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【山歩き記録 第80歩】今倉山・赤岩・二十六夜山(2023年6月17日)【「夏山」の先の大パノラマ】

梅雨の中、晴マークひとつのこの日、道志山塊の今倉山に行ってきました。

平地では真夏日予想とだけあって、暑い。氷水が大活躍。蝉だか何だか分からないけど、虫の音の大合唱。…は風情があって良いのだけど、ハエがたくさんたかってきて、虫よけしても寄ってくるレベル。日中にかけて増える白い雲。吸い込まれそうな深緑の山肌。そのどれも「夏が始まった」と感じさせるものでした。

ただ雲に関しては、歩き始めの10時ごろにちょっと増えてきて、「このまま増え続けたら富士山は見えないなー」と思っていたのですが、それ以上増えずに済みました。真夏だったら14時ごろが雲のピークな気がするのですが、去年6月の大菩薩でも似たような経験をしたので、この時期はまた特殊なのかもしれないです。

コース概要

地理院地図に書き込み

道坂隧道バス停からスタート。すぐに登山道が始まります。道坂峠を左折して尾根道を登り、今倉山へ。そこから西に進路を取り、御座入山というピークを越え、鞍部から登り返して、大展望の赤岩へ。その後もアップダウンがあって、林道を渡った先の二十六夜山へ。その先は700m以上の下り。最初は快適な尾根道、途中で尾根から離れ、沢沿いを下ります。やがて沢が離れていき、車道に出ます。ゴールは芭蕉月待ちの湯という温泉です。

記録

都留市駅からバスで道坂隧道へ。始発のはずなのに5分ぐらい遅れてきたときは焦りましたが、それより遅れることはありませんでした。

道坂隧道には、駐車場と、強烈な木の香りがするきれいなトイレがあります。

道坂隧道のトイレ

9時52分スタート。車道歩きがなく、いきなり登山道が始まります。

道坂隧道の登山口

開始2分で、コース一番の道間違いポイントがあります。下調べしていたので大丈夫でしたが、前を歩いている人はふつうに間違えていたような気がします。恩師林の看板で、直進ではなく、左折する必要があります。

直進(写真右方向)に行ってはいけない
左を向いてこの斜面を登ります

今倉山へは、単調な上り坂。多少めりはりもあるので、傾斜がゆるやかになったところで一息入れながら、登ります。木漏れ日さえ暑いぐらいでしたが、南側に雲が多くて、しばしば日差しを遮っていました。この調子だと富士山は見えないだろうなと思っていましたが…

今倉山と御正体山をつなぐ尾根

10時50分、今倉山。展望はありません。平らで休憩スペースは十分ですが、ハエが多くてあまり落ち着きませんでした。ここから、東西に伸びる尾根をたどって、赤岩に向かいます。

今倉山山頂
実は今倉山より数m高い御座入山だが、サインペンで名前が書いてあるだけ…。
御座入山からの下りで一瞬富士山ビューポイントがあります
御座入山から約100m一気に下ったところである西ヶ原。ここから道坂に戻る道は、YAMAPを見た感じだと、結構荒れているようです。

赤岩の前後は勾配が急で狭いところがあるので慎重に。地面に岩が混じってくると、間もなく赤岩です。11時33分。

赤岩は、360度さえぎるもののない絶景。何より、道志最高峰である御正体山の深緑とその背後の富士山が素晴らしいです。休憩するのに十分な広さがあり、好きな方向を向いて脚を伸ばせます。心配していた雲も広がらずによかったです(むしろ少し減ったかも?)。

赤岩標識
360度の案内板
左の御正体山と右の鹿留山、その間に富士山
正面に三つ峠、奥に南アルプス
同定できないけど、奥多摩の方向

赤岩から先は全体的に下り基調。林道に下りたら数十メートル先から登山道に戻り、二十六夜山へこの日最後の上り坂を登ります。

赤岩の先、大きい岩を下るところ
林道手前でも視界が開けます
林道前後には、コース唯一と思われるしっかり整った階段があります

12時34分、二十六夜山。二十六夜山は、北側の一部と富士山側だけが開けているので、日差しを避けてゆっくり休憩することができます。こういう景色は、他に目に入るものが少ない分、じっくりと富士山を鑑賞できる気がします。

二十六夜山標識
二十六夜山からの富士山

二十六夜山からは、「戸沢」への標識に従って、ひたすら下りになります。多くの山は山頂直下が急坂ですが、ここは緩やか、広い、落ち葉でふかふかという、とても歩きやすい尾根道で始まります。途中やや急坂になるところには、ロープもあるので助かります。

快適な尾根道
ここで尾根から離れて右に進みます

尾根から離れた後は、斜面をジグザグに下っていきます。さらに歩くと、「仙人水」という水汲み場に到着。ここでペットボトルに水を汲もうと思っていたのですが、斜面の中にあるのでキャップを落としたときを思うと気軽に出せませんし、仙人水や横の小流の水がそのまま道に垂れ流しなので、かばんを下ろして確実に、というわけにもいきませんでした…。ということで、手で汲んで少し飲んだだけですが、美味しい。ふだんのいろはすも美味しいと思っていますが、ちゃんと味が違ってちゃんと美味しいことに感動しました。

斜面に垂れ流しの、その水量にも驚く仙人水

仙人水の先に、大岩が転がっています。奇岩だな、名前ないのかな、と思いながら回り込むと、「かっちゃ岩」という看板がありました。

道中の奇岩
その名は「かっちゃ岩」

かっちゃ岩の先から、小川に沿って歩きます。左から来る支流を丸太橋で渡り、さらに本流を丸太橋で渡って川の右側に出ます。この辺りの道が、ただ川の真横というわけでもなく、踏み跡がそこまで明瞭でないので、進むべき方向を見失わないように注意が必要です。

小川はかなりの水量
「スベルゾ」の注意書きのある丸太橋

少しずつ川から離れていき、やがて舗装路に出ます。森を抜けた先の集落もよい雰囲気です。あの仙人水と同じ水で育った野菜はおいしいだろうな~と思いながら、もう少し歩くと、芭蕉月待ちの湯に着きました。14時20分。

舗装路に到達
緑に囲まれた集落

芭蕉月待ちの湯にはレストランがあるのですが、営業時間が昼と夜に分かれていて、14時~17時は注文できません。その代わり、飲食物持ち込み可なので、持ち込んだコンビニのパンで腹を満たしました。温泉も良くて、何と言っても、約32度の源泉をそのままひいた「ぬるま湯風呂」(というか水?)が最高。他にも、それぞれ約38度、40度、42度に加温した風呂が用意されているので、お好みの熱さを楽しめます。

帰りは都留市循環バスに乗るのですが、右回りに乗ると都留文科大学駅に着きます。駅のそばに桔梗屋があったので、信玄餅アイスを初めて食べました。餅をすくったときに食感が変わるのが面白いですね。

YAMAPの「直近一カ月の登頂数」が100回足らずで、『山と高原地図』には「道志山塊は道標も全体的に少ない 初心者のみの山行要注意」と書かれていたので、道迷いに注意しながら孤独な山歩きになると思っていましたが、数十人はすれ違ったと思いますし、各所ロープやテープで道が示されているので、山の中で迷うことはあまりないと思いました。迷う可能性のあるところと言えば、歩き始めてすぐのところと、川沿いまで下りてきてからでしょうか。

各種情報

コースタイム:4時間30分(山と高原地図)、5時間20分(YAMAP)。この中間ぐらいが平均的と考えれば良いかと思います。

標高:1010m(道坂隧道)~1480m(御座入山)~570m(芭蕉月待ちの湯付近)

眺望:赤岩から360度。二十六夜山から富士山側と北。

トイレ:道坂隧道バス停付近の駐車場

危険個所:歩き始めすぐに左折する場所を見逃さないよう注意。赤岩の前後にやや歩きづらい岩場があるので注意。

アクセス:富士急山梨バス。道坂隧道へは、「月夜野~道志~道坂隧道~菅野上~都留市駅」の時刻表を参照。山歩きに使える朝の便は、4月~7月、9月~12月15日の土日祝日のみ。芭蕉月待ちの湯へは、「都留市駅~市立病院~都留文科大学前 (都留市内循環バス)」の時刻表を参照。毎日運行。

周辺情報:芭蕉月待ちの湯のHPはこちら。14時~17時はレストラン営業時間外なので注意。ただし飲食物持ち込み可。


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