全然、寂しくないよ

4月の2日3日の土日で、大阪府内の私立大学に進学した息子のところに引っ越しの荷物を届けに行ってきました。

28日まで待っていた第一希望の合格は叶いませんでした。2月中旬に合格をいただいていた第2希望の私立大学に入学することを決めたのは28日の午前9時。悲しいとか残念な気持ちはあっても、そんな感傷に浸っている間もなく、31日から始まるオリエンテーションまでにはアパートを決めなくてはなりません。そのあと下見しておいた第2希望の大学の周辺のアパートを管理している不動産会社の担当者の方に連絡をし、第1希望からアパートの空きをあたってもらいました。有難いことに本人が希望していた駅近くの電車が見えるアパートの空きがありました。最近の契約は電子メールでもできるらしく、息子の携帯にメールをもらい、電子契約(この言い方でいいのかしら)これも本人がしてくれました。次の日契約金を振り込み、30日は契約書が送られてきて、息子と一緒に記入して(私は見ていただけですが・・・)返送。31日から学校がはじまりますが、キリがいいので、1日から住むことにしてもらい、31日はホテルに宿泊してもらうことにしました。

ほんとうは1日、主人に休みを取ってもらって、引っ越しの荷物を大きなものはお布団と机だけですが、運ぶつもりでいたのに、急遽主人の仕事の都合でやすめなくなり、1日の日、息子はカーテンだけ買ってもらって、お布団のない部屋で寝ることになりました。ホテルに泊まる?といちおう提案してみたのですが、お金がもったいないと本人が言ったので、若いし大丈夫かな?と思ったのですが、実際やってみたら、床は痛いし、布団がないから寒いし、散々だったと言っていました(苦笑)

本人が2日の入学式に出ているので、帰ってくる時間に合わせて、つけるようにこちらを8時半に出発しました。休憩をしながら高速で5時間くらいかかる場所です。癌を患ってから遠出はすっかりしなくなりましたので、自分自身の体調を少し心配しながら、家を出ました。休憩を多くとりながら、行ったので、思ったほど疲れもなく、無事に大阪に着くことが出来ました。

入学式を終えて帰宅した息子と夫とで引っ越しの荷物を運び、私は台所やお風呂洗面所やトイレに生活雑貨を配置しました。最小限の荷物にしたので、1時間半くらいで、終わり、その後家電を買いに近所のショッピングモールへ。大都会ですね~お店がたくさんあり、夜遅くまで空いているのです。私の暮らしている場所とは天と地ほども違います。物干しざおなど生活に必要な足りないものを買い足し、息子の部屋に届け、私たちはホテルへ移動しました。

と、ここまで書いて早3週間以上が経ちました。

引っ越しを済ませ、帰ってきてからがもうぐったりで、体が自分の体でないような疲れ方で、もう命が終わりなのかな?と思うくらいでした。おおげさですが、私はおおげさなのです(苦笑)

空の巣症候群よと友人に言われ、ネットで調べて、その通りだな・・と。一生懸命子育てしたので、仕方ないなともぬけの殻になっていました。

毎日、毎日、薄皮をはがすように少しずつ元気になっていきました。癌告知のようにいきなり突き落とされたようなどん底を経験しているせいか、三人から二人になった生活は、思っていたのとは違いました。

昨年の春は父に物理的には会えなくなりましたが、心の中でずっと生きています。息子は家を出ましたが、物理的にも生きていてくれて、一人で生活をするという自立の一歩を踏み出しているのです。寂しさの中にも嬉しさがあり、なんとも言えない、言葉には表せない何が入っているのかわからないミックスジュースのような気持ちが続いていました。

この文章が書けるようになったのは、その状態から脱したからです。

同じ場所に居ても同じ気持ちは続かないのだなと思っています。

表題の全然、寂しくないよは嘘でした。書いていた時は寂しかったです。でも読者の皆様に読んでいただける状態になった時は表題の気持ちになった時に出そうと思い、ようやくこの文章を出せるようになりました。

1人での生活に奮闘する息子・・・そっくりなんですよ。家事の仕方が(苦笑)ああ、見られていたんだなと嬉しいような恥ずかしいような・・・。息子には申し訳ないのですが、家で何もしなかったので、ほんとに一人で生活できるのかしら?と思っていたところもあったのですが、本人曰く、やらざるをえないとのこと。人は切羽詰まると行動するのですね。安心しました。

きっと離れた場所で私の知らないところでたくさんの経験をして、もっともっと成長していくのだろうなあ。私の知らない息子が増えていく。その方がほんとはちょっと寂しい気持ちがします。

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