない体験でした。
次に行く機会があれば、コレが私!って言える様な香りを選びたい。